紙の本
期待しつつ、心配しつつ
2004/09/20 18:41
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
医療の様々な問題に果敢に挑んでいるシリーズが、ついに精神医療に手をつけてしまった。もちろん日本の医療を語るときに避けて通ることのできない分野であるのだから、無視をしてくれるよりはいいのかもしれない。だが、いくつか心配な面もある。まだ始まったばかりなので、評価を下すのは早いのかもしれないが。
一つは、精神医療の問題を大学病院を舞台にして語ろうとする所に無理があるのではないか、という点である。本文中に指導医伊勢谷も語っているように、現在の大学病院は精神科といえども3カ月程度の入院期間を基本としている。そうすると、長期間の治療・療養が必要と考えられる統合失調症の慢性期の患者を大学病院に入院させることはかなり難しいことになる。ところが、この本ではそのような患者が入院している。些細なことかもしれないが、誤解を招くような表現をすることは、余計に誤解や偏見を助長してしまうかもしれない。そういう意味では、この本で取り上げている問題は、むしろ精神科病院を舞台とすべきだったのかもしれない。
第二に、精神障害がきちんと描いてもらえるのかという点である。この本の中で述べられているように、確かに精神障害はある面では対人関係の病ではある。しかし、やはり「病気」は「病気」であって、決して性格や育てられ方の問題ではないということを描いてほしい。そうでないと、これもまた誤解や偏見を助長してしまうことになりかねない。現在の日本では「精神障害」という言葉の概念が拡散している傾向にあるからこそ、いっそう注意深く描いてほしいと思う。
もう一つ、精神医療とマスメディアの問題まで取り上げようとしていることが、逆に盛りだくさんになってしまって、問題をあいまいにしてしまわないかという点である。この本に出てくる新聞記者のやり方は、30年前に既に実際に行われたことの焼き直しのように見える。30年前に行われたことを21世紀の今に持ってこれるということに精神医療の問題点があるのだが、そこまで取り上げることで問題があいまいにならないように願いたい。
いくつも心配な点をあげてしまったが、心配になると言うことはそれだけ期待しているということでもある。研修医の斎藤君は好きではないけれど、今後のストーリーに期待したい。
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ブラックジャックは出てきません
名医も出てきません
大反響・話題沸騰のリアルを追求した医療ドラマです
主人公の斎藤は何の力もない研修医です
医者、病院、医学・・・
人の生活にに馴染み深いはずなのに、そこはあまりに隔離された世界です
矛盾を見過ごせず、やりきれず、必死の抵抗をする斎藤の奮闘がよりリアルに描かれています
イロイロと考えさせられる作品です
斎藤や患者、医者達が不意に発する一言がガツンと胸を打ちます
泣けますよ
「海猿」の佐藤秀峰氏の作品
絵や表現にかなりアクがあって、人によっては受け入れづらい面もありますが、
必死なところの描写なんかがこの作品に非常にマッチしていると思います
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ドラマにもなり、連載当初から問題作!と言われただけあって, 医者モノのマンガやドラマは以前からあったけど、これはまったくの別物!
裏のドロドロした部分や、患者に知られてしまうと, 「病院」という商売がなりたたなくなるようなことまで ハッキリ書かれています。
医療関係者では常識なことでも、まったく関係のない人には驚きの連続。
ホントの医療現場が少し覗けた気がします・・・・。
引き続き注目したい作品です。
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10巻も読んだけど、期待はずれ。つか、まだ前置き?始まってない感じ。
医者がどうこうできる問題なのかな、報道のあり方みたいなことを。それに主人公、あいかわらずのいい子ぶりっこが嫌。
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精神科そこで何が行われているか 私たちは何も知らない
『精神障害者』のイメージとは?怖い、気味が悪い、何を考えてるか分からない、近寄ると危ない、野放しにしておくと犯罪を犯す……全部ウソです。
永大精神科に研修をうつした斉藤は、入院患者・門脇の担当医となる。しかし門脇は患者ではなく、取材のために精神科に『体験入院』するベテラン新聞記者だった。門脇と彼の取材を許した、指導医・伊勢谷には一つの計画があった! 精神科編開幕! この国で初めて『統合失調症』のすべてが描かれる!!
