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紙の本
カドフェルシリーズは一話ずつ完結していますが、本書を楽しむためには、第1巻を読んでおくことを強くお勧めします
2006/05/08 20:39
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栗太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
守護聖人である聖ウィニフレッドの遺骨の移葬祭が近く、シュルーズベリ修道院は各地からの巡礼者で賑わっています。カドフェルの気になる巡礼は2組。1組は、足の悪い少年ルーンと、その姉ミランゲル、叔母アリス一行。そしてもう1組は、十字架をかけ素足で歩く青年キアランと、彼に付き添う青年マシュー。
カドフェルは、歳をとってから修道院生活に入っただけあって、世間を知り尽くし、時にシニカルでドライなものの見方をします。しかし、そんなカドフェルをして、神や聖人に対して心ドキドキすることがあるのでした。シュルーズベリ修道院にある聖ウィニフレッドの遺骨箱。そこには、ある重大な秘密があり、この地で真実を知るのは、カドフェルただ一人です。シリーズ第1巻から10巻である本書まで、胸に抱き続けた秘密を、カドフェルは、ついに親友ヒューにだけ打ち明けます。
カドフェルの望みは、各地から集まる何千、何万の巡礼者に対して、聖ウィニフレッドが何らかの奇跡をもたらしてくれること。はたして、珍しくもちょっぴり悩めるカドフェルに、聖女の祝福は与えられるのでしょうか?
さて、カドフェルの注意を引く2組の巡礼者たちですが……
ルーンは生まれつき足が悪く、不自由さと痛みに苦しみながらも、健やかな心を失わない少年です。ルーンを支える姉も叔母も、互いに支えあう良き家族です。それに対して、キアランとマシューの関係は、一筋縄ではいかないようです。マシューは常にキアランの傍らにいるのですが、単なる友情や献身ではない感情がそこにはあるようでした。キアランは、マシューとルーンの姉が恋に落ちそうになっている隙をついて、一人姿を消してしまいます。その事実を聞いた、マシューは豹変し、飛び出していきます。彼らの関係は、実は……
本書のテーマはスバリ「憎しみ」と「巡礼」です。とりわけ鮮やかに描かれるのは憎しみで、憎む者と憎まれる者の関係。いかに憎み、いかにその感情を乗り越えていくか、読み応えたっぷりです。
紙の本
面白かったです
2021/12/03 11:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回のカドフェルは話の発端が色々な所から現れ、途中それが入り乱れ、なかなか複雑になってきましたが、最後はいつもの通りきれいに勧善懲悪のハッピーエンド。このシリーズは歴史物で名探偵が人格者である所が、ポアロやホームズなどの普通の推理物と違う所です。