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- カテゴリ:一般
- 発売日:2006/08/09
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/247p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-16-325160-X
紙の本
ありふれた風景画
著者 あさの あつこ (著)
十代って残酷な年代だ。出会いも別れも生々しく、儚い。ウリをやっていると噂される琉璃。美貌の持ち主で特異な能力をもつ周子。傷つき、もがきながら、生きる少女たちの一年間を描く...
ありふれた風景画
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商品説明
十代って残酷な年代だ。出会いも別れも生々しく、儚い。ウリをやっていると噂される琉璃。美貌の持ち主で特異な能力をもつ周子。傷つき、もがきながら、生きる少女たちの一年間を描くみずみずしい青春小説。【「BOOK」データベースの商品解説】
ウリをやっていると噂をされている高校2年の高遠琉璃は、美貌の持ち主で特異な能力によって噂に上る上級生、綾目周子に惹かれていく…。傷つき、もがきながら生きる少女たちの1年間を描くみずみずしい青春小説。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
あさの あつこ
- 略歴
- 〈あさのあつこ〉1954年岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。「バッテリー」全6巻で小学館児童出版文化賞を受賞。ほかの著書に「福音の少年」「弥勒の月」など。
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紙の本
最近、なぜかこの手の本にぶつかるわけです。意図してるんじゃないんですが、読み始めるとドキドキしてしまって、切なくなったりして。だから採点は甘め。でも面白いですよ、女の子の思春期って
2006/12/03 10:42
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
長女が一年近くはまっていたPSのゲームに『サモンナイト』っていうのがあります。世の中で大騒ぎになったものではありませんが、攻略本もあって、それなりのファンもいて、というものでした。なんで、こんなことを書いてるか、っていうと、この本の装画をたんとうしているのが「やまだないと」だからです。それだけ・・・
ま、著者の「あさのあつこ」についてだって似たようなことは書けるんですが。で、装丁は、美貌の大久保明子。初出は「別冊文藝春秋」257〜263号(2005年5月〜2006年5月)です。白を基調にした丸背本というのは、美しいです。登場する少女たちのように・・・
で、内容ですが、終章を含む目次からは何も見えてはきません。
第一章 少女たち
第二章 夏の始まり
第三章 セツナイという季節
第四章 秋の朝顔
第五章 冬風の音
第六章 温かな幹に
最終章 ありふれた街角で
とまあ、「少女たち」っていうところだけが、ふーん、っていう感じ。
主人公は高遠瑠璃、人口10万ちょっとの南三原市にある、レベルとしては中程度の南三原高校の二年生で、もうすぐ17歳です。で、彼女はマニキュアが好き。自分の指の格好にも爪の形にも、自信があります。姉の名前が、綺羅、20歳の大学生。名前のごとく美女です。志望は東京の大学でしたが、母の反対で地元の学校に行くことになり、未だに母を恨んでいます。
瑠璃のこなどそっちのけで、綺羅べったりの母親・真弓は医者である夫に逃げられるのが恐くて現在過食症で、娘がの目からみても醜くなってしまっています。で父親は、といえば浮気が絶えません。ちなみに、母親の娘依存、過食が原因で夫の心が離れたわけではなく、夫のせいで母親がおかしくなった、といえます。で、父親は現在、イタガキ ユウコという父親の勤務先の薬剤師と関係中。
で、瑠璃は花屋でアルバイトに励む同級生の加水洋祐と言葉を交わしたことから、彼に想いを寄せる女生徒たちに屋上に呼び出され、暴力を振るわれそうになります。その時、そこに現れ彼女を救うことになったのが美貌の持ち主でその妖しい雰囲気から色々と噂の多い上級生、綾目周子です。
美貌の、どこかネジが外れたようでいて、人間の裏までも見抜いてしまう周子は、植物や動物などと会話を交わし、死にかけた鴉にパワーを送ったりすることもできます。その周子の唯一の友だちといってもいいのが鴉のタロウです。周子を味方につけたことで、瑠璃へのイジメは終わりますが、その原因となった加水洋祐を見かけた周子は「あの人、何か危ないかも」というのです。
その一方で、「運命って、自分の意志で変えられるんじゃないですか、綾目さん」という瑠璃を、周子は「目の前を俊敏で優雅な生き物が跳躍する。鹿だ。一頭の若い鹿が、周子の前を跳ね、青い草の香を残して消える」といった感じで見ています。そして、そんな周子に瑠璃は惹かれていくのです。
年上の恋人との悲劇的な別れや、苛め、同性への熱い思いなどを交えて話は私の予想しなかった展開をしていきますが、それが実に自然です。それが好ましくて、高校生の二人の娘に早速読ませたのですが、長女に言わせると「あさの、ってそういう小説書くの好きなんだよね。バッテリー、だってそうだし」とあっさり。
そうか、私『バッテリー』読んでなくて、そのあとの『福音の少年』『弥勒の月』には、そういった気配なかったしな。でも、こういうお話って、ドキドキしちゃうし、好きだな。そういえば最近読んだ森奈津子『シロツメクサ、アカツメクサ』『西城秀樹のおかげです』もそうだし、中山可穂『ケッヘル』も、荻原規子『樹上のゆりかご』もそうだったしなあ、なんて思いました。
やっぱり、私は好きなんですね、禁忌の愛とか、権力や権威への挑戦というのが・・・
紙の本
思春期
2020/11/25 19:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やっほー丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
思春期の少女達の悩みや葛藤が丁寧に紡がれていると思いました。特に、情景描写と心理描写の重ね方が上手いですね。見ていて何度も感心させられました。
他人から向けられる冷たい視線に嫌気がさしていた2人の少女が出会い、惹かれ合う話です。個人的に、ラストの持っていき方が非常に絶妙で、いろんな人に是非見てもらいたいと思いました。
また、何年か後に読みたい作品の一つです。