40年の思いをリセットする決意
2015/08/27 10:20
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
二年前に死んだ相麻菫を能力を組み合わせて黄泉帰らせたことで、春埼美空は恐怖を感じてしまった。それは、浅井ケイが自分を、自分の能力であるリセットを必要としなくなるのではないかという恐怖。世界を3日分巻き戻すという能力よりも、相麻の未来視能力の方が使い勝手が良いはずだからだ。
その鬱屈した思いは、文化祭で彼女が演じる女性と、皆実未来が脚本で書いた人物像を乖離させてしまう。ケイの恋人役を幸せに演じるには、脳裏に浮かぶ相麻の姿が強烈すぎるのだ。そんなすれ違いを感じた皆実未来と中野智樹は、友人である浅井ケイに奮起を促すため、ある仕掛けを施す。
一方、二代目魔女を名乗る、生き返った相麻菫は、管理局対策室室長の浦地正宗との会合を控えていた。浦地は咲良田から能力を消し去るために策を巡らし、二代目魔女はそれに協力をしているかのように見える。
だが、浅井ケイには、相麻菫から、浦地の陰謀をはねのけるためのヒントが届いていた。果たして彼女は何を思って行動しているのか?
タイトルの後半は7巻に続くらしい。それでこの物語も完結の予定だ。
浅井ケイと春埼美空。能力を持ち、いつも隣にいるけれど、感情が希薄で、何を考えているかは単にから読み取りづらい。でも彼らも普通の高校生でもある。何かがあるから普通の高校生でいられないのではなく、普通の高校生でもありながら何かがあるという形に落ち着くべきだ。そんな誰かの思いが支えるかのように、物語は進展していく。
浦地の作戦は万全だ。あらゆる反撃を封じるため、管理局の立場を生かし、能力の裏をかき、あるいは表から対処し、自分の目的まで一直線のルートを敷く。それには魔女の未来視も叶わない様に見える。
しかしそうではなかった。逆転の一手を打つため、魔女は大きな犠牲を払いつつ、自分の何かを切り捨てて、路を残した。それは隘路ではあるが、死路ではない。その路を進んだ先に、彼らは、彼女たちは、何を手に入れるのだろう。
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クライマックス。
そう言われるのも納得の新刊
たった一人で、ただ相手の幸せを願い、そのためにどんな孤独にも耐える……
彼がそのことを悲しむのも知ってて、それでもなお突き進む
そんな強さ、美しさが輝いてた
春埼の笑顔も嬉しかったけれど
それでも、菫がなんの屈託もなく笑う世界を望みたい
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あとがきに宣言されていましたが、本巻がラス前になります。
なので、伏線の回収がなされていくのですが、とにかく相麻菫が切ない、、
未来を見通せる能力を持ちながら、愛情を不器用な形でしか示せない相麻が哀しくて仕方ない。出来れば、彼女にも本当に未来のある終わり方を作者には示してもらいたい。
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みんながそれぞれ誰かの幸せを願った結果、誰かを傷つけてしまう…そんな感じ。なんか無性に悲しくなってしまった。
最終章突入!!
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この作品は本当に言葉のセンスがすごいと思う。
サクラダリセットの綺麗な世界観は、綺麗な言葉と、透明な雰囲気、気の利いた言い回しで構成されてるんだと思う。
とうとう最終章に入ったこの作品だが、早く物語の続きが見たいと思う気持ちと、ずっとこのまま続いてほしいと思う気持ちが心の中で葛藤中です。
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春埼とケイの関係が少しずつ変わってきていて
次がすごく楽しみになりました
相変わらずすっきりした文章で読みやすかったですね
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ラストへ向けての加速
ああ、リセットはこのために、といわんばかりの使い方に少し感動。
最初からこれを狙っていたとしたらすごいもの。
しかも、リセットしただけで何も解決していないのはいつものごとく。これから色々と奔走なんだろ、と。
実のところ、時間を切り戻したいとかおもうこと多いけど、身の丈って話もるあるしねぇ。
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何故、この物語はこんなにも綺麗で、こんなにも優しいのか。
言葉選び、物語のテーマ、自然や喧騒の描写に至るまで、あらゆる部分に透き通った優しさを感じる。この暖かさに満ちた物語があと1冊で終わってしまうということはとても残念だが、河野氏ならばきっと我々の想像を超えた優しい結末で物語を締めてくれると確信している。ほぼ誰にでも文句なしでオススメできる作品。
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6巻きた―――――!!!!!
もう、サクラダ大好きすぎる!
7巻完結なのであと少しで終わってしまうのがさみしいです……
個人的には智樹が大好きです。
ほんとにいいやつです智樹。
愛を叫んで女の子が笑えば、宇宙がハッピーなんです!
