芽むしり仔撃ち(新潮文庫)
著者 大江健三郎
絶望的な"閉ざされた"状況にあって、疎外された少年たちが築き上げる奇妙な連帯感。知的な抒情と劇的な展開に、監禁された状況下の人間存在という戦後的主題を鮮やかに定着させた長...
芽むしり仔撃ち(新潮文庫)
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
絶望的な"閉ざされた"状況にあって、疎外された少年たちが築き上げる奇妙な連帯感。知的な抒情と劇的な展開に、監禁された状況下の人間存在という戦後的主題を鮮やかに定着させた長編。ノーベル賞を受賞した大江健三郎の処女長編。
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
どこにも逃げられないのか
2001/02/18 20:54
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:55555 - この投稿者のレビュー一覧を見る
感化院の少年達が疫病の発生した村に閉じ込められる。大人達は村から逃げてゆく。逃げようとすれば見張りに撃たれる。その閉じ込められた村でやがて少年達は確執を繰りかえしながら希望を見出しそうになる。しかし、村に戻ってきた大人達に脅され次々と投降する仲間達。最後に残った主人公は投降を拒み、目の前の現実から逃げていく。竹槍で刺され腸が飛び出てもひとり逃げていく主人公。逃げるといってもいったい何処に逃げるのか。どこにも希望はない。
夢をみる少年達のための作家を抜け出したいという筆者の意図のもと、閉塞的な現実から抜け出せないでいる絶望的な人々を書いた傑作。