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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2006.2
- 出版社: 宝島社
- サイズ:20cm/220p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7966-5097-0
紙の本
大人のための怪奇掌篇
著者 倉橋 由美子 (著)
毒・棘・邪心・嘲笑・揶揄・嫉妬・淫猥・交歓・吸血・生贄…悪夢のような20篇。『大人のための残酷童話』で人生の残酷さや馬鹿馬鹿しさや滑稽さを辛辣に書いて多くの読者を堪能させ...
大人のための怪奇掌篇
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商品説明
毒・棘・邪心・嘲笑・揶揄・嫉妬・淫猥・交歓・吸血・生贄…悪夢のような20篇。『大人のための残酷童話』で人生の残酷さや馬鹿馬鹿しさや滑稽さを辛辣に書いて多くの読者を堪能させた倉橋由美子が、ほぼ同時期に書いていた怪奇小説集。知的な恐怖と乾いた笑いの詰まった短篇それぞれが、見事な仕掛け、隙のない文章、堅牢なエスプリ、そして通奏低音としてのエロスに満ち、読む悦びを満喫させてくれる。20の夜の愉しみとなる、純文学の香り高い極上エンターテインメント。【「BOOK」データベースの商品解説】
毒・棘・邪心・嘲笑・揶揄・嫉妬…。知的な恐怖と乾いた笑いの詰まった短篇それぞれが、見事な仕掛け、隙のない文章、堅牢なエスプリ、そして通奏低音としてのエロスに満ち、読む悦びを満喫させてくれる怪奇小説集。〔「倉橋由美子の怪奇掌篇」(新潮社 1988年刊)の改題〕【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
ヴァンピールの会 | 7-18 | |
---|---|---|
革命 | 19-28 | |
首の飛ぶ女 | 29-39 |
著者紹介
倉橋 由美子
- 略歴
- 〈倉橋由美子〉1935〜2005年。高知県生まれ。「パルタイ」でデビュー。他の著書に「大人のための残酷童話」「あたりまえのこと」など。
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紙の本
あの日手に取ったオカルトをもう一度
2009/04/01 13:00
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1985年2月に新潮社から刊行された『倉橋由美子の怪奇掌篇』の改訂版が本書『大人のための怪奇掌篇』。
旧仮名づかいは新仮名づかいに改められ、語り口調も時代もシーンも私たちのそれとさほど変わらない。そのくせ描かれる物語はうそ臭く、妄想めいていてともすれば狂人の夢ではないかと思わせるような恐ろしさを含んでいて読者は目を離せなくなる。
吸血鬼に首だけの女、幽霊屋敷に呪わしい鬼の面・・・どれをとってもありがちな、どこかで昔見聞きしたであろう、ある意味懐かしい怪奇たちがつづられる。この一遍一遍の短さ、感情移入する間を与えない冷めた語り、ドコまでもうそ臭くインチキめいたストーリー。
思い出すのは子供の頃に、半分怖いもの見たさで手にとった、あのオカルト本。いわゆる怪奇現象や心霊写真、恐怖体験談等を掲載した子供だましの廉価本。オカルト本とでも言えばよいのだろうか?あれらを読んでいた時の、何かやましいものを見ているような後ろめたさ、大人の秘密を知っているような優越感、もっと恐怖を・・・という欲望が入り混じった、あの不思議な気分だ。
本書にはファンタジーがある。ウソと幻想が約束されたお楽しみのために存在するホラーとしてのファンタジーだ。
あくまでエンターテイメントであり、大人が楽しむための、そう、お楽しみのための現代版御伽噺があの日のゾクゾクを読者に約束してくれるだろう。