前衛芸術家としての自信と,原点としての少女時代
2012/04/27 22:06
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
前衛芸術家としての自身と,これまでおこなってきた 「ハプニング」 などのパーフォーマンスにつよい自信をもっていることがわかる. 著者を評価するおおくの評論が引用されていて,それが自信につながっているようだ. この本における自身に関するいいまわしは,驕りともうけとれる. しかし,驕ってつぶれていく作家とはちがうことは,これまでの著者の活動からわかる.
この本では,ひとを裸にする 「ハプニング」 や特異な創作物が著者の少女時代の経験に由来していることもしめされている. これまで不可解だった部分が,この本によってわかってくる.
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
前衛芸術家、草間彌生の自伝。
外国に渡航する為に今では想像を絶する程の手間がかかっていた頃、何故アメリカに渡ったのか、どのような活動をしていたのかという事から、他の芸術家との交流、草間彌生の死生観が綴られている。
こういう性質の書籍が文庫化されるのは大変有難い。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
理性とかモラルを、こうしたパーティーで云々するのは陳腐である。そこにあるのは、人間のもっとも原始的な欲望なのだから。
理不尽な環境に打ち勝つということは、追い詰められた立場に置かれた己の苦しい情況に打ち勝つということであり、人間として生まれてきた故の試練であると思っている。だから、私の全人格をもってそれに立ち向かいたい。こういうことに巡り合ったことも、一つの人の世の運命であるから。
天の啓示によって、私は神に生かされているのである。艱難辛苦、己を玉にする毎日である。そして、歳月とともに、死を意識すること、日一日である。
未来への心の位置を高めたい。そのため、私は芸術をそれへの手段として選んだ。これは一生をかけての仕事である。私の心を、死んで百年の間にたった一人でもよい、知ってくれる人がいたら、私はその一人のために芸術を創りつづけるであろう。
そんな思いで、私は絵画を描き、彫刻を作り、文章を書いているのである。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
天才って、まさにこういう人を言うのだなと、驚愕。
『あしながおじさん』でジュディが『マリ・バシュキルツェフの日記』を読み
その天才の奇癖に驚かされ、自分が凡人で良かったと書くのだけれど
まさにそんな感じ。
神の与えた才能に応えるためには、犠牲もまた大きい。
別の側面であるけれど、60年代から70年代にかけた
アメリカの風俗史としても面白かった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
子供の頃から幻覚、幻聴に悩まされながら、絵を描くことで快復をはかってきたという著者の自伝。海外渡航が自由化される前に様々な困難を打破してニューヨークに渡り、貧困の中で絵の売り込みや若いアーティスト達との交流する修行時代のエピソードが一番興味深い。自分の作品を文章で論理的に説明する能力が高いのには驚いた。自分を無邪気に天才と言うなどの愛嬌で成功者の自伝に有りがちな嫌味が薄められている。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
凄い。かつて彼女がどんな芸術活動をしていたのか知らなかったので、結構びっくり。ニューヨークに出て行く時にオキーフが助けてくれたというのも知らなかった。突き動かすものがあるから創作の源が枯れることはないのだな。幸か不幸かは知らず。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
10歳で網と水玉をモチーフに絵を書き出して70年以上、今なお旺盛な創作を続ける天才、草間弥生の自伝。最先端のアートが生まれる街となった60年代、70年代のニューヨークで過激なパフォーマンスを繰り広げるところは圧巻です。作品も面白いけど、作っている人間はもっと面白い、と実感させられる本なのです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
草間彌生の自伝
面白さや素晴らしさよりも、
もっと根底のエネルギーに対して作用してくる本です。
僕の場合は、絵やパフォーマンスよりも、こういった文章による表現が
受信器として働いたためか、
読んだ後、焦燥感にかられるようでした。
今まで芸術家を含めて色々な伝記・自伝を読んできたけれども
根底に流れるパワフルさと、表現が時間との戦いで、走り続ける勢いが
文章から伝わってくる感覚は他の自伝などでは感じなかった。
スキャンダラスな記述と時々自慢に聞こえる文章もあるが
圧倒的な勢いを感じさせられ、それが自分にも影響を与えていることを実感します。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ニューヨーク時代、草間彌生さんが、ジョゼフ・コーネルに求愛されていたとは驚き。
一日中、コールされる彼からの電話。彼の家では、息子の女友達を嫌悪するコーネルの母親が二人に水をかける。
彼の才能を認めていた草間は、そんな彼を受け入れ愛した。
コーネルが亡くなり、コーネルの作品が残され、二人のアガペー的恋愛は終わった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
草間彌生の知らない一面を見た。水玉誕生の背景、ニューヨークでの生活、芸術、とても奥の深い人物なのね。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
私にとっては☆5つのところもあり,☆3つのところもあるが,草間が自分の生を常に全うし,投げ出さず,進んでいることが全編から感じられ,尊敬に値する.
オキーフとコーネルに対する敬意も,最終盤に良心に向けた語る感謝も,傲岸だと一見思われがちな草間とのギャップがあって,好感を抱いた.こんな部分が彼女を人々の間で愛されるものにしているのだろう.
・一個の水玉である自分の生命を見たい.
・制作の前後に私は病気になる.
・草間のゴッホ観
・浅田彰の一文
・コーネル「死ぬことは少しも恐れていない.それは,この部屋から隣の部屋に行くようなものである」
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
思ってたより業績とかのことがいっぱい載っててがっかりした部分もありつつ。どんな気持ちで作品に取り組んでいるのかは知れたのでその点はよかった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ヴィトンでバッグも作ってもらっていつの間にビッグになられて…商業ベースにこういう形で乗るなんて予想だにせず。横浜トリエンナーレの写真を見て、これは実物を見たかったなー。でも本の中身は「ホモの乱交」という言葉が頻出して笑えるwハプニングバーの起源はこの辺にあるのかな?それともBLなの??
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
彼女はもともと作家だったこともあって、文体はとっても面白かった。そしてアーティストのように体全体で表現しているような表現がいくつもあった。めちゃくちゃではないけど、アーティスティックな文体。少し読みづらいって思っちゃう人もいるかもなぁ・・
しかし、彼女のダイナミックで痛々しい人生に、何かを考え思索しなければならないと思う。恐いけど、愛したくもない。でも応援はしたい。彼女こそthe Artistなんだろうなと思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
どうにも苦手で、苦手意識を払拭するには
理解せねば、と自伝を手にとったものの、、
背景は少し理解できたものの、作品の
苦手さは変わりそうにない。仕方ない。