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二人のガスコン 上 (講談社文庫)
二人のガスコン (上)
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紙の本
痛快、痛快
2004/09/03 14:14
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投稿者:死せる詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
二人のガスコンこと“三銃士”シャルル・ダルタニャンと“剣客詩人”シラノ・ドゥ・ベルジュラックが、マゼラン枢機卿摂生下のパリを縦横無尽に暴れ回る作品。
実際家で頭の切れるダルタニャンに、直観に鋭く情の厚いシラノ、無双の剣士たる二人がエスプリの赴くままに風を切って進む様は、これぞガスコンと言う所でしょうか。
そんな二人は、フランス王国を転覆させかねない謎を中心に、様々な勢力の思惑が交錯する中、己が信念を貫いて枢機卿や親王を向こうに戦うのです。
ガスコンらしいダルタニャンの大胆な作戦、多勢の刺客を煙に巻くシラノの口上等々、随所に痛快な佐藤節が見られます。分けても凄いのは、最後の戦い。人質に取らわれた女を助ける為、300人の衛兵が守る館に殴り込みをするシーンでしょう。パリの市街地で堂々と重火器の武装をし、マスケット銃にライフル、短銃、果ては白刃を手に衛兵達を撃って、切って、突いて、たった二人の熱血漢は死も恐れずに突入するのです。思わず心の中で喝采を上げずにはいられません。
まさに、快男子、まかり通る。