紙の本
「痕跡」から前の読み手を想像する新しい読みかた
2015/10/01 22:44
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投稿者:朝に道を聞かば夕に死すとも。かなり。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
古本屋さんなんかでたまに見かけるメモ的な落書きは、読み手にしたらノイズであることがありますが、本に前の持ち主の「ツッコミ」とか妄想をかきたてられる事って、あるでしょ?
ってのを集めた本です。前の読み手のカスタマイズの「味」があって、本を読んでいると脊髄反射で本にツッコミ入れる熱量高い書き込みなんか見ていると、SNSのない時代からこういうのってあったんだ!って気づきます。
ちなみに私、ブックオフで手術の同意書(しかも英文)が本に挟まっていたことがあるんですよ。それ見た瞬間に「なんか見つけてしまって、すんまっせんでしたぁぁ!」って気分になったんですが、何?あのこっちが悪い的雰囲気。こんな「見ちゃったよ、オイ!」って気分も本では分析してくれます。
本そのものではなく、こんな本への入り口は邪道かもしれませんが、そこまで膨らますか?盛るか?ってくらい著者の思いは続きます。この著者は人を愛してるんだなぁって思える一冊です。
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投稿者:南斗勉太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
写真がカラーじゃないのが残念ですが、痕跡本いいです。著者の妄想も面白い。古本ならではの楽しみ方。
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投稿者:ナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
古本に残った落書きを考察している。かなり無理がある解釈もいくつかあるが、むしろそのくらい飛躍したストーリーを楽しむのが面白い。
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
古書や、他人の日記を読むのに抵抗がない人向け。痕跡というだけあって、本に書かれた落書きのようなものもあったりするので……
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私同様、古書でたまに見かける書き込みや傍線を、一つの情報として楽しめる人なら、「あぁ、それってあるある!」と、共感出来ること請け合い。
特に興味を引いたのは、第4章の"読んでない本大賞"の件。誰かにとって、手を触れることすら出来なかった人の存在が、一生の思い出となりうるように、読むことのなかった本が、持ち主に与える思いの何と深いことかと。
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痕跡本という言葉をこの本で初めて知りました。古本ではないのですが、図書館で借りた本の間に小さなメモが挟まっていたりすることはあって、前に借りた人が残したのだろうか?とか考えると面白いことがあるわけですが、この本は古本の中から、そういう前に手にしていた人の残した「痕跡」をみつけ、色々と妄想を膨らませることの面白さを取り上げてます。一番最初のエピソードで思い切りこの本のテーマ、「痕跡本」の世界に引きずり込まれました。あっという間に読みきりそうです(本当か?)
あっという間に読みきりました…面白かったです。この面白さはやっぱり自分で痕跡を見つけて痕跡の語るストーリーを妄想することに寄って増幅されるものだと思います。ぜひ、痕跡本を楽しみたいと思います…本を買うときは古本屋さんへ!いい古本屋さんと出会えることを祈ります( ´ ▽ ` )ノ
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図書館で借りた。笑った。
特に、おもしろいのが『平和の政治学』をめぐる、その痕跡をたどる旅。
1968年。政治の季節。
岩波新書の表紙に、政治的な内容の書き出しで始まる文章が書かれている。
政治的で知的な内容なのだが、途中から統合失調症の患者の言葉ような、ヘンテコな文章へと転調してゆく。
しかも、そこには、苗字も名前も書き込まれている。
それから何十年もたったある日、著者の手元にこの本があり、気になってその名前をネットで検索してみると、その人は、早稲田大学の経営システム研究の教授、早稲田大学IT戦略研究所の所長、という地位になっていた。
痕跡本マニアの著者にはポリシーがあり、
それは
①痕跡を残した持ち主に敬意をもって読む
②前の持ち主は探さない
なのだが、思わず、取材で、本人に会ってしまう。
そして・・・
<ここから、ネタバラシ注意!!!!>
その本は・・・・・誰かに届けようとして書かれながら、結局、誰にも出されなかった手紙のような経緯をたどっていた。
教授の研究室で本を受け取る写真が載ってるんだけど、なんとも言えないヘンな空気が漂ってて笑った。
痕跡本の発想って、非常にマニアックな世界だよね。
赤瀬川源平師匠の、路上の役に立たないオブジェを発見して楽しむ活動とか、古いカメラで茶道みたいなことをして遊ぶとか、みうらじゅんのマニアックなコレクションとか、そういうノリに近い。
たしかに、本の中に他人が残した痕跡を見つけて、あれこれ想像してみることは、ある。
オレは、いつも図書館で借りて本読んでるから。
記憶に新しいのは、
図書館で借りた
『ロスチャイルド 200年の栄光と挫折/副島隆彦』
という本。
この本には、笑ってしまうくらい誤字脱字や間違いがイッパイあるんだけど、それを、ひとつひとつ、細かくチェックして、正しい言葉や漢字や年代が書き添えられていた。
誰がやったのか分からない。
間違いが絶対に許せない性格の人が読んだ痕跡だろうか?
