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- カテゴリ:中学生 高校生 一般
- 発行年月:2008.9
- 出版社: 集英社
- レーベル: 集英社スーパーダッシュ文庫
- サイズ:15cm/279p
- 利用対象:中学生 高校生 一般
- ISBN:978-4-08-630446-7
紙の本
超人間・岩村 (集英社スーパーダッシュ文庫)
著者 滝川 廉治 (著)
妙見高校に一人の男がいる。名は岩村陽春。アメコミ同好会に所属し、友人の多村やマルカーノとともに日々を送る彼は「無理」や「不可能」という言葉を聞くと行動を開始する。それが本...
超人間・岩村 (集英社スーパーダッシュ文庫)
超人間・岩村
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商品説明
妙見高校に一人の男がいる。名は岩村陽春。アメコミ同好会に所属し、友人の多村やマルカーノとともに日々を送る彼は「無理」や「不可能」という言葉を聞くと行動を開始する。それが本当に「不可能」な事なのか、それとも「可能」なのかを見極めるために。安易な「諦め」や「絶望」を、この世界から駆逐するために。人はそんな彼を『超人間』と呼んだ…!一方、新聞部一年・高津五月は先輩の杉浦夜那とともに『超人間』の密着取材を命じられるが、なぜか演劇の主役を演じることになってしまい!?第7回スーパーダッシュ小説新人賞佳作受賞作。【「BOOK」データベースの商品解説】
【スーパーダッシュ小説新人賞佳作(第7回)】【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
絶望を否定し続ける男
2010/12/07 19:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
妙見宮高校には超人間と称される生徒、岩村陽春がいる。普段はアメコミ同好会の会長だが、「無理だ」「不可能だ」というセリフを耳にすると、無理であることを確かめるために他の全てを投げ出して、アメコミ同好会の仲間である多村豪や紳一郎・マルカーノと共に、その無理難題に挑む。そして必ずやり遂げる。
新聞部部長の高津初美の妹、五月は、アメコミ同好会への潜入取材を命じられる。そのパートナーは新聞部の優秀な先輩であり、それにも拘らず煙たがられている杉浦夜那だ。二人が仮入部してからしばらくは平和な時間が続いていたのだが、生徒会の方針により廃部寸前の演劇部の川崎八枝の奮闘を知り、岩村が動き出す。
大変だったり難しかったり、失敗したら恥ずかしいと思ったりして、やる前から諦めてしまう事も多い。諦めても自分の人生に致命的なことは起こらないと思っているからだ。しかし岩村はそうは思わない。無理だと思われていることに絶望したり、あるいは挑もうとしている人間がいれば、何をおいても駆けつけて、何も聞かずに手助けをする。
そんな岩村をいささか疎ましく思っている生徒会。会長の森直規は、無駄に多い部活動を整理し、実績のないところを廃部にすることで、予算の合理化を進めようとしているのだ。その配下の秋山守孝や伊藤信幸は、森の思想をさらに直接的に進めようとする。
この本の主人公は、岩村の他にももう一人いる。それが高津五月だ。彼女に岩村のような積極さはないが、出会った人に虚心に接し、その人の本質に触れ、たとえそれに同意できないにしても尊重する。そんな目立たない強さがある。
これに対して岩村陽春の手法は、ある意味では自分の思想を相手に押し付ける面もあるわけで、そこには否定されることへの弱さが見えなくもない。彼がどうしてこの様になったのかは、おおよそ最後まで明らかにはされない。しかし、どこか悲観的でありながら、異常なまでに前向きな彼の生き方は、否定できるものではないだろう。
そしてこの本の本質をあらわすセリフをひとつ。「絶望とは人生で一度も遣わなくて良い言葉の一つだ」
紙の本
熱血学園
2008/10/05 15:58
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
それぞれのキャラクターが立っていて面白い
熱く楽しそうな雰囲気が良く出ている
ストーリー展開はプロローグ的な部分が終わった段階で終盤近くなっているが、クライマックスを無難に纏めて次に続く印象を残して凌いでいる
柔道と演劇とまったく相反する様な二つのネタを繋げてあるが、前半でキャラクターの個性を打ち出し、後半でそれを生かして立ち回るので違和感なく楽しめる