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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2010.11
  • 出版社: 集英社
  • レーベル: 集英社新書
  • サイズ:18cm/238p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-08-720568-8

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超マクロ展望世界経済の真実 (集英社新書)

著者 水野 和夫 (著),萱野 稔人 (著)

なぜ円安誘導が危険なのか。どうしてデフレ脱却の努力に意味がないのか。今、歴史的な転換期にある経済の大潮流を見極め、日本の生き残り戦略を示す対論をまとめる。【「TRC MA...

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超マクロ展望世界経済の真実 (集英社新書)

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商品説明

なぜ円安誘導が危険なのか。どうしてデフレ脱却の努力に意味がないのか。今、歴史的な転換期にある経済の大潮流を見極め、日本の生き残り戦略を示す対論をまとめる。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

水野 和夫

略歴
〈水野和夫〉1953年生まれ。埼玉大学大学院経済科学研究科客員教授。
〈萱野稔人〉1970年生まれ。津田塾大学国際関係学科准教授。哲学博士。

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著者/著名人のレビュー

経済の先行きが見えな...

ジュンク堂

経済の先行きが見えないのは、日本だけではない。資本主義は世界的に袋小路に陥っている。本書の著者二人によれば、その最大の理由は、「先進国の交易条件の悪化」である。早い話、石油を中心とした資源の価格が上がったため、実物経済の利潤率が低下したという極めて分かりやすい図式だ。世界史を振り返れば、同じことは実は何度も起ってきた。
石油価格の高騰による実体経済の悪化を埋めるため、アメリカをはじめとした先進国は、石油などの金融商品化に走った。それはやがてバブル→バブルの崩壊を結果し、更なる国際資本の自由化が要請された。かつて、資源そのものの獲得を目指して版図をどんどん拡大して行った帝国主義時代と、基本的な構図は変わらない。同じ努力は、宇宙開発という形にまで発展したが、結局アポロ計画の頓挫という終点に至った。
少し前に喧伝された「資本主義の勝利」は、それこそバブルだったのだ。水野と萱野は、速やかに低成長時代へのシステムの転換が急務だとし、いち早く低成長時代に突入した日本が、世界にかさきがけて新しい社会モデルを提示することを提言する。

みんなのレビュー72件

みんなの評価4.3

評価内訳

紙の本

歴史の流れの中で、今の日本のデフレ経済を振り返る。そして世界の今後を考える。その大きな視点を得たい人にこそ

2011/01/16 20:49

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エビケン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 哲学者の萱野稔人氏とエコノミストの水野和夫氏のこれからの世界経済がどうなるのかについて、資本主義500年の歴史、覇権国家の移り変わり(スペイン→オランダ→イギリス→アメリカ)の流れを追いながら今後の展望を語り合っています。

 印象的なのが、覇権国家が斜陽に向かうときは、実体経済から金融経済化していくということでした。そういった意味ではアメリカも完全に金融経済化しているということで、今後崩れいく予兆なのかと思わせるものでした。

 また、日本で今も続いているデフレについて、たとえば森永卓郎氏や勝間和代氏は、いわゆる紙幣をどんどんする量的緩和で乗り切ることを主張していますが、この本の二人の対談で、大きな流れで見ていくと、そもそもの体制を大きく変える(パラダイムチェンジ)をしないとこのデフレを克服することは難しいというもので、2011年元日の朝生で、森永氏・勝間氏と池田信夫氏がデフレ対策について激論になっていましたが、改めて、この4者でデフレについて議論し合ったらどうなるんだろうと思いながら読み進めました。

 今の日本のデフレ状況や世界経済の展望を、近視眼的に、今見える現象だけでなく、資本主義の500年の歴史から今後を見るという”超マクロ”で考える。新たな視点を得るという意味でお勧めです。

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紙の本

ゼロ成長を前提に、日本の向かう道を考えるのは悲観的ではない。「経済大国」ではなく「生活充実大国」のような価値を「知恵」と「覚悟」で創り出す。経済政策に「フレックス休日による地域参加・生涯学習」政策でもリンクさせ、人づくり、高齢者・地方支援、身近な環境保全等で生活充実を図るモデルを作ればどうか――注目の政府ブレーンと政治哲学者による資本主義の史的構造論を読み、昼間にそういう初夢を見た。

