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紙の本
橋 (文春文庫)
著者 橋本 治 (著)
北国で二組の男女が所帯を持った。水商売の正子は年若い雄・義男に未来を託し、信用金庫勤めの直子は自分と同じ高卒の孝輔に将来を賭ける。高度経済成長の時代、勤勉な彼らの商売は軌...
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商品説明
北国で二組の男女が所帯を持った。水商売の正子は年若い雄・義男に未来を託し、信用金庫勤めの直子は自分と同じ高卒の孝輔に将来を賭ける。高度経済成長の時代、勤勉な彼らの商売は軌道に乗った。が、娘たち、雅美とちひろは、昭和の終焉と低迷の平成を、空虚な心を抱えて育っていく。人間と時代を容赦なく描ききった傑作長編。【「BOOK」データベースの商品解説】
日本海に面した雪深い地方で、高度成長期に青春を過ごした正子と直子。彼女たちの娘は停滞の時代に家庭を持ち、そして、2人はそれぞれ、静かに人生を転落してゆくのだった…。【「TRC MARC」の商品解説】
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誰にも起こり得た日常の 狂気の噴出
2015/04/04 22:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wayway - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなりクールなトーンで進む物語である。
少し陰鬱な影も漂っている感じがする。
しかしながら、その当時(親の世代も、子の世代も含めて)を
知っている世代でもあるせいか、すんなりとその時代のもつ独特の空気
なりも入ってくるので、昭和から平成へと移る時代において、何
かを失ってしまった日本という国ならではの物語なのだという感じがした。
このまま繁栄し続けると信じて疑いもしなかった日本という国の、
とある一片の話であるようで、実はそうではなく誰にも起こり得た日常の
狂気の噴出であったともいえるような物語だと思う。
実際の、殺人事件を2つ絡ませているだけに、妙にリアルな感じが
して、そこに目が行ってしまうが、著者の紡ぎだすこの物語におけるその
当時の醸し出す空気にあらためて息苦しくなりもし、圧倒されもする。
何とも言えぬ読後感を、著者作品ではいつも持たせてもらうのだが、
本作品でもやはり、それは変わらなかった。