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紙の本
満州国皇帝の秘録 ラストエンペラーと「厳秘会見録」の謎 (文春文庫)
著者 中田 整一 (著)
【吉田茂賞(05年度)】【毎日出版文化賞(第60回)】日本軍によって満州国皇帝の座に就いた溥儀。専属通訳として、会見に同席した林出賢次郎が残した「厳秘会見録」を元に、昭和...
満州国皇帝の秘録 ラストエンペラーと「厳秘会見録」の謎 (文春文庫)
満州国皇帝の秘録 ラストエンペラーと「厳秘会見録」の謎
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商品説明
【吉田茂賞(05年度)】【毎日出版文化賞(第60回)】日本軍によって満州国皇帝の座に就いた溥儀。専属通訳として、会見に同席した林出賢次郎が残した「厳秘会見録」を元に、昭和史の闇とされた人造国家・満州国の実態と、皇帝・溥儀の素顔を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
極秘とされた満州国皇帝・溥儀の謁見の記録の全貌
外務省出身で、新京の日本大使館書記官であった林出賢次郎は、皇帝・溥儀の絶大な信頼を得、相談相手となり、また専属の通訳として、関東軍司令官をはじめとするほとんどの謁見に同席した。その克明な記録が、戦後四十年経って、和歌山の林出の実家で発見された。
清朝皇帝の尊大さと、傀儡の屈辱。関東軍への不信とおもねり。自らの後継問題と、親族への疑念……。そこに記された溥儀の胸中と肉声は、悲劇の偽国家・満州国の真の姿をあらためて浮かび上がらせる。
昭和天皇に対する絶大な敬意と羨望。帝位継承すら自らきめられないことへの苛立ちと、皇后をめぐる私生活の悲劇。石原莞爾、東条英機らへの歯に衣きせぬ月旦。
昭和史の闇とされた人造国家・満州国の実態が明らかになる。【商品解説】
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製作に関わった「皇帝の密約」が出て来ないのは何故?
2017/11/23 18:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の単行本は持っているが、改めて文庫版を読んでみると、文庫版のあとがきにかえてには「最も多く反響が寄せられたのは、溥儀と関東軍司令官との間に結ばれた皇位継承をめぐる密約である」、「テレビでも再々取り上げられ研究者からも問い合わせが寄せられた」とある。しかし、これはこの本の著者が製作に関わったNHKの「ドキュメント昭和7・皇帝の密約」で既に紹介されていて、角川書店から出た単行本(角川文庫も出ていたが、持っていない)の179~180頁に引用され、179頁に写真が掲載されている。「ドクター・ハック」と違って、参考文献目録にすら「皇帝の密約」という題名は出て来ない。こんな事を書く方も書く方だが、著者に問い合わせたというテレビ局(古巣のNHKは入るのかどうかは知らない)や研究者も「皇帝の密約」を読んだ事がないのだろう。呆れたものだ。
この著者の本や番組はいろいろと読んだり見たりしたが、これには失望させられる。
文庫版205頁に出てくる昭和20年8月11日に愛新覚羅溥傑が吉岡家で自決しようとしたのを止めたのは吉岡安直中将だと書かれている。吉岡中将の娘達から取材をしているので、この人達から聞いたのだろうか、と思ったが、この話は入江曜子著「貴妃は毒殺されたか」266~267頁に出てくる。「貴妃は毒殺されたか」は8月10日の出来事だと読めるが、既出の話しを「秘められた話がある」とされては困る。「浩が日本で思い描いていた皇帝の弟の妃、つまり『王妃』としての華やかな新婚生活とは、およそかけ離れた日々になることが十分に予想された」(331頁)とあるので、嵯峨浩を華族としての身分意識の塊で虚栄心の強い女性だと酷評した「貴妃は毒殺されたか」を読んだらしいことは窺えるが、「秘話」を紹介する為に?、だからか知らないが「貴妃は毒殺されたか」という書名も入江曜子という名前も出てこない。それに、この話し自体は「流転の王妃」、「流転の王妃の昭和史」、「溥傑自伝」にも書かれているが、自決を止めるのは浩夫人となっている。
「溥傑自伝」を読んでから、「皇帝の密約」で取材した事を見直して、宣統帝や溥傑・浩夫妻に野卑な軍人だと書かれた吉岡安直中将の名誉回復に勤しんだのは分かるが、随分と肩入れしたものだ。単行本版のあとがきに「溥傑自伝」が出版される前に吉岡中将が埋葬されたモスクワのドンスコイ修道院の墓地を参拝した事が書かれているので、「皇帝の密約」には「厳秘会見録」の筆者で「扈従訪日恭記」の著者でもある林出賢次郎が主体となっているが、吉岡安直の存在は感じられないから、この番組を製作してからか、本を出してからか、知らないが、吉岡安直中将の遺族と接触したのだろう。