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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2006.3
- 出版社: 原書房
- サイズ:19cm/218p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-562-03992-2
紙の本
オタク女子研究 腐女子思想大系
著者 杉浦 由美子 (著)
オタク女子の最大派閥「腐女子」とは、やおいやボーイズラブを嗜好する人々のこと。静かなるマジョリティの彼女たちは、何に萌え、どんな生活をしているのか!? その思想と生態をオ...
オタク女子研究 腐女子思想大系
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商品説明
オタク女子の最大派閥「腐女子」とは、やおいやボーイズラブを嗜好する人々のこと。静かなるマジョリティの彼女たちは、何に萌え、どんな生活をしているのか!? その思想と生態をオタクライターが大解剖。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
杉浦 由美子
- 略歴
- 〈杉浦由美子〉1970年生まれ。ライター。『AERA』を中心に、オタク文化、コミック、文芸、流行現象などについての取材・執筆を行う。
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紙の本
ちょっとこれはないでしょう
2006/03/20 00:10
78人中、78人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:吉本たいまつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「腐女子」な人々の思想と生態を解剖する、と帯にはありますが、この本に書いてあることが「腐女子」と呼ばれる人々の全体像を表しているかといえば、残念ながらそうではありません。
そもそも前提となる情報に間違いが多く見られます。「やおい」=既存の作品や人物をもとにしたパロディ、二次創作、「ボーイズラブ」=オリジナル作品と定義していますが、現在ではこうした使い分けは行われていません。また女性が作る同人誌の最初のブームを「ゴッドマーズ」とし、その後「キャプテン翼」「スラムダンク」「テニスの王子様」と続いた、と述べていますが、他にも実に様々なブームがありました。これらの他にも間違った記述が多数見られ、調査が不足していることがうかがえます。
また、「腐女子はこういったものである」という記述も多く見られます。例えば、「腐女子は世界をすべて『攻め』と『受け』で分けられるという暴力的な考えを持っている」「朝の通勤時間、全国紙を買っている20代後半のOLは絶対に腐女子である」といったような。ですが、こうした記述において、「なぜそうなのか」という理由は、ほとんど語られません。まんだらけの店員に聞いたり、ボーイズラブ誌の編集に聞いたといった情報源が記載されているものもありますが、それは非常に少数で、多くは「私の知っている人はこうだから」という、薄弱極まりない根拠が示されているだけです。中にはなんの理由も示されないものもあります。そもそも説明にさえなっていない部分が多く、憶測と決めつけで「腐女子はこういうものである」と語っているとしか読めません。
このことはもう一つ、重要な問題を生みます。確かに著者が語るような「腐女子」はいるのでしょう。ですがそうでない人もたくさんいます。世の中すべてを「受け」と「攻め」の二元論で区切ってしまう人もいるでしょうが、そうではなく、違った判断をする人もいるはずです。「腐女子」という存在は、非常に広い考え方、嗜好、萌えで成り立っているのですが、著者が語っている範囲から外れる「腐女子」は、あたかも存在しないものとして扱われるのです。この本は、「腐女子」という言葉が含む多様性を、ごっそりとそぎ取ってしまっているのです。
確かに現状を鋭く指摘している部分もあります。「萌えと恋愛は別腹」「腐女子は女を降りているわけではない」など。ですが全体的には、根拠が薄弱で、著者が知ることができるごく限られた範囲の「腐女子」を取りあげているに過ぎません。この本に書かれていることが「腐女子」のすべてではありません。この本を読んで、「腐女子ってこんな人たちなんだ」と思うのは、大きな間違いだといえるでしょう。この間違いが広まって欲しくないものだと、強く思います。
紙の本
結論ありき
2017/08/17 21:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうにも論理が強引過ぎて辟易しました。結論を決めてかかっていて丁寧さに欠けます。オタク女子を無理にひとつの枠に押し込めているように思いました。
紙の本
腐女子ならではの冷静さが光る本
2006/03/22 12:38
23人中、23人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サト - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本のカテゴライズが腐女子のすべてではないけれど、複雑な腐女子事情の要約としては秀逸。
なにより、腐女子の冷静さ、したたかさ、謙虚さがきっちり描かれているのは、評価すべき。この手の本にありがちな自己憐憫や自己陶酔とは無縁で、ドライですらあるところに好感が持てた。
オタクカルチャー本が隆盛を極めている現在、出るべくして出た本だが、地に足のついた人間像を描いてくれたのは良かったと思う。
紙の本
オタク論ではなくジェンダー論として捉えるべき
2006/03/22 02:45
16人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:クター222 - この投稿者のレビュー一覧を見る
久々に面白いエッセイを読んだ。(本田透『電波男』+酒井順子『負け犬の遠吠え』)÷2といった感じか。最近のオタクにはユーモアが欠如していてなさけないが「オタク女子研究」はクールな笑いに満ちている。特にフェミニズム批判を絶妙な抑えた口調で展開する箇所には思わず唸った。オタク論としては弱いのだろうがジェンダー論としては極めて秀逸な作品だと言えよう。惜しむらくは流行のトピックスを扱うためか急いで書いた感がある。歴史の部分などはもう少し丁寧に展開してほしかった。
紙の本
受け・攻め・萌えで世界を語れ!
2006/02/10 17:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:原書房 - この投稿者のレビュー一覧を見る
【著者コメント】
最近、TV番組や各誌紙で話題を呼んでいる「女のオタク(=腐女子)」について、分かりやすくユーモラスに語りました。「腐女子の勝利宣言」にして、裏コンセプトは「負け犬の遠吠えを腐女子でやる」です。腐女子のみなさんはもちろん、オタク女子を見たこともない非オタクの男性でも楽しめる内容になっています。是非、読んでくださいませ。
*****
【主な目次】
Chapter1 腐女子の生態
東池袋 乙女ロードを行く/負け犬とアキバくんのあいだで/腐女子が増えている理由
Chapter2 腐女子の思想
萌えの構造/働く女性が「大人買い」する理由/腐女子の歴史!/女のエッチ漫画格差
Chapter3 腐女子の日常
腐女子と恋愛/似て非なるもの、文化系女子/非モテとはなにか?/腐女子の友情
ほか
*****
【著者】
杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)
ライター。1970年、埼玉県生まれ。会社員を経て、今はなき「recoreco」誌の「書評道場」への入門をきっかけにライターになる。2005年6月の「AERA」に執筆した「萌える女オタク」の記事が話題を呼び、その後の各誌紙、TVでのオタク女子特集の先鞭をつける。現在は「AERA」を中心に、オタク文化、コミック、文芸、流行現象などについての取材・執筆を行っている。
→杉浦由美子インタビュー