2011/01/04 21:50

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 金融の専門家である古い友人が「国家論的、歴史的アプローチで分かりやすい形式ながら中身は深い」と情報を寄せてくれたので、正月二日に読んでみた。
 前に、『系統樹思考の世界』のところにも書いたが、「右肩上がりの経済は望むべくもないのだから、適正規模の組織や社会をイメージし、どう運営していくべきかを考えれば」という話をしたり、100年に一度の金融危機に「いっそ固定相場制に戻せば」と拙ブログで暴言を吐いたりするものだから、きちんと勉強せよということか。それとも単に、ゼロ成長を想定した論を展開するユニークなエコノミストを善意で紹介してくれたのか。

 第一章「先進国の越えられない壁」は、ここ40年、米国を中心とした金融市場がどういうからくりで成長し、ぽしゃったかの説明。それは経済理論の範疇に収まっているように受け止めた。
 石油メジャーの仕切りで先進国が安く買い叩けていた石油が、産油国の資源ナショナリズムで、そうは問屋が卸さなくなった。石油ショック以降の価格高騰により、モノを作って輸出しても利益が出ない、つまり交易条件が悪くなった。
 これが21世紀に入って景気拡大した日本でも賃金が上がらない最大の理由で、構造改革や日銀の対策不備のせいばかりというのではない。
 交易条件悪化で実物経済に限界を感じた先進国は、米国中心に金融経済化で穴埋めしようとバブルを作った。金融市場で石油価格を再びコントロールしていくのに軍事力も行使したが、金融危機を招き、米国の覇権は曲がり角に来たという認識だ。
 この章から既に、市場原理だけで説明できない経済現象を国家と絡めて探る視点、国際石油市場における米国の利権を守るためにイラク戦争に至ったという解釈など斬新さが際立つ。

 第二章「資本主義の歴史とヘゲモニーのゆくえ」に入ると経済覇権にスポットが当てられ、「経済覇権国の金利の推移」というグラフが提示される。これが1350年からのデータなので、ぽか~んとした。
 最初はイタリアの都市国家で資本主義がはじまり、資本主義の勃興で経済の中心はオランダへ移るというけれど、「資本主義」はやはり「産業資本主義」から論じるのが経済論の常識ではないかと思えたからだ。諸説にこれから当たっていく初学者にも誤解がないよう、お断りはいらないのだろうか。
 産業資本主義の前史は、高校で習う世界史でも「重商主義」と言うのが普通であろう。絶対君主の蓄積した富も、資本主義の歴史に加えると、生産者の生産手段からの分離、マニュファクチュアから機械制工業への移行などをもってして資本主義成立を語る経済学や経済史では違和感が生じる。
 そう思って読んでいくと、著者2人が18世紀の産業革命より、英国が新大陸や海から略奪して資本を蓄積した16世紀の空間革命の方が大きな歴史的断絶だと考えていると分かってくる。
 資本主義システムの分析だから、そこしか指摘しないけれど、人類が自然を征服した農耕革命にも触れ、2本揃えてはどうかと茶々を入れたくなる。

 いや、内容はとても面白く、司馬遼太郎の小説を読んでいるみたい。もっとも著者たちが読み込んでいるのはブローテルやウォーラーステインだ。
 イタリア都市国家やオランダまで遡るのは、この章の内容が経済理論ではなく、文明論や地政学的な史観の様相を呈して展開していくからなのだった。世界資本主義の歴史において、陸ではなく海という空間を征した英国が覇者となり、次いで空を征した米国が覇者となったが、今それが末期。章をまたいで、次は環境をめぐる覇権になりつつあるという指摘がされる。「農耕革命」は省かれているが、「空間革命」「環境革命」の三つによる文明論が組み立てられそう。

 生産拡大が行き詰まりを見せると金融拡大が起こり、次いで危機を迎える。そしてヘゲモニーが移転するという法則が導き出される。現代はそういう大きな転換期にあるということで、第三章「資本主義の根源へ」では再び、話が経済に揺り戻される。
 ここでは、市場経済が国家から独立していると考える既存の経済理論に対し、資本主義では、国家から経済活動が切り離され、法的・行政的な制御を受けるようになったという把握がされ、利子率と資本の分析がされていく。
 第四章「バブルのしくみと日本の先行性」では、冷戦中に米国の軍拡を支えるために日本のバブルが誘引された構図が描かれ、金融経済がまだ成熟し切っていなかった米国の肩代わりで日本のバブルが必要とされたと位置づけられる。

