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水車小屋攻撃 他七篇 (岩波文庫)
自然主義を提唱した長篇作家として知られるゾラ(1840‐1902)は、短篇小説の名手でもあった。戦争の愚劣さを、田園風景のなかで展開する牧歌的な恋と対比させることによって...
水車小屋攻撃 他七篇 (岩波文庫)
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商品説明
自然主義を提唱した長篇作家として知られるゾラ(1840‐1902)は、短篇小説の名手でもあった。戦争の愚劣さを、田園風景のなかで展開する牧歌的な恋と対比させることによって浮き彫りにした表題作のほか、人生の諸相を、ときに悲しく、ときにユーモラスに、多様に描いた七篇を収録。ゾラのあたらしい魅力に出会える一冊。【「BOOK」データベースの商品解説】
自然主義を提唱した長篇作家として知られるゾラは、短篇小説の名手でもあった。表題作など、人生の諸相を、ときに悲しく、ときにユーモラスに、多様に描いた全8篇を収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
水車小屋攻撃 | 5−69 | |
---|---|---|
小さな村 | 70−76 | |
シャーブル氏の貝 | 77−144 |
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紙の本
真実を解明します、科学の力で
2021/05/22 11:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る
「水車小屋攻撃」「小さな村」普仏戦争において激戦地となったフランスの小さな村があり、一度はドイツ軍が占拠するが、その後兵力を立て直したフランス軍が奪還する。そのわずか一両日の時間の中での、村の住民たちの悲劇が描かれる。そこには敵味方を問わず、軍人の論理と、一般人の生活感の落差の甚だしさが強烈な印象となっている。古い木造の水車小屋と水車が、砲撃によって少しづつ壊れていく様子が実に生々しく描かれ、平和な農村と戦争の対比を象徴している。
「シャーブル氏の貝」これはお色気コント。読みながらコキュなる主人公に「うしろー!」じゃないけど叫びたくなる、それでいて嗜虐的な喜びも誘う。ブルターニュのおおらかな村と海の描写が、そんなの大したことじゃないと言っているようでもある。
「ジャック・ダムール」パリ・コミューンの混乱で平穏な暮らしを失った平凡な男の遍歴。くさりながら、恨みながら、ふて腐れながら、浮いたり沈んだりして生きていく。
「一夜の愛のために」妄執の愛のために破滅に突き進む青年。こういう話も悲劇としてあるのかもしれないと思うが、正直のところ理解というか、共感はできない。妄執と妄執のぶつかり合いのようでもあり、ものすごく追い詰められたか抑圧された人たちなのか、あるいはパリの夜の闇が彼らをそうさせているのか。
「アンジェリーヌ」怪奇小説風の展開なのではあるが、オチがあるようで、ないようで、よくわからなかったんだけど、すごくいい話ではある。
全体に、結構俗っぽいところを狙って書いてるところもありますね。
木々の色や形、石や岩の種類、そういったものを具体的に描写することで、何か真理や人間の内面が伝えられるのかといえば、それらもまた心象風景の一部であるのだから、必ずそういう効果があると思う。太陽や、夜の暗さや、風や雨についてもなおさら。TVで沢口靖子さんが言ってる「科学の力で真実を明らかにしてみせます」という台詞は伊達ではないのだ。だから、服や靴の汚れ、日焼けや何やらから真実を推理してしまうシャーロック・ホームズの手法も、この延長上にあるのではないかと思うのだが、残念ながらそういう珍説は聞いたことがない。ゼッタイつながってると思うんだけどなー。
紙の本
ゾラの短編集
2018/05/04 22:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
どちらかというと明らかに長編作家に属するゾラの短編を集めた好企画。『水車小屋攻撃』は普仏戦争を材にとった中篇で、『シャーブル氏の貝』は寝取られ亭主を皮肉に描いた不倫もの。『一夜の愛のために』はホラーのような強烈な短篇。『アンジュリーヌ』『ジャック・ダムール』も気に入った作品で他にも外れがなかった。おもしろかった。