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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2005.11
- 出版社: 双葉社
- サイズ:21cm/209p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-575-23539-3
紙の本
Presents
著者 角田 光代 (小説)
この世に生まれて初めてもらう「名前」。放課後の「初キス」。子供が描いた「家族の絵」…。そんなプレゼントにまつわるしあわせな12景を、直木賞作家・角田光代と、イラストレータ...
Presents
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商品説明
この世に生まれて初めてもらう「名前」。放課後の「初キス」。子供が描いた「家族の絵」…。そんなプレゼントにまつわるしあわせな12景を、直木賞作家・角田光代と、イラストレーター・松尾たいこのコラボレーションで描く。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
名前 | 5-18 | |
---|---|---|
ランドセル | 19-32 | |
初キス | 33-47 |
著者紹介
角田 光代
- 略歴
- 〈角田光代〉1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞、「ぼくはきみのおにいさん」で坪田譲治文学賞、「対岸の彼女」で直木賞を受賞など。
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紙の本
短編集
2016/03/10 12:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:海(カイ) - この投稿者のレビュー一覧を見る
『さがしもの』を読んで、他の角田光代作品を読んでみたくなり、こちらを読みました。 とても良かった!それぞれのプレゼントの表現の仕方が素敵でした!特に良かったのは、『ランドセル』『絵』『涙』かな。
紙の本
贈り物の価値
2010/03/03 16:34
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:北村 佳澄 - この投稿者のレビュー一覧を見る
贈り物の価値は、「物」じゃなかった!
ごくありふれた名前に物足りなさを感じていた主人公が、その名前のルーツともなる場面に出会ったとき、母がその名を贈った意味を知る。
自分にとって意味のない、ただ高価なプレゼントより、派手じゃなくても心落ち着く、ささやかな贈り物にほっとしたりする。
「贈り物」をテーマに、生まれてからこの世を去るまでに出会うであろう、出会うかもしれない、素敵な12の贈り物が、まるごと短編集になっている。
贈られるのは物ではなくて、状況だったり、それにまつわる背景だったり、そういう全てがこめられているから、贈られた物以上の価値があって心に染み入るのだと改めて思わされた。
ぜひ、誰かにプレゼントしてみたくなる一冊。
紙の本
贈り物は、贈っている本人が一番喜びを感じている。
2007/12/15 17:46
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ろでむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝っぱらから、洗濯、風呂掃除、床磨きなんかしたりして・・・。
本を読んだ。
この世に生まれて、初めてもらう「名前」
放課後の「初キス」
女友達からの「ウェディングヴェール」
子供が描いた「家族の絵」
12つの話が散りばめられとるげん。
どれも、情景が目の前に浮かんでくる気にさせる描写。
わくわく、どきどき、ときには切なく、哀しい。
中でも、「名前」はいい話だった。
オイラ、自分の名前の由来を未だかつて聞いたことがない。
だからこそ、その由来を無性に聞きたくさせる、そんな話だった。
作者の言うとおり、こんな素敵な本を、さりげなく何かのきっかけで、
身の回りにいる人に贈ってあげたい。
紙の本
角田さんから読者への最高の贈り物。
2006/09/22 22:25
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年、直木賞を受賞後、より一層の飛躍を遂げている作家の代表例として角田さんを挙げたいと思っている。
元来、直木賞というのは作家にとっての最高の目標であるとは思うのであるが、決して到達点ではないはずの賞であると認識している。
さらなる飛躍と言う期待を込めて送られる通過点的な賞だと理解しているつもりだ。
たとえ人気作家の絶賛されている作品であれ、中には否定的というか辛口の感想や読後感を持たれている人がいても決して驚かない私であるが、もし本作品集を読まれてつまらないとかくだらないという感想を持たれた方がいれば、その方は読書をして少なくとも心を豊かにしたいという向上心に欠けている方だと思いたいのである。
それほど本作に収められている物語は宝物のように貴重な財産となるはずである。
角田作品、まだ半分も読んでいない私であるが、初めて読まれる方には是非この作品集をオススメしたい。
涙を流して読まれたあなたは角田さんから感動と言う大きなプレゼントを受け取り幸せをかみしめることとなるであろう。
本作は松尾たいこさんとのコラボ作品で小説推理に連載されていたもの。
12のストーリーにそれぞれ各1ページ、松尾さんのイラストが効果的に挿入されている。
単行本化に際し、素晴らしい表紙がついたことは特筆物である。
プレゼントと言えば、普通は物を想像する方が大半であろう。
しかしながら、本作では冒頭の“名前”からラストの“涙”まで、物だけでなく様々なテーマが取り上げられている。
角田さんが描くそれぞれのシーンはある読者にとっては既に通過したものであろう。
逆にこれからそれにぶち当たって行かなければならない読者もいるであろう。
ただ、どの読者にとっても愛情に満ち溢れたそれぞれの“ものがたり”を通して次のように思うはずである。
“人生って辛いことがあるから楽しいんだ”と。
読後、少し人生に潤いを感じるようになった気がするのである。
それほど、本作を読まれた読者は自分の人生の過去・現在・未来を考えることを余儀なくされる。
ランドセルを買ってもらった思い出。昔の恋人との思い出。また亡くなった母親のことを思い出すのもいい。
自分の子供の書いた絵を取り出すのもいい。浮気をしている方は良心を痛めるのもいい。
離婚を考えている人は子供のことを思うのもいい。
そう、本作は私達の人生に奇蹟を起こすかもしれないのだ。
自分の過去にもらった贈り物の重さを十分に噛み締めれたからだ。
“ラストの77歳のお婆さんに負けないくらいに人生のゴール地点では涙を流したい”。
そう思ってくれる女性には是非本作をプレゼントしたいなと、ひとりの男性読者として感じた次第である。
活字中毒日記
紙の本
素晴らしい絵と小説のコラボ!!