これには、感心した。
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古本の中の書き込みは想像力が掻き立てられて面白いと以前から思っていて、それをたくさん紹介している本なので面白いかなと思って買ったけれども、著者が紹介しつつその書き込みのストーリーを妄想しまくっている本で、途中で読みたくなくなった。村上春樹とか少しばかり知っている人の妄想なら興味を持てたのかもしれないけれども、全く知らない人の妄想って読むと不快なんだな、という新しい発見があった。その妄想がそれほど読み応えのある世界じゃなかったからというのもあるのかもしれない。
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時代が色濃く残る痕跡から、上下巻をまとめてしまう人。感想、絵日記等の書き込みから本をカスタマイズしてしまった例まで様々な本が紹介されています。
正直著者の妄想にはついていけない瞬間もありましたが、面白かったです。
書き込みが苦手なので、痕跡本を買おうとまでは思いませんが、図書館や古書店で違う楽しみが見つかるかもしれない一冊でした。
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痕跡本の本ですが、これは「痕跡本のすすめ」の続編になるのでしょうか。そちらはまだ読んでいないので、入門編としては、すすめのほうを先に読んだ方がいいのかもしれません。
著者は愛知の方ということで親しみがわきます。
面白い!のですが、じゃあ自分も探してみようとは思わない点で、自分にとって海外自転車旅本と同じジャンルに入るのかもしれない…本によって体験する世界です。
個人的には、「読んでない本大賞」がおもしろそう。
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古本には前の持ち主の痕跡が残されていることがある。気になった
箇所への線引きだったり、メモや手紙が挟み込まれていたり、蔵書
印が押されていたり。
我が家にもそんな本が何冊かある。栞代わりにしたのか、遠く北海道
の新刊書店のレシートが挟まったままの本がある。「あなたは私か」
と思うくらい、線引きされた文章に共感した本がある。誤字・脱字に
訂正を入れた、まるで校正刷りのような本がある。
そんな痕跡本のコレクションを紹介しているのが本書だ。著者は
愛知県にある古本屋店主。古本屋という商売柄、さまざまな痕跡
本が集まるのだろうし、著者が友人・知人から譲られた痕跡本も
ある。
線引き本なんて当たり前。全10巻の『アンデルセン童話』には
ラブレターと思しき手紙が挟み込まれ、クイズの本には全問に
解党が書き込まれ、メモ代わりに使われた本には電話番号が
書き込まれている。
本に残された痕跡から背景に何があったのかを著者は妄想する。
妄想は私の大好きだが、「ここまで書いちゃったら本書の読み手が
妄想できないじゃん」と感じるくらいにやり過ぎの部分があるのが
玉に瑕かな。
学術書など一部の本を除けば書き込みのある本って古本屋の
商売としては厄介者だと思うんだよね。それを楽しんでしまう著者の
遊び心というか妄想力には共感する。
本書に紹介されている痕跡本の中でも謎でありちょっと怖いのは
一部がホチキスで閉じられている痕跡本だ。そこまでして数ページ
を封印したかった、どんな強い思いがあったんだろうか。
著者の妄想の行き過ぎは気になるものの、見知らぬ人の痕跡を
想像する楽しみも古本にはあるんだなと感じた。
だからって、わざわざ痕跡本を探して購入しようとは思わないけれど。
だって、メモ書きや線引きがあまりいも多いとそちが気になって本文
