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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.7
- 出版社: リトルモア
- サイズ:19×27cm/96p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-89815-212-6
紙の本
人魚姫
著者 アンデルセン (原作),清川 あさみ (絵),金原 瑞人 (訳),鈴木 理策 (写真)
幾重にもかさなる布、丹念に縫いこまれた糸、宝石のように輝くビーズ。つよく、しずかに息づく絵で語られる、人間に焦がれた美しい人魚の恋の物語。【「TRC MARC」の商品解説...
人魚姫
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商品説明
幾重にもかさなる布、丹念に縫いこまれた糸、宝石のように輝くビーズ。つよく、しずかに息づく絵で語られる、人間に焦がれた美しい人魚の恋の物語。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
アンデルセン
- 略歴
- 〈アンデルセン〉1805〜75年。デンマーク生まれ。童話に「おやゆび姫」「マッチ売りの少女」など。
〈清川あさみ〉1979年淡路島生まれ。糸や布を使ったアート作品、衣装、空間、イラストレーションを創作。
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著者/著名人のレビュー
誰もが知る童話作家ア...
ジュンク堂
誰もが知る童話作家アンデルセンは、 1805年4月2日が誕生日!
それに因み、国際こどもの本の日にも制定されています。
数あるアンデルセンの著作の中から選ぶのは難しいですが、
スタジオジブリの「崖の上のポニョ」は
この作品から着想を得たというこの1冊はいかがでしょうか?
とりわけこの本は、ビーズやスパンコール、刺繍で織り上げられた
清川あさみのテキスタイルを絵本に仕立てて、
撮影は木村伊兵衛写真賞の写真家・鈴木理策、訳文は金原瑞人という
ぜいたくな大人のための絵本です。
【折々のHON 2010年4月2日の1冊】
紙の本
人魚姫、彼女の願いはどこに届くか。精神に殉じた存在はこころに深く刻印される。
2009/12/12 22:09
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねねここねねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
過剰な装飾を入れず、読みやすいままに原文の雰囲気、美しさを思わせる、金原瑞人氏のすてきな訳。色と質感の視覚からこころが静かになっていき、童話世界の誘惑から陶酔を感じることができる、ビーズ作品の清川あさみ氏。ふたりのすてきなカップリング。
リトルモア、ビーズ絵本のシリーズ二作目。
『幾重にもかさなる布、丹念に縫いこまれた糸、宝石のように輝くビーズ。
つよく、しずかに息づく絵が、人間に焦がれた人魚の恋を、語り始める――』
帯のコピーのそのままに、非常に美しい、すてきな絵本に仕上がっている。¥2000の価格もこれなら納得である。豪華ですてきな絵本として、丁寧に保存し読むを返している。プレゼント用、そして保存用に、お薦めしたい一冊に思う。
これは非常に良質な、大人の童話であると思う。
以下は物語の感想として。
結末がわかっている彼女の運命を、それでもどうにかしてやりたく、見守りたい思いでページを捲っていく…。急に読み返したくなって見たものの、思うこと多く、どうしても書かずにいられなくなった。
悲恋話、人魚姫の物語。ふと、アダムとイヴの話を思った。
智恵の実を食したことでの楽園追放。エデンは深海の園だった。人魚姫は夢みがちで無口な存在だったのだが、末の王女としてただ生きていくというだけでなら、何不自由のない生活が約束されていただろう。
しかし、彼女は知ってしまった。魅力的な見たことのない世界の夢。
そして恋するということを。
人魚姫は、人間になって愛されたかった。多くの犠牲を払っても、王子と結ばれるそのために。人魚ではなく、人間として。彼女はしかし誰よりも、人間らしいこころを持っていたと思う。
愛されたい、愛されたい、
愛されたい。
彼女は王子に恋をしていた。
不憫な恋。運命の悪意さえ思ってしまう恋。
報われない彼女の嘆きはしかしながら、かなしみから変質容易い憎しみに支配されてしまうこともなく、内面を見つめ返しつつ、自らのものを全て、受け入れて去る死を選んだ。
この物語を果たして、胸を痛めずに読めるだろうか。
完結した物語を触れて思うとき、その視覚、手触りなどとともにして、彼女のこころのこと、そして救いがあるのかなどと考えてしまう。すべてを投げ打っても、願いはされど叶わなかった。そのことで、救いはどこかにあったのかと。
彼女を追った物語は、智恵の実を食べて恋をしたところから、ひとつずつ、大切なものを喪失する旅になる。
