主人公の狂った欲はえげつない。けれど、彼の世界には美しさがある。
2009/06/15 20:18
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル、そのままです。
女を拉致してきて飼育している男の狂気。
親の遺産があって、働く必要もなく有り余る金と時間を女の飼育にかけている男。
えげつないです。
えげつないんだけど、妙な純粋さがあって、それを物語として成立させているのだろうなと思う。
にしても、毎度思うんだけど、大石圭の作品は食べるシーンが多い。
でもって、わりとそれが凝っている、というか、食べ物にリアリティがある。
食べることは生きることにつながっていると思っている。
狂った情欲に支配されて、いつ逮捕されてもいい、みたいな投げやりな生活をしてる主人公だけど、根底ではまともに生きたいと、この狂った欲から解放されたいと願っているのだろうかと、感じる。
うん。
淫靡で暗い世界を描いているけれど、奥底には生きることへの正しさがあって、それが大石圭の作品を一味違うものにしているのかもしれない。
“愛”を欲した男
2006/07/21 09:00
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性を拉致監禁する事件が、幾度となく世間を騒がせている。肉体の自由を奪うばかりでなく、人格を無視する扱いには憤りを感じるが、その一方で、「好きな女性を自分の自由にしたい」という願望が少なからずある。この思いが強烈で、なおかつ自制が効かないと、本書のような行動に移る人間が出てきてしまう。
実際のところ、誰にも知られずに人間、しかも成人を監禁し続けるというのはかなり難しい。いつ死んでも構わないというのなら別だが、主に性欲を満たすために生かし続けるのならば、食事や排泄、怪我や病気といった健康面にまで気を配らなければならないからだ。人目から遠ざけておける環境と、不自由なく好きなだけ使える金銭。この両方の要素が組み合わさってこそ、可能となる。
本書の主人公は、幸か不幸か両要素に恵まれていた。気に入った女性を次から次へと監禁し、もし死んでしまったらまた別の女性を補充する。たとえ感情は無くしてしまっても、自分の性欲を満足させられればいい、そう考えて女性達を監禁し続ける。もっとも、感情を無くした姿を“従順になった”と勘違いしているだけだが。とにかく、男は女性達を監禁し続ける。親が遺した大きな屋敷と莫大な金銭を利用して。
これまでの大石圭作品と同じように、主人公は心を病んでいる。自身も僅かな罪の意識を感じつつも、それよりも何倍も大きな快楽に身を委ねてしまう。また、このような非道な犯罪を続けながら、幼い娘へは親バカともいえる愛情を注ぐという二面性。このギャップも魅力の一部となっている。
単に偏執狂を描いているのではなく、“愛”とは何かを問いかけているこの作品。我々は主人公に“愛”を説明できるだろうか。
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060705購入/060712読了/監禁ネタ。もうちょいSM色を出してほしかったなあ…。「コレクション」とは違って即物的な主人公でありました。
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女性を拉致して、自宅の地下室に監禁する。そして「しつけ」を施す・・・。
昔、「コレクター」って映画があったよね。そんな感じ。
相変わらずの大石圭ワールドです。
好きなんだな〜。
ず〜〜っと読み続けたいと思ってしまう。
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相変わらずの大石ワールド。
この人の本はこれで一冊を残すのみとなったが
面白かったのは二冊程度。
しかも面白くないもののほとんどがこの小説をベースとしたような同じパターン。
ガリガリといっていいくらいのやせぎすな美女。
変なこだわりと、親からの遺産をもつ主人公
あまりにも同じパターンでどれがどれかわからなくなるくらいw
でもなぜか読んじゃうはなぜだろう。
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大石さんの作品の中ではまぁ微妙な作品だったかなぁ。。
【自分が気に入った女性を拉致して地下室に監禁。従順になるまでレイプを繰り返したり罰を与えて飼育する】と言うストーリーです。
女性的に言えば怖い作品です。
実際にありえないとは言い切れないよなぁ。。とも思う。
似たような事件も実際にあったしね。
オチも微妙で洋画のSAWを見終わった後のような気分になりました。
でもこういう願望がある男の人って結構、フツーにいるんだろうな。
しかも見た目もフツーの人が多いんだろうな・・。
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読んだ後、これはホラーじゃないよなぁ、とひたすら思った。
ホラーと言うには怖さが足りない。これはおそらく、自分が主人公に嫌悪感等を抱けなかったからなんだろうけれど。
ただ、一歩間違えれば官能小説ではあるけれど、あくまでもホラーなので一歩間違えているわけもなく。
怖いといえば、ラストの後の女性の行く末。
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前の『殺人勤務医』と一緒に買ったのが運のツキ。こちらはどーも読むのが辛かった。
この主人公異常なんですよ、というのをこれでもか、と盛り込んでるけど、結局何処を一番書きたかったのかブレてる感じがします。
あとがきが本編より怖かったよ……
誰でも飼ってるんですよ自分の中にナニカを。それを表現するチカラとしての犯罪、またその逆、というね。
AVはファンタジーです。
エロゲもファンタジー。
内容がおもいっきりアウトだったとして、ではそれを思いついちゃう人はセーフ?アウト?