2006/05/05 22:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:てんてん - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編小説が12話収録されています。読んでみるとそれぞれの
主人公が年齢順になっている感じです。例えば1話の主人公は
中学生、12話の主人公はお婆さん、という風に。
小説、とありますが、なかには著者のエッセイでは?と、思われる話も・・・はらはらする展開は一切なく、どの話も最後には
「良かったね」と思わせる内容です。読み進めていくと、自分たちが忘れていたことをほんわかと思いださせてくれます。
松尾たいこさんの絵はとにかく綺麗。見ていると、色彩感覚の優れている人なんだなと思います。この絵を眺めているだけでも癒されますよ。
紙の本
最後まで残しておける贈り物って!?
2006/04/07 06:27
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
実に様々なプレセントについて描かれている。『描かれている』というのは、実際にこの本には松尾たいこさん描いた挿絵があるというのと、小説自体に描写性を感じたからそう書きたくなった。
人は一生のうちに、実にたくさんのプレゼントを受け取る。名前や愛情、といった形には現せないものや、まさしく物としての贈り物等。意識しないとそうは思えないんだけど、本当にたくさんもらっているんだなぁって思いました。
そして最後の『涙』のフレーズ、
「もらったものすべて、今、なんにも手元にないわ」
「だれかからもらって私が今ももっているものといえば、さゆり、というこの名前だけ」
「あなたたちにあげるものが、もうなんにもないじゃない」
というこれらの文の行間に凝縮された思いが何となく心に染み渡った。
だからプレゼントは、どれだけ気持ちが込めれるか、が大切なんじゃないかな!
とっても優しい気持ちになれる本でした。
紙の本
帯に「*初回限定特性ラッピングカバー」と注記があります。増刷したときはどう変わるのか、それが楽しみですねえ
2006/02/25 18:24
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
実際には、カバーには「小説 角田光代 絵 松尾たいこ」と書いてあるように、この本は松尾の絵を楽しむものでもあります。ついでにカバーについて書いておけば、帯に「*初回限定特性ラッピングカバー」と注記があります。それに対応するように、帯の背にはあとがきから二人の文章が抜粋されています。
「品物は、いくつかなくしてしまっても、贈られた記憶、その人と持った関係性は、けっして失うことがない。私たちは膨大なプレゼントを受け取りながら成長し、老いていくんだと思います。 角田光代」
「この本が、いろんな世代のいろんな生活を送っている、たくさんの人たちのプレゼントになればと思って、ブックカバーを包装紙のようにしてみました。 松尾たいこ」
最初に書きましたけれど、松尾たいこの絵をまとめてみるのは初めてです。松尾の装画は、もう御馴染みで横山秀夫『クラマーズ・ハイ』もそうですし、エイダン・チェンバース『二つの旅の終わりに』、ダン・シモンズ『夜更けのエントロピー』、三浦しをん『人生激場 THE PASSION OF LIFE』、コニー・ウィリス『犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』、エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』、シオドア・スタージョン『輝く断片』、A・N・ウィルソン『猫に名前はいらない』など様々な出版社の本を手がけています。
でも、今回は一つの本に12葉のイラストです。当然、描くものも様々。角田の小説との微妙なズレも、感性の違いゆえなので、それを楽しむことも可能です。しかも、カバーのデザイン、よく見れば松尾タッチはあるものの、やはり見事にラッピングと化しています。デザイナーって偉いです。
いらぬお世話なんですが、初回が終ったら、じゃあカバーはどうなっちゃうんでしょう。わざわざ、あとがきに「プレゼントになればと思って、ブックカバーを包装紙のようにしてみました。」とまで書いてあるので、おいそれと変更することは出来ないんじゃあないか、でもカバーに「*初回限定特性ラッピングカバー」と書いた以上は、実行しなければ嘘つきになっちゃうし。
もしかして、初版だけで以降は増刷をしないっていう荒技?を使う・・・
