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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
海の底には今まで表に出てこなかった歴史上の秘密が隠されている、というお話。
大変夢のある話で期待しながら読み進めたが、「今後の活動が期待される」ということでちょっとがっかり。
それでも穴を掘るばっかりが考古学ではない、という視点を得ることができた。
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非常に面白かった。
内容は専門的なものだが、著者の腕によるものか、いい意味で読みやすい。
地球上の七割を占める海。そこに沈んだまま、眠ったままの数多くの遺産、ロマンだなぁ。中高生のときに読みたかったと思える一冊。
今後も水中考古学、注目しよう。
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海洋考古学という分野があることを初めて知った。言われてみればなりほどそうだなと感心してしまった。地上の考古学的発見よりも多くのことを知ることのできる海洋考古学にロマンを感じた。きっとこれから先にもっともっと多くの過去をひも解いてくれることになるのだろう。それを今から楽しみにしている。前半の大航海時代の通史も分かりやすくよかった。
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とりあえあず面白いし読みやすいのでお勧め。もっと詳しく知りたくなった。内容は濃く一つ一つの事柄に関して少ししか書いていない、そのため、続きはどうなんだ?と少し気になる。もう少し的を絞って書いてもよかったのだろうけど、まあ、内容は入門書(というか新書)では良。
何百年、何千年前の沈没船が考古学者によって発掘されていたという話は聞いたことがあったが、初めて読んだ。水中考古学と聞くとお宝探しとかサルベージとかいうイメージがあった。それとは別な、こういう世界もあったんだなと少し現実離れ…日本ではまだ殆ど知られていない学問だそうです。今後遣唐使の船とか戦国時代の船とかいろいろ発見されて発掘されると面白い。筆者の日本やアジアでこの学問に対する思い込みや意気込みも感じられた。
最後はとてもよくまとめられている。読んで気持ちの良くなる本だった。
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水中考古学という学問があるそうだ。海の中に眠っている沈没船を発掘するのが、主な目的である。古の財宝を巡るスケール感溢れる探究は、多くの研究者たちを惹きつけてやまないだろうと思いきや、意外にも本格的な研究が始まったのは、ここ50年くらいの話であるそうだ。考古学者が自ら海に潜り調査をするという発想が、なかなか生まれてこなかったのである。本書は、そんな水中考古学の研究者で、アジアの沈没船調査の多くに参加してきた著者による入門編という位置づけの一冊である。
◆本書の目次
序章 :漁師たちの発見
第1章 :大航海時代とカリブの海賊
第2章 :ヨーロッパを作った船たち
第3章 :沈没船が塗り替えるアジアの歴史
第4章 :沈没船発掘マニュアル
第5章 :新しい真実を探して
おわりに:海を愛するすべての人へ
発掘の対象が沈没船であることによる価値は、いくつもある。一つ目は保存状態、すみやかに水中の砂に埋まった場合は、酸素と接することがほとんどないので、有機物の保存には陸上より有利なのである。二つ目は、船には社会の縮図があられていることである。例えば食器の種類、遊び道具などを見ることで、身分差や階級の構図を把握することが可能になるのだ。三つ目は、船が移動手段である以上、国同士のつながりや、そのつながりの目的が明らかになることである。この発見は、歴史に新しい解釈を生むこともあり、実にロマンがある。
また、本書で特徴的なのは、「沈没船発掘マニュアル」なるものが付いていることであろう。ここまでの情報が誰に必要なのかなどとも思うが、現在、漫画の『ONE PIECE(ワンピース)』を読んで、心躍らせている少年たちにとっては、最高のお宝なのかもしれない。それにしても、引き上げ後の保存処理に10~15年かかるなど、驚きの事実も多い。
沈没船の存在は、その船が海を越えて「荷物」を届けるという目的が達成できなかったことを意味する。それは、沈没してしまった船や乗組員にとっては、不幸な出来事だったのかもしれない。しかし、時を越えて運んだ「事実」は、何物にも替えることのできないものである。
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海底には浪漫がある!!
世界史が沈没船によって塗り替えられていく。。。
そんな話。
中学時代に習ったときとは違った史実なんかがあって面白い。
船に関する解説なんかもあるので
ワンピース好きにも良いかもね。
黒ひげの話とかも紹介されてます。
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海の先に陸があるともわからずに航海するなんて大冒険だなー。地球儀を見ながら読みたくなる本です。面白かった。
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海底遺跡に興味があったので買ってみたら、読みやすく面白かった。
遺物からどんな事が分かるのか、は陸上での遺跡で分かる事と全く異なるのに驚いた。
まだまだ見つかっていない沈没船が沢山あると書かれていたので、まだ見ぬ史実や今まで誰も知らなかった発見がこれからもっと出てくるんだと読んでてわくわくする。
期待して待っていると共に、これからも水中考古学に期待してしまう本でした。
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単に宝探しの話ではなく、背景の世界史も著述されているのでとても興味深く読めた。
海外に比べ日本では水中文化遺産の保護が全くされていないのは、とても残念である。
12/0/12-19
