ルポ 出所者の現実
著者 著:斎藤充功
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使...
ルポ 出所者の現実
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
刑務所出所者による再犯が社会問題化している。『犯罪白書』(平成21年版)によると、一般刑法犯の再犯者率は40パーセント以上。受刑者同士が刑務所内で出所後の犯行を謀議し、凶悪犯罪に結びついたケースもある。彼らの自立更生と再犯防止の有効手段はないのか。出所者と彼らを受け入れる社会、統計では見えないリアルな姿を描く。
目次
- 第1章 刑務所の現実(全国の刑務所
- 羽黒刑務所に受刑者を訪ねる ほか)
- 第2章 再犯防止には何が必要か-マブチモーター社長の「提言」をめぐって(小田島死刑囚はなぜ道を誤ったのか
- 獄中で共犯者と出会う ほか)
- 第3章 出所者たちのその後(無銭飲食で詐欺罪に
- 悪銭で事業に成功した詐欺師 ほか)
- 第4章 出所者のセーフティ・ネットワーク(福島自立更生促進センター
- 北九州自立更生促進センター ほか)
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
たとえば「母親殺し」という「凶悪な」事件を起こして服役しているひとに取材しているが、はたして彼は本当に「凶悪」なのか、そこからして疑問に思わざるを得ない。有期刑で罰するのみで世間に復帰する道筋をまったくつけられない、そんな服役・処罰システムで本当に大丈夫か。
2011/03/01 00:17
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
更正や厳罰化、死刑や無期懲役、殺人や自死などについて、考えたり情報を収集していたりして出遇った本。タイトル通りの内容。刑務所に服役して出所したひと・するひとの現状をなかば淡々と紹介してくれる。なぜ入所したのか。何を思い何をしながら服役しているのか。この服役はこのひとにとってどういう意味があるのか・ないのか。そう思われるのはなぜか。
たとえば「母親殺し」という「凶悪な」事件を起こして服役しているひとに取材しているが、はたして彼は本当に「凶悪」なのか、そこからして疑問に思わざるを得ない。有期刑で罰するのみで世間に復帰する道筋をまったくつけられない、そんな服役・処罰システムで本当に大丈夫か。
坂本敏夫『死刑と無期懲役』(ちくま新書)等にも同様のことが書かれているが、出番と役割が与えられ、誰かから期待されれば、人の更正はそれほど難しいことではないのかもしれない。‥‥という夢を見てしまう本である。そしてこの本を読み、この夢は、やはりそう悪い夢ではないのではないかと思うようになっている。
ともかく「更正」がキィワードなのだと思う。罰するだけで人が変われると思うのは楽観的に過ぎる。「飴と鞭」とも言われる。北風と太陽の喩えもある。道は険しくとも、ともかく、John Lennon の『imagine』でも口ずさみながらやっていくしかないだろう。