- カテゴリ:一般
- 発売日:2012/02/01
- 出版社: 東京創元社
- サイズ:20cm/212p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-488-01344-8
紙の本
罪悪
著者 フェルディナント・フォン・シーラッハ (著),酒寄 進一 (訳)
ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。秘密結社イルミナティにかぶれる男子寄宿学校生らの、“生け贄”の生徒へのいじめが引き起こす悲劇。猟奇殺...
罪悪
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商品説明
ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。秘密結社イルミナティにかぶれる男子寄宿学校生らの、“生け贄”の生徒へのいじめが引き起こす悲劇。猟奇殺人をもくろむ男を襲う突然の不運。何不自由ない暮らしを送る主婦が続ける窃盗事件。麻薬密売容疑で逮捕された孤独な老人が隠す真犯人。—弁護士の「私」は、さまざまな罪のかたちを静かに語り出す。刑事事件専門の弁護士が、現実の事件に材を得て描きあげた十五の異様な物語。世界各国を驚嘆せしめた傑作『犯罪』の著者による、至高の連作短篇集。ドイツでの発行部数30万部突破。ドイツCDブック賞ベスト朗読賞受賞。【「BOOK」データベースの商品解説】
ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件、何不自由ない暮らしを送る主婦が続ける窃盗事件…。刑事事件専門の弁護士が、現実の事件に材を得て描いた全15篇を収録した連作短篇集。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
ふるさと祭り | 7−18 | |
---|---|---|
遺伝子 | 19−27 | |
イルミナティ | 29−51 |
著者紹介
フェルディナント・フォン・シーラッハ
- 略歴
- 〈フェルディナント・フォン・シーラッハ〉1964年ドイツ生まれ。作家、弁護士。94年からベルリンで刑事事件弁護士として活躍。処女作「犯罪」がドイツで大ベストセラーとなり、クライスト賞など多数の文学賞を受賞。
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紙の本
奇妙で、愚かで、だけど憎めない。
2012/02/23 14:14
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アヴォカド - この投稿者のレビュー一覧を見る
不思議。奇妙。馬鹿々々しく、愚か。気の毒。致し方ない。やりきれない。因果応報。よくわからない。魔が差した。まあ、こんなものでしょう。。。
いろいろな事件や犯罪がある。思わず同情してしまうようなものから、同情は全く出来ないものまで。作ったお話かと思うものから、お粗末すぎて嘘でしょ、というものまで。
「犯罪」に続いて、弁護士であるシーラッハが現実の事件に題材を得た、短篇15編。
どれもこれも、正真正銘ニンゲンの仕業だ。
なんだかその愚かしさ、馬鹿々々しさも含めて、愛おしくなる。憎めない。
最後の〆が、今回はちょっとスタイリッシュ。
まだまだ読みたい。
電子書籍
短い作品の中にある人生
2016/01/01 22:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:猫目太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰もが、もしかしたら犯してしまいそうな犯罪を短い作品に詰めんこうだ名作。
著者が実際体験した事柄が、作中のアイデアになっているようだが、当事者以外わからないその後がきになる。
読後、喉に何か詰まるような嫌な気分になる。だが面白い。
紙の本
裁判員に任命され、むごい事件の事実関係を確かめたり証拠品を見せられたりすると、こういう気分? シーラッハの2冊目邦訳は、1冊め『犯罪』より事件そのものに肉迫。読むのに気丈さが必要。
2012/06/05 17:29
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
正直、何とも後味の悪い、いたたまれない短篇が多かった。
「いやだな。人間って、ごくありきたりに暮らしている人でも、いざとなったら何をするか分からないものだね、やはり」と、過去にひどい目に遭わされたことを思い出したり、自分が人にどういうダメージを与えてきたのかと、苦々しく体験を思い起こしたりした。どちらもフタをしておきたい暗部、トラウマだが、そういう傷跡を開かれ、塩でもすり込まれたような感じ。
同じ作家で評判になった前作『犯罪』は、語り手の弁護士の存在が有難かった。頼りになった。刑事事件の弁護士でもある作家が、弁護士から見た「犯罪」がどういうものなのかを書いていて、同時に、弁護という仕事が時に犯罪になりかねないという見方を提示していた。
真実を神が裁くのとは異なる「人間の人間による裁き」がどういうものなのかを、法曹界に縁のない人たちに、分かりよい事件のいくつかで説明してくれているようなところがあった。
ところが今回の『罪悪』は、弁護士の目線はあるのだけれど、人が罪を犯し、悪をなす「魔の刻」やら「魔の閾」やらに集中して書かれている話ばかり。安心の杖として用意されていた「弁護士の良心の呵責」が取り上げられ、「弁護士に必要な冷徹」を読み手も強いられる。事件を事件として、弁護を弁護として、犠牲を犠牲として見なくてはならないような読書だ。
裁判員制度が始まり、実際にそれを務めた人が、残虐な事件の裁判で生々しい証拠品の数々を確認をさせられるのが神経にこたえる……というような感想が伝わってくる。そのような裁判員の辛さは、『罪悪』の読後感の苦々しさ、やり切れなさにつながっているのではないか。
「解剖学」は3ページ、「欲求」「司法当局」「秘密」は4ページほどしかなく、他の各篇も短い。小粒な1錠だけですぐに効き目が表れる薬のようだ。人々の生活の一角で起こった出来事が人の運命をどう破滅させていったかを、最低限の文章で語りつくす。
「こんな終わり方をしてしまうのか」と、破滅の仕方が怖かったり悲しすぎたり……。しかし、ほんのわずかに平安があって、正気のありかを感じさせる事件もあった。
扱われているのは、若い女性に対する集団暴行、年若いカップルによる強盗殺人、男子寄宿学校でのリンチ、無邪気がもたらした冤罪、夫の暴力から逃れるための妻の正当防衛など。書き出しているだけでしんどいが、「自分にも、そういう誘惑があったら」「自分にも、そういう人が身近にいたら」「自分にも、そういう不遇に見舞われることがあったら」――罪悪はきっと無縁のものではないのだろう。シーラッハという作家の書く小説には、そう考えさせられてしまう怖さもまたある。
精神状態のしっかりしたときに、人間の理解しがたさを自分の幅を広げるようにして読むと良いのかもしれない。
紙の本
無駄を削ぎ落とし、淡々と語られる
2015/03/26 15:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
徹底的に無駄を削ぎ落とし、淡々と語られる事件。罪を犯した者は愚かで切ない動機を抱えている。前作の『犯罪』よりも冷たい感じが好き。
紙の本
フェルディナント・フォン・シーラッハ
2015/11/29 21:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:she - この投稿者のレビュー一覧を見る
フェルディナント・フォン・シーラッハ
人間のおろかさを眼前に突きつけられる作品がたくさん・・・複雑な感情が芽生えました。