 分析の先の展望を楽しみに読んでいくと、第五章「日本はいかに生き抜くべきか」は、意外にも「家計で赤字を出しては大変」「ローンは早く返さなきゃ」という主婦的地道さ、堅実さであった。低成長の現実に対峙し、赤字を減らして財政を再建していこうという主張の先には、やはり増税という筋道がある。一方、戦略として考えられるのは、環境規制が新たな価値や産業等のビジネスチャンスを生み出すという点なり。
 「超マクロ展望」「世界経済の真実」といった大仰な題名だが、「抽象論だけで煙に巻かれた」「知的刺激を受け、頭の中でたっぷり遊んできた」的な感想には終わらない。生活人感覚に着地することには好感が持てる。

 インフレを引き起こせないから経済は上向かない。雇用が創出できない。もしかして若年層は海外に出稼ぎに行くべきなのかという時代になった。賃金が上がらないから内需は期待できない。子どもを作りにくい、育てにくい。そう言っている間に皆で年を取っていく――こういう状況が私という消費者、世帯という経済単位の回りに広がる。
 しかし、現実の直視は必ずしも悲観につながっていくだけではない。「良くしたい」という意思があり、知恵を働かすなら、「経済大国」という今さらの看板はゆっくり下ろしていってもいいのではないか。

 金がなくては食っていけないが、金持ち生活を目指すような競争に皆で参戦することもない。内面の充実は裕福とは言わないだろうか。例えば、月から土を平日とし、現役世代は日曜の他に休日をフレックスに取る。その日を地域の力になる日とするよう、制度を整えていく。
 子どもの放課後生活、高齢者や地方支援を行ったり、環境保全に力を貸したりで市民生活を充実させる。誰かの役に立ち感謝されること、派手な消費ではなく文化芸術スポーツを楽しむことで、勉強や仕事の他にも自分らしく過ごす場を生活空間に確保する。大人がそう変わり、子どもをそのように育てる。そのような活動に伴い、新しい消費スタイルも生まれ、実物経済も少しは動くのではないか。著者たちの言う環境革命の市民レベルでの実践は、そういうことではないだろうか。
 あとは、プロジェクトが始動した人工光合成の技術の実現を待つ。それを搭載し、二酸化炭素を吸着して走り回る車でも出てくれば面白い。それまで長生きできるといいのだけれど……。

