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商品説明
明治2年に誕生した華族の中でも、天皇に近い存在だった「公家華族」。その多くは天皇とともに東京へ移ったが、京都に残った公家たちもいた。困窮しつつも公家文化の伝統を残そうと奔走した姿を描き、華族の役割を考える。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 京都公家華族とはなにか―プロローグ/京都に残る公家華族(京都外出に対する賛否両論/時勢の変化と特権の喪失/京都公家華族の存在)/四民の上に立つ道程(華族会館分局の講習会/有爵者の役割)/困窮する公家華族(京都公家華族の負債/岩倉具視の救済措置/奈良華族の負債問題)/東西両京を往復する公家華族(帝国議会に登院する準備/貴族院議員久世通章の活動/旧堂上華族恵恤金と三曜会)/社会を騒がす公家華族(不祥事の顕在化/骨肉の争い梅園事件/増加する不祥事)/大正・昭和の京都公家華族―エピローグ
著者紹介
刑部 芳則
- 略歴
- 〈刑部芳則〉1977年東京生まれ。中央大学大学院文学研究科博士課程修了学位取得。日本大学商学部准教授。博士(史学)。著書に「洋服・散髪・脱刀」「明治国家の服制と華族」がある。
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紙の本
つぶさによく調査された内容です。
2019/08/31 23:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ときわ木 - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京に国の中心が移った後、京都に残った公家華族は、和歌の家の冷泉家くらいしか思い浮かびませんでしたが、それ以外にも意外とあったこと、困窮する家も多い中、東京と京都の往復をして京都振興につくした華族の話など、興味深く読ませていただきました。
紙の本
京都に残った公家たち
2021/07/03 18:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治時代、華族となった公家は東京へと移り、公職につくものも多かった。しかし、本書では、そんな中でも京都に残った公家たちについて取り扱っている。
京都に残った理由は様々だが、官庁もなく、代々家に伝わった伝統も廃止されていくなかで、公家たちは貴族院議員として国政に関わるべく、研鑽を積んでいく。
しかしそれでも先立つものの不足から様々な困難が起こり、中には不祥事になるものもあるが、詳しくは本書にまとめられている。
華族は天皇に写真を納めるよう命ぜられていたようで、その写真がところどころ挿入されていて、当事者の人間性が分かるようで、とても面白い。
紙の本
時々聴く京都ジョークとして
2021/07/06 21:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:WAST - この投稿者のレビュー一覧を見る
「天皇陛下は東京には御幸なさっているだけ、いつかは京都に帰ってらっしゃる」
というのがありますが
マジでそう考えてしまったのか、京都に残留された堂上華族のあれこれを紹介した一冊です。
やはり日本の中心が東京に移るに連れ、京都残留公家は経済的には困窮してしまうのはやむをやぬところ。
ところが困窮度では上をいく奈良華族(廃仏毀釈で還俗した公家の子弟。維新時の官位等で俸禄が決まってしまうので僧侶だった彼らには非常に厳しい計算結果となります)には平民の私でさえ涙を禁じえません。