紙の本
ローマンブリテン四部作のうちの二作目
2023/01/11 18:39
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
ローマンブリテン四部作のうちの二作目である。映画化もされた名高い一作目の「第九軍団のワシ」、文句なしの傑作第三作目の「ともしびを掲げて」、緊迫感満載の第四作目「辺境の狼」と比べると、ややこじんまりとまとまってしまっているという感じが否めない。
しかし終盤の盛り上がりはさすがのものである。
紙の本
サトクリフは
2020/12/21 19:59
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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
サトクリフの作品はいつ読んでもすがすがしい気分になります。
正しく生きていれば報われるという、シンプルだけど、そうであってほしいということが描かれていて素敵。
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最後の戦いの場面は胸が熱くなります。
脇役ですが剣闘士が非常に印象深い。
第九軍団とつづけて読むとより感動する場面も多いかと。
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前作でも思ったのですけど、ブリテンに昔から住んでいる人たちを野蛮人とひとくくりにしてしまっているのがどうも苦痛で仕方ないです。
訳者のあとがきにその点について触れられていて(どうして作者はイギリス人なのにローマ人の味方のように書くのか等)、それを丸々鵜呑みにするとしたらこういう表面的に読み取れる以外の深い描写を思わせる記述が所々あるそうですし、そうじゃなくてもこれが書かれた時代もありますからそう引っかからなくてもいいのかもしれません。
しれませんけど…やっぱり気になるー!
主人公側の成長に伴う内面の描写が見事なだけに余計に気に障るというか…もうー丸々現地の部族を「文化を破壊する無知蒙昧な輩」としてるんですよね。あの当時、各地の文化を破壊しまくっていたのはローマ帝国に他ならないと思うんだけどな…
そういや全然話は変わって、前作でドルイドが名前だけだけど出てきて転げ回りたいほど喜んだのですが、今度は全く影も形もありません。寂しい。
こういう歴史物もいいですが私はやっぱりファンタジー好きなのですよね。いやドルイドは実際にいてたんだからそこでファンタジーというのもおかしいんだけど。
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いわゆる「冒険度」(RPGのダンジョンの難易度)みたいなものがあるとしたら、「第九軍団のワシ」の方がこの「銀の枝」よりも上をいっているような気がします。 いかに不本意ながらも正規ローマ軍団を離れ脱走兵扱いされていると言えども、「狩られる」描写が細緻と言えども・・・・です。 その理由の1つは「第九軍団のワシ」のマーカスにはエスカという連れがいたと言えどもやはり「1人」だったのに対し、こちらではフラビウス & ジャスティンという2人連れだということが強く影響しているような気がします。 方や元百人隊長、方や元軍団付きの外科医という立場の違いこそあれども、この2人、「いとこ同士」という設定もあって、正直なところ個性に乏しいというか、どっちがどっちなのか混乱しやすいというか・・・・・。 それが2人の絆だと言ってしまえばそうかもしれないんだけど、KiKi には2人連れでなければならない物語設定上の理由のようなものが、はっきりしませんでした。
(全文はブログにて)
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サトクリフのブリテン4部作の2作目。ローマ帝国の支配が揺らぐ時代のブリテン島。古代の生活を目に見えるように描写するサトクリフの筆力には読む毎に驚かされる。
ただ、前作とともに主人公たちがローマの側にたっているのが、わずかに違和感がある。今は自分の民族、国土の側にたつ歴史物語が主流で、支配者側からのものは少ないように思われる。
もっともサトクリフはほかの作品では先住民族を主人公にしたものもあるので、あくまでもこの作品ではこういうシチュエーションがよいと考えての設定なのだろう。
それにしても、前の作品もそうだが、これを「児童書」扱いしてもいいものだろうか? それほどよく描き込まれた物語だ。
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初期作品。
「第九軍団のワシ」の子孫の物語。
ローマ帝国崩壊まではまだ百年ほどのある時代。
カロウシウスという男がブリテンを独立させて皇帝を名乗り、支配していた。
ローマにいるマキシミアヌス皇帝が追撃に敗れ、同格の皇帝を認めて和議を結ばざるを得なくなったのだ。
軍人の家系のジャスティンは、軍医としてブリテンに派遣される。
軍人には向いていないという思いを噛みしめながら。
そこで知り合ったのは赤毛の百人隊長。イルカの紋章でまた従兄弟に当たるらしいとわかる。大伯母のホノリアでないと、ややこしい家系は説明できないそうだが。
カロウシウスは印象的な男で、たまたま近く接することがあったあ二人は忠誠を誓う。
有能で有名な副官は、長身で白っぽい金髪のアレクトス。
