紙の本
まだ無名であったソクラテス
2023/01/23 13:33
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
まだ無名であった36歳のソクラテスと著名なソフィストであるプロタゴラスとの間で徳などめぐって対話が交わされる。哲学とは何かといえば物事を徹底して突き詰めて考えることなのかもしれない。プラトンが対話篇を好んだのはこの手法がそれを端的に示すことができるからであろうし、それをありありと示す作品となっている。
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初めて、プロタゴラスを読みました。
ソクラテスとプロタゴラスの哲学の議論。
前提条件をおきながら、それが正しいとすればとの問いかけが、なるほどと思わせる内容です。
短い中に、哲学議論のエッセンスが詰まっているように感じました。哲学の論理って難しいですね。
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徳は人に教えることができるか。
勇気とはどういうものか。
ソクラテスは対話の中で一定の答えを出すが、それがまた矛盾を生み結局うやむやになる。
それが哲学の宿命であることを理解せよと。
いかにも哲学っぽい物語だけど、正直面白くはない。
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快いことは善いもので苦しいことは悪いものだとすれば、人は何故、快楽を悪としたり、ある種の苦行を善としたりするのだろうか。本論とは少しずれるんだけど、クライマックスの議論の中で、そこのところの指摘が個人的には面白かったかな。
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初めてプラトンの本を読んだ。非常に平易。ソクラテスが相手との対話を通じて真実を明らかにしようという姿勢だったことはよく分かった。ただ初心者としては,ソクラテスが詭弁を弄して相手を論破しているだけのようにも思えたのも事実。
本の感想ではないが,2千年以上前の人が考えたことを本を通じて知ることができる,というのは凄いことだと改めて思った (勿論孔子とかにもいえます)。と同時に現在でも答えは出ていないと思うし,当時は現在ほど忙しくなくまた物質的にも豊かではなかったと思うので,逆に今以上によく考えられていたのでは,と思う。とすると寧ろ (なかなか哲学する時間や機運のない) 現在こそ古代の哲学に触れることは有意義ではないかと思った。
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まず一言にまとめるなら読みやすいということである。
古典だからとびくびくしながら手に取ったが読み進めるうちにものすごくのめりこんでいくのが心地よかった。さーっと読めてしまいそうで、実は一度突っかかってしまうと再起は困難である。毎項じっくり味わっていくのがいい。
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「人間は万物の尺度である」という言葉で知られる高名なソフィストであるところのプロタゴラスとソクラテスの徳に関する対話篇。ソクラテスというのは、本当に人を喰ったようなたぬきオヤジだなとつくづく思った(笑)。そして抜群に頭がいい。対話の主導権を握る方法の最も最古のものはソクラテスなのではないかと思ってしまうほどに。
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若き日のソクラテスが、当代最強のソフィストであるプロタゴラスとの間でスリリングな論争を繰り広げる。
苦戦を強いられるソクラテス。
果たして戦いの行方は!?
カジュアルな訳文で、心地よく読み進めていくことができる。また、いわゆるソクラテス・メソッドの実践本としても読むことができる良書。
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なんにしても、ソクラテスは本当に性格が悪いw プロタゴラスとの対話で見事に論破したにもかかわらず、自身がアポリアに陥っていることを示してちゃっかりおべっかを使い、その実、自身の立場はソフィストの教えていることは知識に過ぎないというものなのだから、アポリアに陥ったことも織り込み済みだったわけである。はあ。
この前にテアイテトスも読んでみたけれど、そちらと同じで、本当に議論して欲しいところには決して立ち入らず、瑣末な論理の問題に拘泥して本質の周辺を旋回し続けている印象を受ける。プラトンは合わないのかもしれない。
ただ、解説は素晴らしく、わかりやすく論旨をまとめるに留まることなく、あらゆる角度から本書の魅力を伝えようという意気込みが感じられた。
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ソクラテスがプロタゴラスに徳をテーマに論戦を挑み三段論法炸裂によるカタルシスは痛快というか、物語性がある。
古典新訳文庫は本当に読みやすい。
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ブックオフ、¥400.
厳密に厳密に言葉を定義していく議論に辟易しつもつ、読みやすい訳文に助けられ読了。時間をおいてまた読みます。
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「借」(大学の図書館)。
アレテー(徳)とは、なんぞや
それは教えられるものなのか
について、プロタゴラス(当時最大のソフィスト?)との対話。
哲学勉強シリーズの第2弾。
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「人間の徳(アレテー)は、教えられるものなの か?」「ソフィストとは、そもそも何者か?」。若 くて血気盛んなソクラテスは、アテネを訪問中の プロタゴラスのもとにおもむき、徳をめぐる対話 を始める。しかし、議論は二転三転。次第に哲学 的色彩を強めながら、やがて意外な結末を迎える ことになる。プラトン対話篇、最良の入門書。
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ソクラテスの弁がいかに凄まじいことがこのプロタゴラスでよくわかった。ソクラテスの弁明では、何かのテーマに対する実際の弁はなかったから。
ソクラテスとプロタゴラスとの対話が展開されていくのだが、読み進めていくと頭脳がが筋トレされてムキムキにバルクアップされていくような感覚になっていく。
一つ心に刻みたい事が語られていた。
それはソクラテスがある若者に忠告する言葉。
「君が体を大切に思っているのはわかる、しかし心はどうだろう?目に見えない知識や情報などは物よりはるかに危険が大きいのだよ。なぜなら心に一旦入ったら物と違い、突き返すことができないのだから」
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ソクラテスは、知者として高名なプロタゴラスに対して最大限の敬意を払い、持ち上げると見せて、彼の演説の中の、一見些細なことにも思える問題点を指摘する。はじめは余裕で応じていたプロタゴラスも、ソクラテスから次々と繰り出される質問に次第に追い詰められ、最後は自分の発言の誤りを認めざるを得なくなる。そんなプロタゴラスの様子と、ソクラテスの鮮やかなやり口に、昔見た米国のテレビドラマ「刑事コロンボ」が想い起こされた。プラトンの著作の中でも、読み物としての面白さが特に際立つ作品となっている。
「徳は生まれつき備わっているものではなく、教えられて身につくものである」というプロタゴラスの主張には、納得できる部分もあるように思う。だが「徳は知識である」というソクラテスの主張についてはどうか。作中のプロタゴラス同様、違和感を抱かざるをえない。だが知識でないなら、なぜ教えることができるのだろうか。
一方、プロタゴラスの主張に反対していたソクラテスも、プロタゴラスとの問答の末に、徳は知識であり、したがって教えられるものであることを証明する結果となってしまう。二人とも自己矛盾に陥った格好だ。
ソクラテスが言うように、議論のどこかに誤りがあるのか。あるとしたら、それはどこなのか。答えは読者に委ねられる。哲学するきっかけを読者に与えるという点でも、本書は優れた哲学入門書といえる。