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これで、この作品を知った1冊でした。
ここからTVドラマ編になって居ない作品で、
小沢君の過去の苦悩が描かれて居る内容ですあり、
当時周りの方々が色々と話題にもなった作品です。
又、『統合失調症』の様子が描かれて居る様子も見事再現。
考えられた1冊でした。病状も見事リアルに描かれてあり、
お勉強になり、考えさせられた作品でもありました。
当時周りでも話題になったので、寄って御評価は満点です。
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心の病の難しさは、その境界をどこにおくかということが、わからないことだと思う。
優しい世界であるならば、多少の違いはおおらかさのなかで隠されるのですが、お互いにギスギスした世界の中ならば、やっぱりちょっと人と違っているというのは、生きにくい。
生きている文化の差異によっても、狂気と正気の境目は動いていく。
できることなら、優しい世界で生きたいけれど…。
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精神科の話に入ったが、まだ導入。これからに展開が読めないが、精神病の描写としてはイマイチ。新聞記者の話が主題になっていくのかな?
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精神科編スタート。
精神科って普段生活を送っている中で、関わる機会がなく、まったくといっていいほど知らない世界…斉藤先生が、統合失調症の患者と、これからどのようにして向かい合うのか期待しよう。
潜入捜査した門脇のネッチャリした前髪ばかりが気になる…
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20111120
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「精神科 そこで何が行われているか私たちは何も知らない」
「精神障害者」のイメージとは? 怖い、気味が悪い、何を考えてるかわからない、近寄ると危ない、野放しにしておくと犯罪を犯す……全部ウソです。
永大精神科に研修をうつした斉藤は、入院患者・門脇の担当医となる。しかし門脇は患者ではなく、取材のために精神科に「体験入院」するベテラン新聞記者だった。門脇と彼の取材を許した、指導医・伊勢谷には一つの計画があった! 精神科編開幕! この国で初めて「統合失調症」のすべてが描かれる!!
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精神科シリーズ、そもそもこの病への理解欠如・認識の甘さがある当方にはいままでのシリーズより入り込めないと感じるのは事実。さてどう展開するのかな?
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精神科に属する疾患に対して知識がないが、何となくもっているイメージについて考えさせられる内容だった。とってもリアルにストレートに描写されていた。怖い、というイメージを克服するためにも読み進めて行こうと思う。
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2012 12/3読了。iPhoneの無料アプリで読んだ。
5-13巻までいっき読み。感想は最後に。
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精神科編。
「他人と上手く関われない病気」
まさにその通りだと思った。
誰がなってもおかしくない。
人間は誰だって病気になってからしか気がつけない。
病気は特別な物ではない、という事に。
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精神科医編です。
精神障害者福祉について考えている最近ですが、この漫画に考えさせられたことというのは本当に大きいです。
「差別」って何?
老人に席を譲るのも差別?
分裂症という言葉は統合失調症という言葉に変わったが、差別そのものはなくなっていない。
佐藤秀峰さんのHP
(http://satoshuho.com/index.html)
で、編集部との確執を描いた漫画を見たが、
斎藤先生の生き方と、作者の生き方が重なって思えるのは私だけだろうか。
ここまで、「作品」としての漫画を超えて、リアルに現状や問題を全身全霊で向き合った作品があっただろうか。
彼が漫画を描くのはなぜ?
彼が患者と向き合うのはなぜ?
読者のため?
金のため?
出版社のため?
とにかく、ここまで「自分の利益」を捨てて現実を見据えながら、「綺麗ごと」を追求する人がいるから、僕はこの作者に本当の意味で尊敬を覚えるのだ。
こういう、真実をどこまでも正直に追求していく馬鹿な人間がいない限り何も変わらない。
僕はこのような人間こそ、歴史に名を残すような人だと思っている。