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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2004.6
  • 出版社: 早川書房
  • レーベル: ハヤカワ文庫 JA
  • サイズ:16cm/365p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-15-030762-2

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文庫

紙の本

蹴りたい田中 (ハヤカワ文庫 JA)

著者 田中 啓文 (著)

蹴りたい田中 (ハヤカワ文庫 JA)

税込 770 7pt

蹴りたい田中

税込 671 6pt

蹴りたい田中

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未到の明日に向かって 9-26
地球最大の決戦終末怪獣エビラビラ登場 27-70
トリフィドの日 71-110

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みんなのレビュー27件

みんなの評価3.2

評価内訳

紙の本

笑える小説、っていうのとは正直、違う気がするんですね。どちらかというと、脱力小説。もう、それってありかよって。ま、タイトルからして、わかるんですけど

2004/09/20 18:25

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

じつは、新聞でこの本の広告を見た時、愕然としたのである。タイトルの馬鹿馬鹿しさは分かるのである。いかにも田中らしい匠の技である(でもないか)。勿論、綿谷りさ『蹴りたい背中』を意識した、いかにも脱力作家田中らしい一冊であると。しかし、遺稿集とは何だ? あの田中啓文が死んだ? いつ? ドーシテ?

慌てた。久しぶりに日本文学界に登場したワライ(話題ではない、決して)の作家である。もう、読めないのか、もう途中で本を投げ出させる《なげやり》《うっちゃえ》という大技を読者に掛けることは無いのか、文学事典を、人名事典を、世界文学全集を、吉本お笑い人物名鑑を探したのである。

死亡記事どころか田中の名前(爆笑問題のほうは、載っていた)すらないではないか。思わず、高一長女に言ってしまったのである「タナカガシンダ」うーむ、逆さまから読むと「ダンシガカナタ」、「男子が彼方」、いかにも女子校に通う娘にふさわしい言葉である、ん? 混乱してるか。

ともかく、カバーがいい。小松藤茂は、いつもこういう作品を描くのだろうか。気になるなあ。

「第二次大戦下で鬱屈する少年兵たちの、複雑な心象を描破した珠玉作「蹴りたい田中」で第130回茶川賞受賞後、突如消息を絶った伝説の作家・田中啓文。以来10年、その稀有なる才能を偲んで、幼少時から出奔までの偉大なる生涯を辿る単行本未収録作8篇+αを精選、山田正紀、菅浩江、恩田陸などゆかりの作家・翻訳家・編集者らによる証言、茶川賞受賞時の貴重なインタビュウ「未到の明日に向かって」までを収録した遺稿集」

でだ、まず目次が笑えるのである。

はじめに、として『蹴りたい田中』編集委員の文がある。以下【茶川賞受賞記念インタビュウ】「未到の明日に向かって」、【昭和41年 田中啓文、3歳】寄稿:北野勇作「地球最大の決戦 終末怪獣エビラビラ登場」、【昭和49年 田中啓文、11歳】寄稿:浅倉久志「トリフィドの日」、【特別収録 幻の続編発掘!】寄稿:山岸真「トリフィド時代」、【昭和51年 田中啓文、13歳】寄稿:山田正紀「やまだ道 耶麻霊サキの青春」、【平成4年 田中啓文、29歳】寄稿:恩田陸「赤い家」、【平成7年 田中啓文、32歳】寄稿:月亭八天「地獄八景獣人戯」、【平成13年 田中啓文、38歳】寄稿:塩澤快浩「怨臭の彼方に」、【平成16年 田中啓文、41歳】寄稿:大森望×豊崎由美「蹴りたい田中」、【平成26年 田中啓文、51歳?】寄稿:菅浩江「吐仏花ン惑星 永遠の森田健作」。

以上に、あとがきにかえて、田中啓文年譜、田中啓文文学大賞創設のおしらせ、がつくのである。

嘘か誠か、自伝風に過去を語る「未到の明日に向かって」、本当に扉の画は、3歳の田中少年のもの?「地球最大の決戦 終末怪獣エビラビラ登場」、巨大なきのこ?「トリフィドの日」、これで終わるの?「トリフィド時代」、山田正紀は偉大なり「やまだ道 耶麻霊サキの青春」、本格推理?「赤い家」、きったねえなぁ「地獄八景獣人戯」、くっせぇなぁ「怨臭の彼方に」、アイデアは凄いかも「蹴りたい田中」、ルビがないから読めんかった「吐仏花ン惑星 永遠の森田健作」。

ちなみに、各章の扉に出ている山田正紀や恩田陸といった綺羅星のごとき作家たちの文章だが、本物なんだろうか。田中啓文のことである、けっしてまともなものではない、そんな疑惑が我が家では持ち上がっているのだが。

で、思うんですけど、田中啓文って横田順彌ではない? だって、駄洒落落ちのレベルが、あんまりにもハチャハチャで…

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紙の本

自らをパロディ化

2017/01/13 10:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

福島正美の「SFの世界」や「バーミリオンサンズ」など、国内外のSFに対する敬意が感じられた。時空のかなたに消え去ることなく、新作を発表し続けてほしい。

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紙の本

茶川賞に笑いの新風を吹き込んだ快作(怪作)収録の作品集。公共の場で読むのは、かなり危険かも

2004/09/14 13:32

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:風(kaze) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 bk1はてなで「インパクトのある装丁本を教えてください」と質問したら、回答の中にこの本があった。数日後、「笑える小説を教えてください」との質問の回答の中にもこの本が出てきた。
 以前、「異形コレクション」のシリーズで読んだ著者の短編から強烈な印象を受けたこともあり、装丁にも惹かれて読んでみることにした。

 読む前は、駄洒落満載の馬鹿馬鹿しいだけの話なんだろうと思っていたのだが、どうしてどうして、読み始めたら止まらないストーリーそのものの面白さがあるじゃないの。
 ウルトラセブンに夢中になった思い出をくすぐってくれ、いっそ清々しいまでのアホなスケールの話の展開に引き込まれた「地球最大の決戦 終末怪獣エビラビラ登場」。
 一時期、山田正紀の小説にハマったあの興奮が、あのワクワクさせられた読書体験が甦ってきた「やまだ道 耶麻霊サキの青春」。
 そして、「怨臭の彼方に」の話には笑った笑った、腹の皮がよじれるくらいに。美貌の男優が、永遠の命と引き換えにある取引をするのですが、それが凄いことになっていく話。筒井康隆の「関節話法」を読んだ時以来かなあ、こんなにケタケタ、ぐふぐふ笑っちまったのは。電車の中とか待合室とかで読んでたらと思うと……。そうじゃなくて、ああ、よかった。

 なお、表題作「蹴りたい田中」が第130回茶川賞を受賞している。にもかかわらず、謎の失踪を遂げた田中啓文氏。そこには一体どんな経緯があったのか?
 その謎にもきっちり答えを出し、決着させている本書の潔さ。思わず脱力してしまうアホらしさ。問答無用の面白さ。
 山田正紀、恩田陸、菅 浩江といった著名な寄稿諸氏のあきれ顔、困惑顔が透けて見えるような文章に、決してめげることなどないだろう田中氏の今後の活躍が、ますます楽しみである。 

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2004/10/07 23:50

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2004/10/17 15:36

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2004/11/03 23:56

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2005/02/14 22:38

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2005/04/24 19:13

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2006/02/11 20:02

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