願いを獲得するために、彼女はとても真摯である。彼女は自分の環境から、家族、美しい声を失い、その上で、肉体の痛み、かなしみさえ得てしまう。しかしたったひとつ、何より欲しかったそのものは、永遠に彼女の手には入らない。
その孤独とかなしみ。僕らには、いったい何が言えるだろうか。何をわかってやれるだろうか。
見守る心はひどく痛む。
感情移入などしてしまえば、どこまでも、そしてどこまでも、かなしみだけが募っていく。
とてもつらい、そしてかなしい恋だった。しかし最後の決断で、彼女は引き返すこともできた。己を取るか、それとも愛した他を取るか。
いや、自らの身体生命と時間を得るか、それとも信じた精神を取るのか。
人魚姫、彼女は曲がることをしなかった。
その者を愛したということ。
自らの精神に彼女は殉じた。
こころの清浄と潔癖さ。彼女は自分の信である、恋心に殉ずることを選択した。
僕らはこの、ちいさな物語を追っていく。それは切ないかなしみと、痛みを引き連れやってくる。
そうしてひとすじ光りがある、凛々しくて、清く尊く思うものをこころのなかに留めていく。
読者として。物語に触れる、世界を紐解く個々人に、この童話に救いを求めるとするならば、そのものが唯一あるとすれば、哀しい潔さを決断した、彼女のこころの崇高さと僕は響いて感じている。
曲がらずに、こころに殉じた彼女のこころ。それはどれほどに美しいものか。残酷な世界にそれでも輝いた、粒の涙の美しさに思う。
強い遣る瀬無さは存在する。
されど潔癖で美しい、夢があったことに僕は気付く。
暗闇のひかり届かぬ深海で、一瞬だけ輝いたものを想像する。夜空にひかった星々を、思いがけない瞬間に垣間見たような気もしている。
切ない光の輝きは、目よりも脳に焼き付かれる。
こころの深くに刻印される。
人魚姫の彼女は海の泡となり、そうして救われたのだろうか。
それは彼女のこころだけ、自らとして知っている。
彼女はとてもかなしくて、愛情をされど捨て去りはしなかった。
自らの物語のなかで、彼女は生きて、そして消えた。
彼女は世界を愛そうと、すべての力を振り絞った。
彼女はたったひとつだけ、充たされることを祈っていた。
その祈りが、清浄が強く、胸を打つ。
彼女のために、僕は祈りたく考える。
目を閉じて、深い海の底にいたものに思いを馳せる。
紙の本
いちばん美しい童話
2007/08/15 11:08
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はな - この投稿者のレビュー一覧を見る
人魚姫。
もちろん、子供のころからよく知っている話だったが、幼い自分がどういう感想を持ったのかはあまり覚えていない。かわいそうな話だとその程度の認識しかなかったろうし、子ども心に人魚姫の運命が理不尽なものに感じられていただろう。あまり好きだったとは思えない。
大人になり、人魚姫が、すべてを捨ててでも王子の側にいたいと願った想いや、自分の命と引き換えでも眠る王子を殺すことができなかった想いも、いくらかは共感できるようになり、そうするといっそう人魚姫の結末が哀れで、改めて読み返す気にはならなかった。
そこで出会ったのがこの本だ。
ページを開くとそこに青い海があった。布と糸とビーズで織り上げられた海の底の世界。ページをめくっていくたびに現れる一枚一枚に手を伸ばさずにはいられず、画に触れれば指先から光があふれ出るようだった。海の底のしんとつめたい深く澄み切った青いきらめき。人魚姫の愛らしい桃色の輝き。そして魔女の住処からは、ねばついたどす黒い闇が。
一ページごとに胸が引き絞られるほど切なく苦しいのに、目を離すことができなかった。
画があまりに多くを語るが、添えられた美しい文章も決してそれを損なっていない。呼吸するのを忘れるほどに引き込まれる画と、美しいけれどシンプルな日本語で語られる、哀しい物語。
私が今まで出会った中で間違いなく一番美しい童話だ。
紙の本
なんか切ない。
2016/07/14 10:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しー - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり前に図書館で読んで、ずっと心に残ってました。
子供向きではなく、大人が読む本ですね。
刺繍がまた切なさを助長させます。
子供に破られないように大切にしよっと。
お話は結構長いです。
紙の本
美しい
2016/06/19 22:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わらび - この投稿者のレビュー一覧を見る
ビーズで描かれたアンデルセン。
中身を見て、思わず衝動買いをシてしまいました。
(結構高いのに!)
子供ができ…いやできる予定はないので、
友達の子供がもうちょい大きくなったら、送りつけようかなと思案中です。
紙の本
刺繍
2018/10/21 23:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタばれあり。
清川あさみの刺繍で紡がれた人魚姫の物語。
これは本よりも大きいサイズで見た方がいいんだろうなーという印象でした。