贈りもの、をテーマにした小説集ですから連作といっていいのでしょう。タイトルを紹介しておくと、Presents ♯1「名前」、Presents ♯2「ランドセル」、以降「初キス」「鍋セット」「うに煎餅」「合鍵」「ヴェール」「記憶」「絵」「料理」「ぬいぐるみ」「涙」という12のPresentsがあって、角田、松尾両氏のあとがき、になります。目次もとても綺麗で、各話の扉も上品、誰の仕事かなあ、ってみたら、ブックデザイン 鈴木成一デザイン室、とありました。
連作とは括ったものの、主人公の年齢は様々です。基本的には女性が中心にいます。初めて東京に母親と出てきた女性の初々しい思い、別れた男への想い、熟年離婚、あるいは趣味で始めた料理、玉の輿などいかにも今時の女性たちの周辺に起きることがらが、さりげなく、それでいてとても丁寧に描かれていきます。
角田がどんどん上手くなっていくのに従って、私は最近では殆ど重松清の本を手にすることがなくなりました。それは丁度、三浦しをんを読み始めたせいで群ようこを読まなくなったことと似ているのかもしれません。先輩たちが手馴れた技で流し始めた、それを新人たちの真摯な姿勢が凌駕していく、新旧交代というのはこれでなければいけませんし、ベテランはここで奮起して自分たちの力を見せ付けなければあいのでしょう。角田の成長を喜ぶとともに、改めて山田正紀や筒井康隆といった巨匠たちの凄さを思う一冊でした。
紙の本
私たちが受け取ってきたもの
2006/02/19 10:54
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクヤマメグミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
イラストレーターの松尾たいこさんが描いた表紙はまるで包装紙の様に美しい。
さらにそのカバーを取ってみるとブロンズ色の表紙が現れて、これもまた豪華な感じ。本棚に置いたらいい味が出そうな色だ。
本そのものが『Present』のような本書は、人生において受け取るさまざまな贈り物を題材にした短編集だ。
読み終えて私の抱いていた著者の世界が一変した。
今まで読んだ作品は、暗かったり閉塞感でいっぱいだったり、どこかやりきれないような思いが残ったものだが、本書は違った。
目次に書かれているサブタイトルを目で追っていく。
明らかにプレゼントっぽいものから、これがプレゼントなの?と首をかしげてしまうような物まである。
プレゼントというと、受け取った品物につい目が行ってしまうけれど、本当はそんな軽い存在ではないのかもしれない。
品物のその奥の奥に、込められたものがあるのだと。
それを贈ってくれた人が、どんな思いでこれを選んで、そしてどんな思いを込めているのか。
しょっぱなからグっと来たのは第1話の「名前」だ。
今ではすっかり自分のものとして定着している私の「名前」。
それがこの世に生まれて最初に貰うプレゼントとは!
その発想に目が覚める思いだった。
読みながら、私も今まで数え切れないほどのプレゼントを受け取ってきたんだな…と気づいた。
その中には目に見えないものもあったかもしれない。
けれども確実に私の中に息づいているはずだ。
眠る前に1話ずつ読み進めていたのだが、いつも優しい気持ちで眠ることが出来た、1冊だ。
紙の本
大人への階段
2005/12/03 20:20
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナカムラマサル - この投稿者のレビュー一覧を見る
ランドセル・鍋セット・ヴェールといった形のあるものから、名前・初キス・記憶といった形のないものまで、女性が一生の間に人からもらう「プレゼント」をテーマにした短編集だ。
恋人から指輪をもらったら大抵の女性は喜ぶだろう。それは、高価なものだから、という理由ではなく(そういう人もいるだろうが)、自分を大切に思ってくれている相手の気持ちだったり、指輪を見るたびに心の底から湧き上がるワクワクする気持ちが嬉しいのだ。その時は分からなかったけれども後から振り返るとものすごく貴いものをもらったと気付くものもあれば、「プレゼント」とは呼べない代物でも受け取る側の気持ち如何でかけがえのない「プレゼント」になるものもある。ある出来事自体が「プレゼント」だと感じることもあるだろう。「プレゼント」にまつわるこういった諸々の感情を、本書は描いている。
生まれる時にもらうプレゼントで始まり、死の瞬間に受け取るプレゼントで終わる構成がミソで、人生の各ステージで出会う「プレゼント」に何かを感じる心がある限り、人は何歳になっても成長し続けるものなのだ、と本書は気づかせてくれる。
この本を読み終えると、今までに自分が受け取ったプレゼントのあれこれに思いを巡らせてしまう。そして、いかにもらったものが多いかということに気付く。自分の人生もそう悪くないな、と思った。