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商品説明
天安門事件、阪神淡路大震災、イラク戦争…。迫りくる国家の危機、主役たちの影で、「不世出の官房長官」は何を語ったか。「真の護民官」と共に生きた17年の歳月を哀悼をこめて綴る、著者畢生の平成危機管理史。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
佐々 淳行
- 略歴
- 〈佐々淳行〉1930年東京生まれ。東京大学法学部卒業。国家地方警察本部(現警察庁)に入庁。初代内閣安全保障室長等を務める。菊池寛賞受賞。勲二等旭日重光章受章。著書に「東大落城」など。
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紙の本
護民官・後藤田正晴
2007/04/01 15:53
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hisao - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐々淳行、1930年生、東大卒のキャリア組警察官僚として日本の”危機管理”機構を創り上げた方である。
父方に佐々成政、母方に和田義盛、戦国武将の末裔を自称する”やんちゃ者”である。
共産圏スパイの取り締まり、東京オリンピックの警備、東大安田講堂事件、連合赤軍あさま山荘事件、連続企業爆破事件、日航ハイジャック事件、皇太子沖縄訪問の警備等戦後数々の大事件の警備指揮に辣腕をふるう。
氏の著作が映画にもなる”連合赤軍あさま山荘事件”でのカミソリ後藤田正晴警察庁長官とやんちゃ者佐々警備幕僚長が二人の出会いである。
中曽根内閣時には初代内閣安全保障室長として後藤田官房長官に仕える事になるのであるが、本書ではその時代以降が語られる。
昭和天皇大喪礼を最後に退官、その後も後藤田氏や石原都知事の選挙応援、自らの体験を描く数々の著作活動、危機管理専門家としての講演、”サンデープロジェクト””たけしのTVタックル”などのテレビ出演等で世間的にも著名な存在となる。
後藤田正晴氏逝去を機会に書き下ろされた本書であるが、後藤田氏への哀惜の書と言うより、ずばり著者の自慢話である。
官僚や一部の政治家の無策を徹底的に批判しながら自らの交友の広さとサムライぶりを大いに歌い上げるのであるが、まあ有能な方である。
有能なやんちゃ者、典型的な”恰好良い男”は私の苦手(多分嫉妬?)とする所だが、やはり有能な方が居ないと危機に臨んで社会は動かない。曲がりなりにも私達が平和に暮らせるのは彼らプロフェッショナルのお陰だろう。
ただ正直言うとやはり司令官後藤田氏あっての佐々氏のような気がする。論理的分析力・実行力とても頭の良い方に思えるが独断専行すればちょっと危なげない(もはやお年でそのような心配も無かろうが)
佐々氏の自慢話が後藤田氏の凄みを浮き上がらせている結果になっているのは、これこそ著者の意とする所だったのだろうか。
今問題のイラクへの陸上自衛隊派遣、2003年の初回派遣時に後藤田氏が佐々氏を叱りつけたそうである。武器使用は正当防衛、緊急避難に限ると言う中途半端な派遣に対し”銃を持たしたら撃つぞ、持たさなかったら死ぬぞ、戦になれば安倍晋三にへんな考えを吹き込んだ佐々・オマエは戦犯だ”
中途半端な他国追随や冒険主義が如何に危険をともなうものか、そして護民官としての政治家の責任の大きさを語って感動的である。