ブッダに学ぶとらわれない生き方 もう苦しまない！「心」を科学的に分析した、ブッダの方法論に学び人生を楽に自由に生きる

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投稿者：ゴータマ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

奈良の薬師寺の管主さんが書いた本。東日本大震災を題材にとって、心の在り方、持ち方を説いている。はげますような本ではない。心理学の本でもなく、仏教を通しての心の問題として書いてある。
　奈良の薬師寺は、仏教が最も早く伝わったお寺の一つで、瑜伽唯識派の法相宗のお寺だ。瑜伽は、ヨガのことで座禅の基本となった修行法。唯識は、仏教学の基本である「全ての物は心があるから存在する」という教え。この唯識が基本にあるので、苦しみのみにとらわれることなく、さりとて喜びばかりでもないという客観的な心のでいれば、苦しまないで済むということ。
　この和尚さんは、説法がお上手な方のようで、すらすらと読める。難しいと言われる唯識の話も分かり易く解説している。「手を打てばはいと答える鳥逃げる鯉は集まる猿沢の池」都都逸なのかなるほど心の持ち方でいろいろな行動を起こすものだと思った。（唯識では、動物にも心があるという。現代心理学にも通じている。）
　付け加えるなら、キリスト教や、ユダヤ教、神道にまで言及し、仏教とほかの宗教との違いを説明している。盛りだくさんだが、楽しく心について考えることのできる本である。