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紙の本
あの日手に取ったオカルトをもう一度
2009/04/01 13:00
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1985年2月に新潮社から刊行された『倉橋由美子の怪奇掌篇』の改訂版が本書『大人のための怪奇掌篇』。
旧仮名づかいは新仮名づかいに改められ、語り口調も時代もシーンも私たちのそれとさほど変わらない。そのくせ描かれる物語はうそ臭く、妄想めいていてともすれば狂人の夢ではないかと思わせるような恐ろしさを含んでいて読者は目を離せなくなる。
吸血鬼に首だけの女、幽霊屋敷に呪わしい鬼の面・・・どれをとってもありがちな、どこかで昔見聞きしたであろう、ある意味懐かしい怪奇たちがつづられる。この一遍一遍の短さ、感情移入する間を与えない冷めた語り、ドコまでもうそ臭くインチキめいたストーリー。
思い出すのは子供の頃に、半分怖いもの見たさで手にとった、あのオカルト本。いわゆる怪奇現象や心霊写真、恐怖体験談等を掲載した子供だましの廉価本。オカルト本とでも言えばよいのだろうか?あれらを読んでいた時の、何かやましいものを見ているような後ろめたさ、大人の秘密を知っているような優越感、もっと恐怖を・・・という欲望が入り混じった、あの不思議な気分だ。
本書にはファンタジーがある。ウソと幻想が約束されたお楽しみのために存在するホラーとしてのファンタジーだ。
あくまでエンターテイメントであり、大人が楽しむための、そう、お楽しみのための現代版御伽噺があの日のゾクゾクを読者に約束してくれるだろう。
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