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長いあいだ、人類は海を調査する術を持たず、人や財宝とともに沈んだ船は、歴史から消えたも同然だった。だが、20世紀末に水中考古学の発展が状況を変えた。歴史を閉じ込めて眠る沈没船が続々と発掘され、スペインの無敵艦隊やヴァイキングなどに関する新発見が相次いだ。我々の知る世界史は海の考古学者たちの発掘によって塗り替えつつある! 以上が本書の概要である。著者のランドール・ササキ氏は1976年生まれの水中考古学者で、ランドール・ササキアメリカのサウスウェストミズーリ大卒後、中近東での陸上発掘に携わり、テキサスA&M大で水中考古学を学ぶ。元寇の沈没船をはじめアジアの沈没船調査に参加している。
本書は五つの章で構成① 大航海時代とカリブの海賊-ポルトガルの栄光と衰退、大洋の沈まぬ国スペイン、イギリスの台頭とカリブの海賊。② ヨーロッパを作った船たち、ク表紙Book cover フ王の太陽の船、ローマのガレー船、ヴァイキング船、カラヴェル船とキャラック船の登場。③ 沈没船が塗り替えるアジアの歴史-中国の沈没船史、元寇。海の世界史と世界で発掘されている沈没船の状況。④ 沈没船発掘マニュアル。⑤ 新しい真実を探して-沈没船はタイムカプセル、歴史の謎は水中にある。
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水中考古学というまだ50年程の新しい学問の紹介と、水中遺物が教えてくれる新しい世界史。
特に1章が物語を読んでいるようで、興味深かった。
2章は少し駆け足気味の感あり。
新しい発見がある度に又本に書いて教えて欲しいなっと思った。
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海からタイムカプセルを見付け出すロマンあるお話。
何となく宇宙より深海に惹かれる性分なので楽しかった。
こういう分野がまだまだ未開拓だというのは意外だったな。
関われたら楽しそう。
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沈没船ってなんだかロマンがありますね。
『タイタニック』の映画を思い出すと、沈んだ当時は大惨事なのですが、時代を経て、残骸から昔のお宝などが発見されたりするからです。
2009年に開催された「海のエジプト展」も非常に面白かったため、タイトルに引かれて読んでみました。
水中の沈没船は地表のものよりも保存状態が良く、つい昨日沈んだばかりに見える数千年前の船が、ある日突然発見される可能性もあるのだとか。
やはり海にはまだロマンが眠っているようです。
イギリスがスペイン無敵艦隊を破ったアルマダの海戦の裏の事情も紹介されています。
イギリス艦隊の副司令官フランシス・ドレイクは、海賊行為をしながらマゼラン海峡を突破したんだとか。
彼は祖国の英雄ですが、スペイン人には海賊扱いされているそうです。
映画やディズニーランドでおなじみのカリブの海賊は、18世紀に活躍したとのこと。
「黒ひげ」の話が紹介されていました。
黒ひげ危機一発のモデルですね。
スチーブンソンの『宝島』は、海賊キャプテン・キッドの隠した財宝がどこかに眠っているという伝説がベースになっています。
海賊が元ネタとなっているものは、案外多いことに気がつきます。
「三角貿易」とは、ヨーロッパで武器→西アフリカで奴隷→西インドで砂糖→ヨーロッパ、の三角形。
社会の授業を思い出しました。
ヴァイキングは好戦的というより、交易を主な目的として各地に植民していった民族だとか、日本一島が多い県は長崎(971島)だとか、興味深い雑学が文中にいろいろと取り込まれています。
元寇の「神風」は台風のことで、瞬間最大風速が約55m。
洞爺丸台風に匹敵する強さで、海上交通の難所の伊万里湾にいた元の船はぶつかり合い、大きな被害を出したそうです。
著者が携わっている海洋考古学の調査法についても紹介されていました。
ダイバーが発見した与那国海底遺跡のイメージが強いですが、そんなきれいな海にもぐることはないのだとか。
透明度の高い海に沈んでいる船は、すでに発見されて引き上げられているため、見つけにくいヘドロの漂う汚い海に潜ることがほとんどだそうです。
海洋研究者の悩みもつづられます。
生活の為の漁業者に、遺跡が知らず破壊されてしまうケースが多いのだとか。
特に底引き網漁の盛んな海域に被害が多いそうです。
ウォーターフロントの不動産物件も、古い時代の沈没船の上に建っている可能性があるのだそうです。
日本もよく調査してから埋め立てしないと、貴重な歴史資料を発見できずに終わってしまいそう。
また、沈没船などの水中遺産を人類共通の文化遺産とせずに、宝として盗む盗掘者が研究者にとっての敵。
オークションで好事家の手に渡ったら、もはや手を出せないそうです。
水中文化遺産保護の必要性が叫ばれ、2009年にユネスコが「水中文化遺産保護条約」を採択し、20カ国以上が批准したそうです。
ただ排他的経済水域の扱いを巡って折り合いがつかず、アメリカ、イギリス、日本はまだ批准に至っ���いないのだとか。
日本もまだだとは。遺跡の破壊や盗難防止のために、一刻も早く協定が結ばれればよいのですが。
水中考古学の歴史はまだ50年という新しい学問。
世界中の海にはまだ300万隻の沈没船が眠っているそうです。
改善点は多いものの、やはりロマンがまだまだ残っている領域だなと思いました。
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ダイバー的にはすごく気になる水中考古学の世界。
本書は沈船からのアプローチ。「第4章 沈没船発掘マニュアル」からが俄然面白い!
水中洞窟内の遺跡の発掘などの世界もあると聞いていますが、日本で本格的に行っている大学はないものか・・・と思って探したら、学会やらいろいろあるのですね~
具体的に参加できるような活動をしていきたいと思います。
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2010年刊行。テキサスA&М大学博士課程在学。水中考古学(海底等に眠る遺跡・遺物を陸上考古学と類似の方法論で発掘採集し、保存しつつ解析・分析する学問)の見地から、西洋の大航海時代の在り様・沈没船の分析結果、元寇(日と越南)による沈没船の分析をざっくりと解説。学問の黎明期とはこういう感じなのかな、という意味でも面白い。蒙古襲来絵詞に描かれていた「てつはう」と思われる遺物を長崎県鷹島近海で発掘、日元船に満載された銅銭、英国に敗れたスペイン無敵艦隊は実は寄せ集め船団の可能性など、史実の逆転・補強に資する。