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紙の本

今こそ国家の出番です

2011/04/07 18:15

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hisao - この投稿者のレビュー一覧を見る

証券会社チーフエコノミストとして金融市場の現場にありながら、そのユニークな構造的・歴史的経済分析で人気の水野和夫氏(2010/9官房審議官に起用)と国家の役割を強調する気鋭の哲学者・萱野稔人氏の魅力ある対談です
萱野先生は“資本主義を市場経済と同一視してはいけない”と言われます
“資本蓄積の原理というのは交換よりも略奪に近い”
略奪のシステムを作り上げるのが国家なら、国家を捨象して経済を語れないと言う事でしょうか?
“勿論資本主義以前の時代であっても国家と経済は結びついていたが、資本主義がそれまでの社会体制と違うのは、全体的な構造のもとで、政治的主体と経済的主体が徐々に役割分担していく”
“原始蓄積論”を持ち出すまでもなく、“略奪”が初期の資本蓄積での本質的役割を果たした
巨大な資本家が国王であったり、今でも中国では共産党が資本家と国王を兼ねている
資本主義は長い間、先進国が軍事力を背景に有利な交易条件を確率し続けることで成立してきた
“陸”の植民地獲得競争から“海”の制覇へ、更に戦後アメリカは“空”を軍事的に支配しながらドル基軸通貨体制を守り、そのもとでの自由貿易市場の管理者となることで世界資本主義のヘゲモニーを確立した
“資本主義は決して市場経済とイコールではなく、そこには国家の存在が深く組み込まれている”
だから経済を見るとき単なる市場の景気分析ではなく、国家・政治を含む構造的視点で捉えなければならないと言うことだと思います
水野先生は資本主義の歴史を大きく辿ります
イタリア都市国家からオランダ、イギリス、アメリカと資本主義を主導する覇権国家の交代
いずれも実物経済の利潤率上昇、その低下、実物経済低迷をカバーする金融経済の拡大、バブル、バブル崩壊のサイクルを描いて、その主導権を次の覇権国家に譲ってきました
金融経済の拡大と崩壊がヘゲモニー移行の兆しの様です
さて2008年リーマン・ショック以降の金融危機を単なるバブル崩壊として見るか、資本主義の転換点と見るか?
今回の金融不況は世界の警察・経済の導き手として“グローバル・スタンダード”を喧伝してきた世紀の覇権国家・アメリカ発であった事に特別の意味があります
アメリカは基軸通貨国である事を巧みに利用して“金融立国”、世界のお金をかき集めるシステムを作り上げました(強いドル政策でアメリカには世界からどんどん投資マネーが入ってくる、アメリカはそのマネーを運用する事で経常赤字が膨らんでも最終的に利益を出せる仕組み)
そのアメリカ覇権のゆらぎを象徴するのが今回の金融不況と捉えられます
行き詰まりの原因はかってマルクス経済理論の誤りとされた資本主義の歴史的鉄則、“利潤率の低下”で説明されています
先進国ではモノが行き渡りモノが売れなくなります(市場拡大の頭打ちによる利潤率低下)、更に決定的なのが資源価格の高騰による“交易条件の悪化”、実物経済がうまく行かなくなると”金“転がしの金融経済化、実物経済行き詰まりを象徴する土地・証券などの金融資産バブル、そして遂に行き場の無くなった資本が引き起こすバブル崩壊
ドル基軸通貨体制を護るためイラク戦争まで引き起こしたと言うご説明はゾクゾクする程説得的です
お二人に共通するのは、アメリカの金融危機で近代資本主義システムが行き着くところまで来たのではないかと言う認識です
対照的なのがインフレターゲッターとかリフレ派と言われる人たちです
“量的緩和”で市場にお金をバラまきさえすれば自然デフレから脱却、経済が成長する、全てうまく行く、“お金が世界を救う”と言う訳です
お札さえ発行すればバブルは破綻しないと言うのは、会員さえ増えればネズミ講は破綻しないと言うのと同じ理屈の様に思えます
理屈はさておいて、現実にうまく行ったでしょうか?
日本では97年平成不況以降、色々景気対策が講じられたものの、一向に景気が良くなったとは思えません、相変わらずのデフレ下で貧富の格差と財政赤字だけが膨らんでいます
そこでお二人の先生は経済成長が期待できる時代はもう終わった、経済成長を期待するから益々泥沼に足を突っ込むのだと明言されます
だから問題は市場をいじるだけでは決して解決しない、世界経済構造・システム設計の問題だと言う訳です
しかしお二人は資本主義の終焉を予想される訳ではありません
資本主義のアメリカン・ヘゲモニーのゆらぎを問題にされています
と申しても、アメリカ・中国・EU、今後は一国による覇権は難しいのでないか、ヘゲモニーの行方に関しては予測を保留されています
むしろアメリカ覇権のゆらぎを問題にされるのは、アメリカン・スタンダードとしての市場原理主義・新自由主義への批判に力点があるようです
新自由主義批判の根元に迫っており、さすがに説得力のある対談です
但し、ではどうするか?“極限時代の処方箋”“低成長時代の制度設計”となると、残念ながら“規制が新しいマーケットを創出する”と言った提案に止まっています
新自由主義者たちが力説してきた、国家が非能率や自己組織防衛に走る弊害は解決するのでしょうか?
“市場”か“国家”、二律背反で捉える愚はよく解りました
ただ“分配論”なき“国家”の強調は(国債増発を危惧されてはいますが)ケインズ流修正資本主義や(16世紀型と揶揄されていますが)中国流国家資本主義礼賛に戻る可能性があります
確かに市場原理主義は限界に来ました、では国家はどのように制度設計すべきか?
ところで、日本はこの混迷の時代に正に壊滅的な震災を受けました
是非はともかく、国家が新しい制度設計をして呉れなければどうしようもない状況です
勤勉で優しい国民の殆どは、被災者の癒しに貢献できるなら増税でもなんでも仕方ないとさえ思っています
財政をどうするか、電力政策・食糧政策をどうするか、福祉をどうするか、米国・中国・朝鮮等との経済や国家防衛問題をどうするか、
私たちは国家リーダー達の“こうすれば救われる”と言う説得力あるメッセージを悲痛な思いで待っているのです

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紙の本

今後の世界経済や日本の進路についてかんがえるとき,読むべき本

2011/12/18 10:02

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る

対話をベースにしているが,グラフなどをいれて説得力を増している. かつては先進国に有利だった交易条件が 1970 年代から急速に変化し,途上国とかわらなくなっているさまがえがかれている. イラク戦争はアメリカがヘゲモニーをまもるためのものだったということ,資本主義の極限状態があらわれているのが日本だということ,いずれももっともな主張だとおもわれてくる. 「リフレ派」 とよばれるインフレ政策肯定派への反論にも説得力がある. 今後の世界経済や日本の進路についてかんがえるとき,読むべき本だとおもう.

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2012/05/12 12:14

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2010/12/21 15:39

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