に集中できないのだもの。
尚、私が所持している痕跡本で一番困ったのは、とある推理小説。
登場人物紹介のページで犯人と思しき人物の名前に何重もの丸印
がついているのだ。購入して数年経つが未だ読む気力が湧かない。
おまけ。本書の文章の中で線引き本の線を「アンダーライン」って
書いているんだ。でも、一部を除いて日本の書籍は右開き・縦書き。
「傍線」って書いて欲しかったな。「アンダーライン」と書かれている
箇所に来ると、縦書きの文章の言葉ひとつひとつの下に線が引いて
あるのを想像してしまった。
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有吉マツコの怒り新党での特集を見て
とても興味を持っていた痕跡本の世界。
今回、本書を読もうと思ったのは実際に自分が
印象的な痕跡本と出会ってしまったから。
中古で買ったナオトインティライミの
「旅歌ダイアリー」がそれだった。
それまでにも文に線が引かれていたり、
レシートが挟まっていたり、
著者のサインが書いてあったりと、
度々、痕跡本に出会うことはあった。
けど、今回は運命的なものを感じてしまった。
「旅歌ダイアリー」を購入したきっかけは
映画版の第2弾を見たからだ。
書籍ではどんな風に旅が書かれているのか
読もうと思って2作目のものと一緒に1作目も買った。
その1作目の中に映画の半券が入っていて、
それは『旅歌ダイアリー』第1弾の映画のものだった。
その半券には手書きの花の絵に挟まれて
「初ひとり映画」と書かれていた。
字体や花の絵から女性だと思う。
しかも一般料金で1800円を払っていて、
火曜日の16:10の回を見ている。
きっとこの人は大学生になってから
人生で初めてひとりで映画を見に来たのだと思う。
しかも場所は大阪のなんば。
実は、この本を買う少し前に大阪まで
ヒッチハイクでひとり旅をしていたので
そこの偶然にも衝撃を受けた。
正直、手放しづらくなってしまった
この本を、近々名古屋に行く予定もあるので
時間があれば筆者に見ていただきたいと思っている。
本書の中では筆者の妄想だけれども
なんとなく根拠のある推理がおもしろくて
どんどん読めてしまった。
石田ゆうすけ氏の『行かずに死ねるか!』は
好きな本だから、その痕跡のエピソードは
特に引き込まれた。
痕跡がなくても魅力的な本が紹介されているから
いくつか読んでみたくなる。
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古本に残された痕跡(書き込みや落書き、挟まれたメモなど)について、著者なりに妄想を膨らませて推測をする……といった内容の本。
単純に痕跡本を紹介する方が面白いかも。下手な妄想を挟むことで白けてしまうような気がする。
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痕跡本(古本などに時々ある、本に書き込みやメモが挟まった本のこと)に関して、著者の古沢和宏さんがこれまでに出会った「物語」のある痕跡本を解説した一冊。自分はオークションや古本屋で買った本に書き込みがあった際には「やってしまった感」があるタイプだが、古沢さんはそこに「面白さ」を見出している。さまざまな痕跡本が紹介されている中でも、他人の名前が書いてある古本があり、名前をネット検索したら出てきて、その人に実際に会いに行くというドラマチックな展開もあり、非常に面白かった。
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一気に読んだ
面白かった
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