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商品説明
大阪と京都。2都市を見る視点ががらりと変わる、画期的な考察。第1部では、商都としてにぎわう大阪の深層に、いまも息づく信仰心を探る。第2部では、千年の都、京都の前衛的な感覚を突きつめ、京都人の精神構造を考える。〔「日本人のこころ 1」(2001年刊)の改題〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
五木 寛之
- 略歴
- 〈五木寛之〉1932年福岡県生まれ。「蒼ざめた馬を見よ」で直木賞、「青春の門」で吉川英治文学賞を受賞。他の著書に「風に吹かれて」「大河の一滴」など多数。
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紙の本
宗教都市・大阪
2009/04/24 10:07
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:CAM - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、大阪は日本でもまれな宗教都市であると言う。 著者がいうように、大阪という都市の出発点になったのは、中世の宗教家・蓮如(1415-1499)による大坂御坊の建立と、寺内町の発展である。 寺内町(じないまち)とは、信仰によって結ばれた運命共同体としての町であり、特異な自治連帯都市でもある。 豊臣秀吉による城下町としての形成の前に、古き難波京の歴史に加えて寺内町としての発展があった。17世紀以降に初めて城下町として建設された東京などとは異なり、大阪がこのような歴史を持つ都市であることを、現在の大阪人はもっと誇りに思ってもよいのではなかろうか。
もちろん、「歴史」だけに拠って生きていくわけにはいかないだろう。著者は、東京一極集中という現象が進む中で将来の大阪が進む道として、外国人を積極的に受け入れる共生都市という姿を提唱している。著者がいうように、過去の寺内町という伝統を生かしながら進む道としては一つの案であろう。現実にも、大阪は人口比からすれば在日外国人が最も多い都市である。そもそも、寺内町に集まってくる人々は全員が「御同朋(おんどうぼう)」であったのである。
本書は、大阪について、従来あまり強調されなかった側面を気づかせてくれる素晴らしい都市論であると思う。