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紙の本
グランドツアー 18世紀イタリアへの旅 (岩波新書 新赤版)
著者 岡田 温司 (著)
ポンペイ遺跡が発見された18世紀、ヨーロッパの知識人たちはこぞってイタリアを目指した。そこで彼らを魅了した人、自然、遺跡、芸術とは? 当時の旅を追体験しつつ、人々の交錯の...
グランドツアー 18世紀イタリアへの旅 (岩波新書 新赤版)
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商品説明
ポンペイ遺跡が発見された18世紀、ヨーロッパの知識人たちはこぞってイタリアを目指した。そこで彼らを魅了した人、自然、遺跡、芸術とは? 当時の旅を追体験しつつ、人々の交錯の中で芽吹き始めた新しい感性を活写する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
岡田 温司
- 略歴
- 〈岡田温司〉1954年広島県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。同大学院人間・環境学研究科教授。専門は西洋美術史・思想史。「フロイトのイタリア」で読売文学賞を受賞。
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イタリア側に軸足を置いたグランドツアー事情
2010/12/24 18:03
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
グランド・ツアーとは18世紀のイギリス貴族の御曹司たちの間ではやったフランスやイタリアへの遊学旅行のこと。教育の最後の仕上げとして体験する比較的長い期間の旅行です。
私は今からおよそ30年前に中公新書で出た本城靖久著『グランド・ツアー―良き時代の良き旅 』を手にしたことがあります。通っていた大学の英国史の授業でグランド・ツアーが取り上げられたちょうどその頃に出版された中公新書を、大きな興味を持って読んでみたものです。
今回岩波新書から『グランドツアー――18世紀イタリアへの旅』が出たと知り、30年前の学生時代を懐かしむ思いから手にしてみました。
しかし中公新書版が旅人であるイギリスの御曹司側の視点で書かれていて、旅の準備から説き起こし、フランス遊学とイタリア遊学の双方を取り上げているのに比べ、本書は旅人たちを迎え入れたイタリアの当時の状況を多角的にとらえるという構成になっています。
著者は巻末で記すように「旅の当事者であるイギリス側から扱われることはあっても、少なくともわが国では、旅先のイタリア側から論じられることは、ほとんどなかったように思われたから」「ややイタリア贔屓の記述になってしまったかもしれない」一冊にしあがっています。
私自身は英語圏について学んでいた学生でしたから、中公新書版には大いに心添うところがあったのですが、この岩波新書版は少なからず期待とははずれたところにある書だったなという感想を持ちました。
また岩波新書ならではのかなり硬質な文体で綴られているので、相当程度学術的な色合いが強い書でもあります。
18世紀当時のイタリアの文化や習俗に興味がある読者にはお薦めの一冊かもしれませんが、私にはちょっと縁遠いという印象が残りました。