一番好きなシーンは、
皆実ちゃん「ちょっとききたいことがあるんだけど」
智樹「なんだ?好きな女の子のタイプについてか?」
皆実ちゃん「いや違うけど……」
智樹「胸が大きくて頭が良くてクールな年上さ」
皆実ちゃん「おぉ、きいてもないのに言いきった。ストロングだね中野くん」
だったりします。(セリフうろ覚え)
智樹の好きなタイプの女の子村瀬さんっぽいなと思いました。
サクラダリセットはほんとに綺麗だと思います。
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劇
事件、記憶を自らなくすのと忘れないという2人。
嫌いな人、嫉妬。
どんどん感情的な論理を持ちだして助けようとするのと、嫌いなのにケイと共に行動していくという矛盾。微妙に信頼感にもヒビが入りつつある。
管理局と未来視、敵対勢力。
能力の暴発。
境界と浦池正宗の両親、管理局。
いつか相馬菫と春埼美空は正面からぶつかる時がきそう。
これによって解き放った能力の可動範囲はどういう広がりをみせていくのか?
記憶を失った春埼はどうなるのか。
記憶が残ったケイがどういう行動をするのか。
時間操作と記憶操作の能力を組み合わせるともっととんでもないことがおこりそうなきがする。
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どこまで相手のことを想えば相麻のような行動がとれるのだろう。たとえ自分がどんな能力をもっていようとも、彼女ほど強く立ち回れないだろう。
一度最終巻まで読んで、すぐに1巻から読み返して、それでもその強さに、その真っ直ぐさに涙を流さずにはいられなかった。
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ケイも相麻も己の意志を貫き通す強靭な精神の持ち主ですが、その強さゆえに自らも苦しんでしまうナイーブな面も持ち合わせています。
そんな彼らの姿が哀しくもあり切なくもある一方で、なんと綺麗で美しく、優しいことでしょうか。
キャラクターのセリフはもちろん、地の文からもにじみ出る透明感や優しさに心を打たれます。
この優しい物語がどのような結末を迎えるか、次巻が待ち遠しいです。
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物語が加速し、収束し、終わりに近づく。春埼との恋、相麻菫の計画、不可解な指示。 今までの全てが繋がってゆき、仲間と離され、一人立ち向かってゆくケイ。 そして、咲良田市誕生の秘密が明かされ、街にある変化が訪れる…。物語が大きく動き終わりへ向かってゆく第6巻。
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いよいよ、終わりに向かって話が進んできた。相変わらずの面白さ、会話の小気味いい感じ。次で最終巻というのがさみしい様な結末が楽しみな様な。とりあえず次も期待な作品
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咲良田市は市内限定で能力を発揮できる人のいる街です。
能力と言ってもアニメにあるような具体性のあるものは少なく、
1人が1つの能力に限られています。
そうした能力に目覚めた人達が社会的に問題を起させないよう管理する局があり、
その創設者の1人である魔女と呼ばれた女性の未来視により
問題が起こるのを未然に防いでいました。
主人公の高校生ケイは外から移ってきた絶対記憶能力を持ちます。
彼のパートナーである美空と言う少女は特定時間をセーブし、
3日以内であればリセットして過去に遡らせる能力を持っています。
リセットすると皆リセットされた分の時間の記憶は失ってしまいます。
だからケイの能力がリセットによる問題解決で効果を発揮します。
そうした街にあって、管理局を創り、能力のある世界を維持する為に人身御供となった父親を見
能力を不公平なものとして捉える管理局員の浦地という男が世界からの記憶消滅を目論みます。
前巻までで中学時代に自殺した同級生の少女を生き返らせる事を目指して行動し、
様々な能力を併せていく事で遂に生き返らせた少女も、
人と会話を交わす事で未来を見られる能力の持ち主。
実は再生に至り、浦地の目論みまでを少女・菫は想定しての自殺だった訳ですが、
この巻で「サクラダリセット」と言うタイトルの意味が具体化されるのですね。
てっきりリセット能力を持つ美空と、それを利用しながらも関係を深めていく
ケイとの物語だと考えてきていただけに、ここでの展開の変化には正直言って脱帽しました。
最初から普通の能力者の話とは雰囲気が異なるなとは感じておりました。
基本淡々と物語が進み、能力の利用場面では特別華やかさのある演出をする訳でもなく、
でありながらどことなく余韻を感じさせる物語と文筆には見るべきものがありますね。
次巻でラストを迎えますが、とても味わい深い良い作品です。
イラストを手掛ける椎名優氏もまた作品に彩りを添えていますね。
「れじみる」「アカイロロマンス」「モーフィアスの教室」「偽りのドラグーン」等の
イラストを手掛けておりますが、恐らくこの作品ほど氏の絵柄が
シンクロした作品はないとすら感じます。