紙の本
常識を疑え
2016/12/06 11:09
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投稿者:しろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
業績が良いと、投資資源がたくさんあるから、新規事業に進出する。不況になると「選択と集中」でコア事業に投資する。しかしそれは間違っており、不況こそ、生き残るために、好調時には見向きもされていなかった顧客や分野が鍵となるという。
また、大成功を収めた経営者は、単に幸運に過ぎない場合もある。よく考えれば当たり前だが、これを経営者は自分の有能さのためだと考えてしまうという。
本書はこういった、世間の「常識」となっている物事の別の側面を"expose"するものである。背景には豊富な事例研究による統計データがある。「何となくみんなが思っていること」を、数字で真実を明らかにしていくのは、気持ちがよいものだ。
どちらかというとエピソード中心で、全体として流れやまとまりは乏しいが、それがリズムがあって読みやすくて良い。
電子書籍
わかりやすい でも深い
2016/11/09 22:37
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投稿者:Anna - この投稿者のレビュー一覧を見る
経営学においてはまだど素人の私。それでも長く続く/続かない企業 一気に利益をあげる企業/あげない企業 それぞれの特徴や長所短所など傾向について書かれており、勉強になりました。傾向においてだけではなく各企業のリーダーの気質の違い、それに伴う従業員のモチベーションの違い等… 心理に関する事も書かれており面白い。企業として、よりリーダーとして必要なモノが学べたと思います。
電子書籍
イマイチ伝わってこないです
2017/11/13 12:28
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投稿者:こぶーふ - この投稿者のレビュー一覧を見る
翻訳の問題か、内容が体系だっていないからか、イマイチピンとこない本でした。結局のところ、じゃあどうしたらいいというのが、よくわからない本でした。まずは王道の経営学の本を読んだうえで、さらりと読んでみるのがこの本はいいのかもしれません。
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『ヤバい経営学』というタイトルだけれども『ヤバい経済学』とはあまり関係ない。こういうのはビジネス上はありなんだけれどもあまり好きではない。
本書は最後のエピソードに、「裸の王様がいる!」ということだということだ。定説というものを必ずしもそうではないよ、ということで、あまり毒はない。人気があるちょっとした皮肉の効いたブログがきっかけになったらしいが、よくわかる。
例を挙げると、M&Aは大抵失敗する、成功企業がコアビジネスに集中しているのは原因ではなく結果だ、研究開発を持つ利点は他社のまねをしやすくなることだ、長期的な戦略に固執しすぎるな、昔と比べて変化が早くなったわけではない、イノベーションを起こそうとするな、決定しないことがいいこともある、組織改正は目的がなくてもひんぱんにやるとよい、給与格差は業績に悪影響がある、などなど。なぜ、そうかは本を読めばわかる。別に難しいことは何も言っていない。
フレーミングコンテスト、選択バイアス、時間圧縮の不経済、などなるほどねと思うコンセプトもある。
ルイ・パスツールの「幸運は準備しているものに訪れる」(Chance favors prepared mind)を好きな言葉として挙げている。この言葉は自分も好きな言葉だ。そこだけで好感をもてた。
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内容は多岐にわたる。常識と思われている視点について疑問を提示する、あるいは異論を唱え異なるファクトを提示する、など。よく見かける「常識を疑え」にあるような事柄だったりもするが、様々な事例を交えてわかり易く語られているので、楽しんで読める。
この本を読めば、「利益は向上し、成長路線を歩めるようになる経営の指南書」ということにはならないが、巷にあふれているメディアにもてはやされている人による「俺はこのようにして成功した、だからこのようにすべきだ」という、一見分かりやすい(ある意味一辺倒な)本とは違い、自ら考えるキッカケになる一冊だと思う。
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楽しい読み物としても良かったが、色んな言葉を覚えた。
「最適弁別性理論」:他の人と多少なりとも違った個性を持とうとすること。
「時間圧縮の不経済」:努力や成長を短期間に詰め込むのは、それを長い期間にわたって行うよりも非効率であること。
「対応バイアス」:うまくいっていると、自分の手柄にする。うまくいかないと、他人のせいにすること。
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ビジネス書籍、雑誌、セミナー等でかまびすしく喧伝されている事柄、すなわちビジネスの”常識”が、本当に正しいのかどうかについて、タイトルの軽さに反して、学術的な研究を引用しつつ結構真面目に論じている。
主たるものは、
・企業戦略や意思決定が本当に重要なのか
・得意なものへの集中が本当によいのか
・企業買収は特定の経営者の趣味?