作品と人間性は一緒くたにしたことはないですが、自分を振り返ってみても、全く無関係とは言い難いよなぁ。なんつって。
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例えば、男女各々がお互いに、
性癖嗜好としての主従関係を望むなら、
成立する世界だろうが、
この作品の主人公は、
残虐性はないまでも、
自らの性欲のためだけに女たちを拉致監禁し飼育するという身勝手さ。
角川ホラーから出ているが、
これはホラーではないだろう。
SMでもなくエロスもなく、
中途半端なイメージ。
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いつもこの人の作品を読むと真っ先に思うのは、「凄い」。特に今回はあとがきも凄かったですよ。そうか、数々の「凄い」作品が作られた裏にはそんな思いが……。
今回のはいつもにもまして「変態度」が高いかも。でもやっぱりやたら淡々と進むものだから、あまり生々しさを感じさせないのがちょうど良いんじゃないかとも思う。とはいえいつものとおり、「お薦め」とは言いにくい作品です。苦手な人にはすごく気分悪いかも。
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オイラの大好きな人間禁忌系統ですよー笑。
簡単な粗筋。
男は幼い頃、森で怪しい雑誌を見つける。
そこには今まで想像したこともない世界が広がっていた。
次第に男はその雑誌に載っていた男性のように、女性を飼ってみたいと思うようになった――。
まぁ……ぶっちゃけて言うならば、山はない。
大石氏のオリジナル作品はそういうものが多いけれど、今回は特にでした。
私的には嫌いではないけれど、もう一歩……といった感じですね。
ちなみに今回のは完璧な官能小説でしたよ。笑
久々に大石氏の小説でほとんど人を殺さない(殺されない)ものを読んだ気分でした。
だから味気ないと思ったのかもしれない……すでにオイラの思考はおかしいと見た。笑
正直、主人公に魅力がないというのが欠点だったような気がしてならないです。
何だかイメージしにくいんですよね。
まぁそういう人物設定だったのだろうが……。
どうも何を考えているのかとか、何を訴えたかったのかとかが伝わってこないものでした。
どうしたんだ大石氏……。
まぁいつもの大石氏らしさは出てるのでお好きな方はどうぞー。
余談ですが。
今回何が一番面白かったかってあとがきですよ。
大石氏がこんな話ばかり書く理由が分かります。笑
これが本当ならばかなりの狂人だと思われます。いや、マジで。
……まぁオイラも人のこと言えないけども。
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タイトル、そのままです。
女を拉致してきて飼育している男の狂気。
親の遺産があって、働く必要もなく有り余る金と時間を女の飼育にかけている男。
えげつないです。
えげつないんだけど、妙な純粋さがあって、それを物語として成立させているのだろうなと思う。
にしても、毎度思うんだけど、大石圭の作品は食べるシーンが多い。
でもって、わりとそれが凝っている、というか、食べ物にリアリティがある。
食べることは生きることにつながっていると思っている。
狂った情欲に支配されて、いつ逮捕されてもいい、みたいな投げやりな生活をしてる主人公だけど、根底ではまともに生きたいと、この狂った欲から解放されたいと願っているのだろうかと、感じる。
うん。
淫靡で暗い世界を描いているけれど、奥底には生きることへの正しさがあって、それが大石圭の作品を一味違うものにしているのかもしれない。
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題名通りの物語。
幼少期に与える影響の大きさについて考えさせられるものの、内容はそこまで人間の歪みに言及しておらず、淡々とした切り口のせいか誰にも感情移入はできそうもない。
内容に嫌悪感を抱く人もいるかもしれないが、個人的には嫌悪感は皆無。だからといって共感も皆無だが。
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久々の大石氏の新刊書き下ろしッ!
と喜んでてに取ったのですが…
えーっと…これ、角川ホラー文庫ですよね???
と確認したくなってしまいました。
ホラー…というより 官能小説じゃないでしょーかー。
ひたすらエロい…な気がします。
いや、官能小説読んだことないけど。
うーん、確かに「こういう人がいたら怖いだろうな」とは思いますが
ホラーの怖さじゃなくて…
ちょっと私としては、期待と違いました。
文章の読ませ方はさすが大石さんだけあって読みやすかったです。
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端的に言うと、異常性欲者の主人公が気に入った女性をさらってきて監禁し、性奴隷となるよう躾をする話。
これだけだとホラーより官能小説という感じですが、何が怖いかというと作者のあとがきが一番怖いです。
他の本のあとがきも読んでいると、大石さんの書くホラーは、それが自分の願望だからこそ、狂気じみていても冷静な主人公が書けるのだと思います。そう思うと、ぞっとしました。