紙の本
1959年に刊行された際、「伝説の大学受験参考」とまで言われた書の復刊版です!
2020/04/11 12:23
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、1959年に刊行された際、「伝説の大学受験参考書」とまで呼ばれた国語の参考書です。読者の希望により、久しぶりに復刊しました。同書は、刊行当時、ちょうど知識偏重から論理重視への転換期にあった受験現代文の特質を見事に捉えた一だったのです。加えて、同書は、人間主義や合理主義、さらには人格主義を柱とした近代思想を啓蒙する一冊でもあったのです。同書の中で説かれていることは、「論の展開を正確に追跡して論旨を把握すること」というたいった一つのことなのです。同書の内容も、「第1章 予備」、「第2章 前提」、「第3章 方法」、「第4章 適用」と非常にシンプルです。ぜひ、当時の思想転換を如実に語ってくれる伝説の書を、今一度、読んでみられては如何でしょうか?現代にも通じる何かが得られるかもしれません。
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今の参考書が、いかにカラフルで平易な文で書かれているかがよくわかります。
どうして今頃復刻されたのか、なぜに名著と呼ばれたのか知りたくて手に取りましたが・・・如何せん文章が頭に入ってこないです。面白くないし、難解。でも、最後まで読んだら、何か脳内が活性化されるのではないか・・との期待を込めて☆4つ。
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私が持っているのは文庫ではなく、新塔社のもの。450円だ。1959年の参考書だ。ここに立ち帰ると安心する。なんて高い視点だろうか。
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「お気に入り」のみなさんやAmazon評で名作名文と誉めるのを見て「そうだったかなー。あんまり記憶にないなー」と何10年ぶりかに再読。
あれ?この本こんなに「これ」「それら」「あの」って指示代名詞だらけの本だったっけ?「これ」「それら」が前段のどれを指しているのか、こんなにわかりにくい本だったかなー。
読了するのにひと苦労ですね、文章にムダ修辞が多くて。
内容は受験対策国語にとどまらぬ、文系学究の姿勢に対しイイことたくさん書いてあるんだけどなー。
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大学入試現代文とは何か、またその現実的な対策についての丁寧な解説。ちゃんとした高校現代文の授業3年間分を1冊にまとめたものといえる。
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ゆっくり読もうと思う。
現代文の参考書のおそらく最高峰。
だけど、読む前からなんとなくわかる問題点がある。
この本を読解する能力のある人は、そもそも今の現代文の試験なんてどれもサクッと合格するであろうこと。
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現代国語の参考書。近代思想の啓蒙書。「近代」に問題意識がある人にオススメ。
次の本をあわせて読むといいかも。石原千秋『教養としての大学受験国語』、『大学生の論文執筆法』(ちくま新書) 前者は、二項対立を使って評論を「読む」方法。後者は、二項対立を使って評論を「書く」方法。現代思想を読み解く上で、対立項として「近代」は重要。
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「伝説の参考書」の帯に惹かれて受験生ではないが購入.
掲載している問題文の主張と,この本の著者の主張を混ぜながら論を進めていることに違和感を感じる.この本を読み進める上で,単なる例として挙げられている問題文の主張を読み解いているのかと思いきや,実はそれがこの本の著者の主張でもあるという場合が多い.
木下是雄の本を読んだあとだと,そもそも大学受験の問題になっている文章自体が,分かりづらい書き方をされているのではないかと思ってしまう.
近代の文学と思想の流れが書いてあるのは参考になった.
