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紙の本
ルポ出所者の現実 (平凡社新書)
著者 斎藤 充功 (著)
刑務所出所者による再犯が社会問題化している。受刑者同士が刑務所内で出所後の犯行を謀議し、犯罪に結びついたケースもある。彼らの自立更正と再犯防止の手段はないのか。出所者と彼...
ルポ出所者の現実 (平凡社新書)
ルポ 出所者の現実
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商品説明
刑務所出所者による再犯が社会問題化している。受刑者同士が刑務所内で出所後の犯行を謀議し、犯罪に結びついたケースもある。彼らの自立更正と再犯防止の手段はないのか。出所者と彼らを受け入れる社会のリアルな姿を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
斎藤 充功
- 略歴
- 〈斎藤充功〉1941年東京生まれ。東北大学工学部中退。ノンフィクション作家。近現代史、犯罪者、刑務所事情といったテーマを中心に取材・執筆活動を展開。著書に「実録!犯罪者ビフォーアフター」など。
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たとえば「母親殺し」という「凶悪な」事件を起こして服役しているひとに取材しているが、はたして彼は本当に「凶悪」なのか、そこからして疑問に思わざるを得ない。有期刑で罰するのみで世間に復帰する道筋をまったくつけられない、そんな服役・処罰システムで本当に大丈夫か。
2011/03/01 00:17
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
更正や厳罰化、死刑や無期懲役、殺人や自死などについて、考えたり情報を収集していたりして出遇った本。タイトル通りの内容。刑務所に服役して出所したひと・するひとの現状をなかば淡々と紹介してくれる。なぜ入所したのか。何を思い何をしながら服役しているのか。この服役はこのひとにとってどういう意味があるのか・ないのか。そう思われるのはなぜか。
たとえば「母親殺し」という「凶悪な」事件を起こして服役しているひとに取材しているが、はたして彼は本当に「凶悪」なのか、そこからして疑問に思わざるを得ない。有期刑で罰するのみで世間に復帰する道筋をまったくつけられない、そんな服役・処罰システムで本当に大丈夫か。
坂本敏夫『死刑と無期懲役』(ちくま新書)等にも同様のことが書かれているが、出番と役割が与えられ、誰かから期待されれば、人の更正はそれほど難しいことではないのかもしれない。‥‥という夢を見てしまう本である。そしてこの本を読み、この夢は、やはりそう悪い夢ではないのではないかと思うようになっている。
ともかく「更正」がキィワードなのだと思う。罰するだけで人が変われると思うのは楽観的に過ぎる。「飴と鞭」とも言われる。北風と太陽の喩えもある。道は険しくとも、ともかく、John Lennon の『imagine』でも口ずさみながらやっていくしかないだろう。