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紙の本
ニライカナイの語り部 (中公文庫 作家六波羅一輝の推理)
著者 鯨 統一郎 (著)
“ニライカナイ”は海の彼方にあるという楽園か、それとも…?伝説に心惹かれたミステリ作家・六波羅一輝は沖縄に発つ。取材を始めた矢先、東京で女性の変死死体が見つかる。背後には...
ニライカナイの語り部 (中公文庫 作家六波羅一輝の推理)
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商品説明
“ニライカナイ”は海の彼方にあるという楽園か、それとも…?伝説に心惹かれたミステリ作家・六波羅一輝は沖縄に発つ。取材を始めた矢先、東京で女性の変死死体が見つかる。背後にはテーマパーク建設をめぐる対立と、住処を荒らされると復讐するというキジムナーの伝承が。六波羅一輝の推理が冴える、シリーズ第2弾。【「BOOK」データベースの商品解説】
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鯨ワールド的トラベルミステリ@沖縄 ニライカナイ
2010/04/22 14:56
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ランナーズハイならぬライターズハイによる自動筆記にて推理を展開するミステリ作家(現在のところ一発屋やだけれど)六波羅一輝シリーズ第二弾。今回の舞台は沖縄だ。
第一弾『白骨の語り部』で遠野に取材旅行に出かけた一輝だが、その取材の成果むなしく作品が上梓できずにいる。小説という空想ではなく、現実の事件に遭遇してしまったがために余計に指(パソコンなので)が進まないらしい。
ちょっと情けないが、これがまた一輝というキャラクターのいいところでもある。しかし一輝ときたら、「別のテーマなら書けるかも!」と編集者のみなみと共に沖縄への取材旅行に繰り出してしまうのだ。もちろんみなみと編集長のあいだにひと悶着あったことは言うまでもない(主に、金銭面)。そしてふたりは今回も取材先で殺人事件に遭遇する…。
もちろん事件に遭遇してそこで終わり――ではなく、一輝は沖縄で知り合った友人のため、みなみと共に独自の捜査を行い、推理を展開し、犯人を追いつめる。そしてそのついでに「ニライカナイ」という沖縄の海の彼方にあるという伝説の楽園の謎まで解いてしまう。
これってトラベルミステリの典型ではないか。と思ったらなんとっ!!!土曜ワイド劇場で映像化されるとの情報がっ!!(帯に書いてあった) 一輝役は誰なのだろう。かなり気になる。
映像化されやすいトラベルミステリなので、推理小説を楽しもうとし本書を手にとっては(おそらく)いけない。気分転換に、または旅のお供にと、とにかく是が非でも何が何でも軽い気持ちで読まないと大きく後悔することになるだろう。現に、いろいろなところで見たレビューには酷評が目立つ。
駄目だなぁ…鯨さん。
じゃなくって、読者のみなさんっ!!
鯨作品を読むにあたって、楽しめるかどうかは読者のみなさん次第なのだということをまず理解していただきたい。当たり外れが大きいと言われる鯨作品だけれど、読者の多くは鯨さんにそれほど素晴らしいものを求めているわけではないので、大きなショックを受けることはない。これは他の期待値の高い作家さんの駄作とは大きく異なる点である。「あ、今回もいまいちだったね」と笑って済ませるくらいのおおらかさが鯨読者には求められるのだ(たぶん)。
本シリーズでだって、鯨さんは本気で伝承を事細かく解明しようなどとはしていない(きっと)。読者のみなさんにおかれては、殺人の動機やトリックその他細かな点を追究するという無粋なことはせず(ミステリだとしても)。温かい目で、できれば流し読みで、お楽しみいただきたい。鯨作品とは、突き詰めて考えながら読む作品ではないのだから。そう!鯨さんの作品は「楽しむ」ために読む本なのです!!
っていつからわたしは鯨統一郎の擁護者になったんだっ?!
あぁ、やっぱり恐ろしきかな鯨ワールド。