やがて不穏な噂が流れ…
左遷された二人は時期を待つ。
大陸へ渡ろうとするが、ポウリヌスという裕福な男性に助けられる。
アレクトスに反感を持つ人間をローマへ逃がしていたのだ。
読み応えのある小説です。
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「第九軍団のワシ」から何代か後の子孫の話。イルカの指輪も出てくる。ただしブリテン皇帝の暗殺という、日本人には馴染みのない歴史を主題にしているためちょっと分かりにくいところがある。
この話は何度目かの再読だけど、今回はブリテンからガリアへ政治的亡命する人々を助けて働く「暗殺された皇帝の秘書」ポウリヌスが特に心に残った。決して勇敢ではない、むしろ臆病だと自称しながら誰かがやらなくてはいけないことを坦々とこなす姿は、時代を越えた共感を呼ぶ。
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前作「第九軍団のワシ」に比べ、スリリングな展開や複雑な登場人物たちの関係などが減退してしまった印象があります。主人公2人がピンチに陥る場面でも、誰かしら第三者が手助けしてくれることが多く、そこに少々都合良さを感じてしまったこと。人間関係の面では、基本的にローマ正規軍vs裏切り者、という単純な構図になっているのがその要因なのかと。
それらの点から、個人的には前作の方が読んでいて楽しかったのですが、物語途中、前作終盤で隠されたあのワシが発見される場面は胸がアツくなりました。また、最期の戦いでの皆の奮闘は圧巻。終盤になってようやくストーリーが盛り上がり、一気に弾けたような気がします。
ただ、そこまでの流れがかなり緩やかで長く感じられたのが残念。もう少しコンパクトにするか、主人公2人以外の登場人物をより深く描写してくれた方が、ラスト(特にブリテン人と剣闘士の最期)はもっと感情を揺さぶられたと思います。
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潜伏任務だった『第九軍団のワシ』。今回は地下活動。
最後のレジスタンスの闘いなど、一番ビジュアル化に向いていると思う。
バラを胸に死んでいく剣闘士とか、忠義の道化とか。
サブキャラもたってます
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古代イギリスはローマ帝国の植民地だった。イギリス人はローマ文化の後継者と言う意識と、サクソン人と言う意識とのはざまにいる。
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サトクリフのローマン・ブリテン四部作の二作目。時代はややくだって紀元3世紀。物語としては面白いんだけど、前作ほどのワクワク感はなくコンパクトにまとまった感じ。それにしても、空気のにおいが感じられてそこにいるような情景描写が素晴らしい。イギリスに行きたくなってくる。
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ローマン・ブリテン四部作の2作目。
今度の主人公は、若い百人隊長「フラビウス」と、下級軍医の「ジャスティン」。
2人は遠い親戚で、1作目のマーカスの子孫です。
軍隊で出会い、親戚だと分かって親友に。
ある日、彼らが仕えるブリテン皇帝カロウシウスに対する、皇帝の右腕「アレクトス」の計画する陰謀を知り、告発しようとするのですが左遷されてしまいます。
そして陰謀が現実のものとなり、アレクトスに抵抗する勢力が生まれて行きます。
フラビウスとジャスティンの友情、周囲には魅力的な人物も登場し、楽しく読めました。
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ローマン・ブリテン4部作(あるローマの軍人一族の物語)の2作目。
『第九軍団のワシ』のマーカスとエスカのコンビのほうが、『銀の枝』のフラビウスとジャスティンのコンビよりも印象的だった。
でも、1作目とも3作目とも異なる話の展開なので、十分楽しめた。
共通して描かれているのは、ローマ人でありながら、属州ブリテンに生まれ育った人達、ルーツを持った人達が、複雑な立場のなかで抱く葛藤や揺れ動くアイデンティティだ。
本作で第九軍団のワシが再び地上に現れ、戦場で高々と掲げられた。数百年の時を経て、一族で大切なものを受け継ぐということに尊さを感じた。
戦いの前夜、「ジャスティン自身は明日はほとんど確実に死ぬのだろう、とわかっていた。」(320頁)
死を覚悟しながら、その運命を静かに受け止めている人々。仁義や忠誠、友を大切にし、そのために命をかけることも厭わない。
サトクリフが描くと、こうしたテーマもわざとらしくならずに、自然で味わい深いものになる。読み終わったときに、尊いものの存在を感じさせてくれる。
ところどころに描かれる情景描写も清々しい。
4作目も読みたい。
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ローマン・ブリテン四部作の二作目の物語。
前作『第九軍団のワシ』の主人公アクイラの子孫であるフラビウスといとこジャスティンが主人公。前作に出てきた場所や旗印のワシによって物語が繋がっており、ある日2人がとある人物と海のオオカミが密会するシーンを目撃してしまうところから物語が動き出す。
なかなかおもしろかった。