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紙の本
「声に出して読みたい日本語」決定版
2004/07/18 18:14
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:satta - この投稿者のレビュー一覧を見る
大日本帝国がどんな手段を使ってでも殺そうとした革命思想家・幸徳秋水。その危険な魅力がこの短い文庫本にぎっしり充填されている。論理の刃を研ぎ澄まし、修辞の美しさを丹念に練りこんだ、「日本語の名文」のなんたるものかが凝縮された名著である。
「帝国主義はいわゆる愛国心を経となし、いわゆる軍国主義(ミリタリズム)を緯となして、もって織り成せるの政策にあらずや」
為政者が自らの利得のため、人類を動物的天性に堕落させる「仕掛け」は古臭い。古臭い仕掛けに相変わらず引っ掛かり続けている我々である。故に100年以上前に記された秋水の、理性の剣はさび付くことはない。いまこそ「声に出して読みたい日本語」の筆頭に挙げたい一冊だ。
紙の本
う~ん、結構読み疲れします。
2019/08/26 08:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
活字は小さくはなく、漢字も旧字体ではないのですが、文調が~にあらずや、~ざるべからずというスタイルなので、結構しんどいです。但し、そこを除けば文意自体は割と判ります。何とか一日で読了しました。
帝国主義と題されていますが、帝国主義万歳!と述べられている訳ではありません。その反対です。そして自由競争主義における資本家の利益重視に異を唱え社会主義思想を推しています。
こうした考えが否定され、翻訳書も発禁処分に遭い、有罪判決の後、投獄され最後は処刑されるという数奇な人生を辿ります。
本書を読むと、とにかく外国の人物の名前が数多く出てきますし、よく諸外国の事情を知っているなぁと感服します。また、文中の熟語が非常に難解で(解説で注釈がありますが)、しかも聞いたことも見たこともない熟語がゴロゴロ出てきます。よく言葉を知っているなぁという印象です。漢検1級に最適かも。
帝国主義反対を唱えるについては、著者の時代のタイミングが悪かったのではと思います。尤も第二次世界大戦中ならば更にではありますが。その時代の世相における立ち位置というのは、いつの時代も難しいものだと痛感します。
紙の本
愛国主義から帝国主義へ
2019/04/01 19:48
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の初めは、「愛国主義」である。「帝国主義」と名打っていながら愛国主義とどのような関係があるかが最初に出てくる。しかし、ここがとても大切なところである。彼は本来の愛国主義のあり方を示しながら、「人間を狂気にさせ、他国を敵対視させ、そういう行為に熱狂させる」権化を当時は「愛国主義」の名で呼ばれていたことを明らかにして批判する。文章自体は読みづらいが、内容はシンプルで分かりやすい。