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商品説明
死体に足がめり込む感覚、強烈な不眠やうつ…。老いや近親者の死を契機に覚醒する戦争の記憶と、それが人間の精神に与える深刻な被害を、沖縄の病院に勤務した経験を持つ精神科医が綴る。【「TRC MARC」の商品解説】
死体に足がめり込む感覚がよみがえる…老いや近親者の死を契機に子どものころの忌まわしい記憶が60年の時を経てフラッシュバックし、強烈な不眠やうつ状態を引き起こす。戦争体験が人間の精神に与える深刻な被害を告発する。【商品解説】
目次
- 序章 脳のなかの戦争記憶は風化しない
- 1章 私と戦争
- 2章 トラウマ私論
- 3章 沖縄戦がもたらした社会と時代への影響
- 4章 「奇妙な不眠」からアウシュビッツの訪問まで
- 5章 沖縄線のトラウマによるストレス症候群
著者紹介
蟻塚 亮二
- 略歴
- 〈蟻塚亮二〉1947年生まれ。精神科医。2013年より福島県相馬市のメンタルクリニックなごみ院長。著書に「統合失調症とのつきあい方」などがある。
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紙の本
「記憶は風化しない」とは
2023/05/30 13:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「戦争の記憶は風化しない」という衝撃的な言葉から始まる。
歳月をへて戦争体験者がどんどん世を去り、「新しい戦前」という言葉も話題になる昨今、「戦争の記憶の風化」は大きな問題として、多くの人が認識していよう。
ところが、沖縄で診療経験のある精神科医の著者は、「(戦争の記憶は)戦争体験者の脳に刻み込まれ、そのトラウマ(心的外傷)はさらに世代間伝達を通じて戦争体験の第二世代、第三世代へと影響は伝わる」と記す。トラウマという医学的生物学的な「記憶」は消えない、とも述べている。
トラウマ、PTSDの定義は専門家の間でも揺れがあるようで、病名をつけるのは難しいのかもしれないが、忙しい日常にかまけ、「寝たふり」をしていた戦争の恐怖の記憶が実生活の変化や激しい衝撃によって表面化するというのは、素人的にも理解できる。
非常に興味深く読んだ。
紙の本
沖縄の心の傷は深い
2019/05/26 09:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
『沖縄戦と心の傷 トラウマ診療の現場から』は、蟻塚亮二という精神科のお医者さんの本です。
沖縄戦によるPTSDの現状を医学の立場から語りつつ、
「第二次大戦の影響を深刻に議論しない日本社会は、トラウマが生じている社会的政治的な文脈を意識しない国民なのである。」
「そもそも国民の精神を「人を殺すこと」に総動員する戦時体制そのものが、国家的なレベルでの異常な集団体験である。」などと社会的な発言もあるところが、この本の骨格がしっかりしているゆえんです。