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紙の本
ハゲタカ 2上 (講談社文庫 ハゲタカ)
著者 真山 仁 (著)
「いつか日本を買収する—」。1年の海外放浪を経て、帰国した鷲津政彦が、まず標的に定めたのは、繊維業界の老舗「鈴紡」。一方、鈴紡は元銀行員の芝野健夫を招聘し買収防衛を図る。...
ハゲタカ 2上 (講談社文庫 ハゲタカ)
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商品説明
「いつか日本を買収する—」。1年の海外放浪を経て、帰国した鷲津政彦が、まず標的に定めたのは、繊維業界の老舗「鈴紡」。一方、鈴紡は元銀行員の芝野健夫を招聘し買収防衛を図る。その裏に、かつての芝野の上司で、UTB銀行頭取、飯島の思惑があった。激烈な買収戦争で最後に笑うのは。【「BOOK」データベースの商品解説】
〔「バイアウト」(2006年刊)の改題〕【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
果てしなき闘い
2009/10/06 18:33
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
また、冒頭で一人の人物が死ぬ。自殺ではない。事件の匂いがする。さらに、今回はアメリカの軍需産業が登場し、冒頭からいきなり緊張はピークへ。それぞれの思惑が交錯し離合集散が繰り返され、最後の最後まで緊張が緩むことなく、心地よい。善悪を超えたなにかに突き動かされながら、そのなにかを時に見失い、また取り戻して、生きていく主人公たち。作中のどの人物にも正義はない。それがこの作品の魅力である。
現在の経済活動にはある種の狂気が内在していると思う。大きな仕事に立ち向かっている充実感と同時に、常に空しさが伴う。差し挟まれる引用が、前作の「武士道」から「堕落論」へと変わっているのも、経済活動と人間性の相克を象徴しているように感じた。現在のような金融中心の強欲資本主義が続く限り、人間の品性は地に落ち、社会は格差と退廃に満ちると感じている人は多いと思う。
読者は、グローバリゼーションとはなにか、人間の矜持とはなにかを、そして日本のあり方を考えさせられるだろう。
※映画が終わったら、題名は「バイアウト」に戻した方がよいと思う。あるいは、「レッドゾーン」を「ハゲタカ3」にするか。