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この参考書で学んだ世代ではないので、特別な思い入れはないけれど、読んでいるうちに、受験のあの頃どの様に現代文を解いていたのか思い出してきた。
しかし、いま問題を解いて新たに感じることは、本当にその解答解釈でいいのか、納得いかないというか議論してみたいケースが少なくないことだ。おそらく、試験解答としては本書のとおりなのだろうけれど、それだけ自分が生意気に成長したことの証なのかもしれない。
それと、問題文のように、前後から切り離された文章を見せられても、いまの自分には消化不良だよ。
そんなこんなで、色んな面で自分の成長(変わり様)が感じられるほんだった。
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思うに、現状の受験現代文指導には二つの方法があるのではないか。一つはとにかくテクニックへ偏重した指導。おそらく、この指導の根っこには文章論が絡んでおり、テクニックと言えば薄っぺらく感じてしまうが、きちんとした学問的?根拠はあるのだと思う。現在の受験市場においては某ゴロゴ先生が代表格か。そして、もう一つは「論理」を冠し(個人的には「たかが国語」で「論理」を語るのはおこがましいとも思う)、いわば本質的な読解を身につけさせようとする指導。そこにはテクニックめいたものは存在せず(とはいえ、テクニックへのニーズは相当なもので、それについて一切触れないというのは無理な話なのだが)、ただただ文章を読む上での直観や感覚を養おうとする。「その文章の地図を把握しよう」とおっしゃるかの先生や、やたらと「論理」を強調する先生はこちら側。そして、本書の内容もこちら側。
本書は1959年に出版されたもののようだが、それから半世紀以上が経過した現在でも、十分に意義をもった参考書だと思う。というか、半世紀以上も同じことをやっているんだなあという印象。知識に偏重しない「本当の」読解とはこういうものなんだろう。先程述べた、二つの指導法。その後者については本書によって既に完結しているようにも感じる。イマの受験生に受け入れられるかどうかは別にして、あるベクトルにおいては完成形となっている参考書だ。
そして、石原千秋先生の原点が見られる、という点でも興味深い。というよりむしろ、現在、そういう意味合いの方がニーズがあったりして(笑)。
【目次】
序
読者へのことば―「たった一つのこと」―
第一章 予備
第二章 前提
第三章 方法
第四章 適用
後記にかえて
[付]問題の解答
解説 石原千秋
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現代文が分かりやすく読めるようになるヒントが書かれている本であるそうです!
そのうち読んでみたいです。
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懐かしいというのとも違う不思議な感覚にとらわれる。
大学受験のとき現代国語が一番苦手だったはずなのだが、今になると結構すらすらと問題が解けたりする。
日本語力というのは年齢とともに自然に向上していくものなのだろうか。
受験国語も満更悪くないのではと思ったりもする。
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50年ほど前に出版された、現代文の参考書。
当時は定番の参考書だったらしい。
内容は実に重厚で、正直社会人が仕事の合間に片手間で取り組めるレベルではない。が、しかし、参考書としては実に奥深い内容であり、本当の実力をつけることができるのではないかという印象を受けた。また、自分が進学校の国語の先生だったら、生徒にやらせてみたいなとも思った。
今回は、あくまで参考書として評価を付けた。自分が消化出来なかったのは時間と実力と根性不足ということで。
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独特の中高大の入試問題解説書を上梓する石原千秋氏が、「自らの大学受験時代にほとんど唯一読破した参考書」ということで、興味をそそられ、挑戦。元来、現代文参考書は、著者、問題作成者、解答作成・解説者、そして読み手(私)の四者が鬩ぎあう感じがして、解説に突っ込みつつ、あるいはおおっと納得しつつ読むのが楽しく、本書も面白く読み進められた。文庫なのも通勤電車内で読める意味で正直助かる。なお、本論とは全く関係ないが、解説中、ものの例えで、原子物理学が原爆と原発との間でアンビバレントに扱われているのが時代かなぁ、とも。
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職場での話の中に出て、読んでみようと思った。
話していた人いわく、現代文を読む上でなんでもよく切れる、丈夫な’ナイフ’のようなものを筆者は提案したかったようだ、ということだった。
その、’ナイフ’というのはどういうものか知りたくて読み始めたが、結論から言うとそれは「追跡」ということに集約されるようだった。
作者の意図や文脈を追跡するという意味で。
もちろん、その一言に集約する上で色々なメカニズムやノウハウがあるわけで、読み応えのある本だった。
また、巻末に筆者が「珠玉の15冊」として挙げている文学作品があった。
その15冊からは帝大文学部卒の、筆者の広い教養を感じられて、唸った。