・スター経営者は本当に優秀なのか?
・経営者と取締役の関係
等である。
私自身は経営者ではなく、またビジネス書や雑誌もほとんど読まないが、それでも一般にビジネス界で正しいと言われていることと、実際の企業のデータで検証した結果との違い及びその理由は、組織人としては非常に興味深く面白かった。
ただ、後書きにも書いてあるように、この本を読んだからと言って、ビジネス書等の常識を覆すあるべき経営の姿がはっきり見えてくるかというとそういうものでもない。著者もそこまではデータを踏まえた論述はしていない。
そこら辺はやはりタイトルどおりの砕けた書籍ととらえて、本書で疑問が呈されている常識について、改め考え直すきっかけが得られれば位の気持ちで読むのが正解だと思う。
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翻訳タイトルは「ヤバい経済学」の二番煎じ。
内容は関係ない。
でも、けっこう面白かった。
-企業戦略の作成は、役に立たない。成功する戦略は偶然の産物であることが多い。
-成功の罠。過去の成功分野にこだわる会社はダメになるが、実は一番成功した会社は、成功した分野にこだわった会社だ。
-企業のサイズ、売上にこだわるべきではない。ほとんどの買収は、短期的にも長期的にも株価を下げている。
-スター経営者は、運が良かっただけの場合が多い。業績の良い経営者がやめると、会社の業績が下がることが多いが、それは、経営者が、自社の業績悪化を予見してやめるから。
-社外取締役は、経営者を監視できない。
-業績連動給は、経営者のリスク志向を強める。成功した会社はリスクを取った会社だが、リスクを取った会社が成功する割合が高いわけではない。リスクを取ると平均値からの乖離の度合いが強くなるだけ。
-人員削減は、中長期的に会社の業績を悪くする。
-はやりの経営手法は、実際には役に立たないことが多い。成功した会社の使った経営手法が優れているとは限らない。経営市場がそれほど効率的ではなく、運に左右される要素が大きいから。
-過去のノウハウへのアクセスが良すぎると、創造性がなくなる。
-成果を出せない研究開発部門も、他社のイノベーションを真似する必要が有る際には役に立っている。
-今のビジネスの変化が、過去より早くなっているわけではない。柔軟で、変化を受け入れることのできる組織を維持する必要がある。無駄に見える組織再編は、組織の硬直化を防ぐためには役に立つ。
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ヤバい経済学をはじめて読んだときと同じ衝撃度。ただし、経済学ヤバい(超おもしろい)とは違って、経営者ヤバい(間違いだらけ)、世に出回っている経営理論ヤバい(間違いだらけ)というところがミソ。
経営戦略ヤバい(役に立たない)、優良企業ヤバい(今がピークで後は落ちるだけ)、リストラヤバい(やると潰れる)、M&Aヤバい(ほとんど失敗)、カリスマ経営者ヤバい(ほとんど運の世界)、社内データベースヤバい(金太郎飴化が進んで差別化できない)、イノベーションヤバい(たいてい潰れる)、株主重視ヤバい(長期的には社員重視のほうが生き残るかも)、エトセトラエトセトラ。
本書を読み終えた人は声を大にして叫ぼう、「王様は裸だ!」
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なかなかおもしろい本でした。経営でみんな何となく思っているが口にされないことなどが言語化され、分析された上で掲載されており、爽やかな読後感さえあります。
<メモ>
・戦略の中の数字は意思決定の材料にはなるが、真実の全てではない。数字は作ることができる。数字は脇におき、あなた自身の感覚と判断をうまく使わないといけない
・お金で買う事ができず、生み出すために多くの時間と労力が必要となり、数字として見えずらいものが、他社との違いを生み出すことが多い。従業員のモラルや評判、企業文化など。見ることも測ることもできないものこそ、育て管理していかなければならない。
・最善の戦略とは全く期待もしていないところから生まれてくることもある。
よりよいアイデアはどこからともなくやってくる。
・業績不振のとき、どんなビジネスであっても、それだけで会社を支えていくには不十分なことが多い。生き延びるために様々な小さな収入源をもっていることが重要になる。様々な収益源を持つことは特定のビジネスへの依存を減らし、リスクを軽減する。調子が悪い会社は大企業との契約を追いかけたり、全く新しい製品や顧客を開拓するべきではない。多くの小規模の会社を狙うべき。たくさんの小さな企業からの売上を重視する戦略は企業の将来に向けた基盤を作ることになる。
・トップに立つ可能性が高い人は激しさや野心のある人。しかしながら、トラブルに巻き込みがちになってしまう。
・経営者が表彰されると、瞬間的に株価はあがるが、その後すぐに株価は下がり、結果的に表彰される前よりも低くなってしまう。期待値を高め過ぎてしまうため、マイナスに働いてしまう。皮肉なものだ。
・優れたリスク管理者は平均リターンが高い正規分布をもっている。ダメな管理者は平均リターンは低いが、分布曲線両端のテール部分が長い正規分布を持っている。このため、最もリターンが高くなるのは、だめなリスク管理者となる。
・アナリストに理解してもらえないと、どんな優れた戦略であっても、評価されず、低い株価になってしまう。ビジネス的には問題があっても、アナリストの気まぐれにつきあい、事業を一つに集中し、単純にした方が株価は高くなる。
・経営者がアナリストに恩を売ることは効果があるだろうか。答えはイエス。アナリストは仕事がしにくくなるため、若干の便宜をはかるようになる。
・高い報酬をもらっている取締役を選ぶことで社長の給料もあがりやすくなる。安月給の取締役が多いと社長の給料も安くなる。
・社外取締役が多いほど嘘も公開しやすくなる
・社内ノウハウを使うと、金太郎飴のようにおもしろみがなくなる。若手の場合のみ有効に働く。
・研究開発部門があることにより、他社のノウハウを流用できるようになる力がつく。
・ビジネスは霧の中で行われている。スピードを落とせばレースに負けるし走りすぎると崖におちる。まわりを走る競合他社をみつつ、適切に勝負をすることが重要
・本当に革新的になりたければ、お客さんのことは忘れなきゃいけない。
本当のイノベーションは顧客の嗜好を変え��こと。
・どう価値を作りだすかはよく考えられているが、なぜそうした価値を作り出せるのかというところは考えられていないことが多い。
・二つの会社の違いを消してしまうと、統合が意味のないものになる、相乗効果が生まれない。有効な違いをしっかりと見出し生かすことが重要。
・組織再編を行い、あちこち動かすのはやるべきこと。はじめは大変だが、コミュニケーションの再構成があり、いろんなところでブレイクスルーがおこりやすくなる。非公式なネットワークをつくったりすることも大事
・組織再編を行う理由 手遅れになる前に過度な権力の集中をとめること、変化に対する適応能力を高めること。
・時間が経つと会社は次第に硬直し、活力がなくなってくる。
・給与格差はやる気をそいでいる。
・2008年の金融危機の原因は職務の細分化と組織の専門化。そして、成功による盲目。
・CSRは企業収益には影響しない。
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しゃべり方というか、文体が軽快で読みやすくて面白かった。
書かれている内容は、普通に世間で言われていることを覆している感があるけど、ひらりんにとっては、「ああ、やっぱり」と妙に納得感があった。
現場で働く人間にとって肌で感じていることと、世の中で言われていることに、違いを感じたら放っておくのではなくて、その違いがなんなのかちゃんと拾って考えて調べて納得するという行動がいるのかなーと思いました。
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「よその成功事例のケーススタディなんかやっても、スタディしているうちにビジネスの環境は変わるからあまり使いものにはならない」ということを某社で健在の創業者社長が言っていたのを思い出した。
その意味ではビジネススクールの研究に裏打ちされた失敗事例集みたいな本。
経営者と経営学の研究者の関係は、芸術家と批評家の関係に似ている。
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イノベーションを起こす企業は早く死ぬ。ほとんど例外なくだ。本当に革新的になりたいのなら、お客さんのことは忘れなきゃいけない。
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とても良い本です。是非経営者の皆さんに読んでほしい。私も裸の王様にならぬよう、頑張らねば!
しかしこの題名はちょっと軽すぎるのでは、、
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「ヤバい経済学」の二番煎じかと思ったら、意外や意外、おもしろかったです。
日々のビジネスにおける素朴な疑問に目を向け、アカデミックな研究を紐解いて、目からうろこを落とさせる―――といったところでしょうか。常識と思っていることを疑ってかかり、別の視点で見ることの大切さを学びました。
タイトルに「経営学」とついていますが、一般生活者の日々の行動にも役に立つヒントがたくさんありました。なので、敢えて私の本棚では「経営・ビジネススキル」にこの本を納めないことにします。
表層的なことに流されるのは危険だ、と説いています。まさにその通りだと思います。