紙の本
戦国時代の一番長い日。
2016/02/12 19:38
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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
このシリーズを読んだのはこれが初めてだったが、面白い。
光秀、蘭丸、家康側の視点からの作品は予想していたが、博多商人の島井宗室の視点から描いた「宗室の器」には驚いた。
関ヶ原や川中島も読んでみたい。
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今までのシリーズが合戦に関わった各武将たちの視点から描くという連作集であり、合戦に至るまでの防諜戦という観点で短編であるがゆえに各作家の自由な発想で描かれた話が心地よかった。本作は合戦ではなく、変であるが故に、戦いというよりもミステリー的なフーダニットという点でより自由な発想で書かれており、他のシリーズとは趣がことなるものの、これはこれでよかった。
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このシリーズは好きだが、やはり「関ヶ原」を超えることはないなぁ、というのが最初の感想。
関ヶ原や大阪城は決戦!という感じがするけれど、本能寺は「変」だけあって、合戦のイメージではないからか……。
要するに「信長を討つ側」の話ばかりだったのが残念。
もちろんそれぞれの著者が切り口を工夫していて、各主人公の人物造形、信長との関係などを味わいつつ読めた。
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決戦シリーズ第三弾。
本能寺を描く小説はたくさんあるから、やや食傷気味ではある。主人公も黒幕(真相として扱われる内容)も違うし短編だから読みきれた。
ラストの光秀の話が一番しっくりきた。
伊東潤「覇王の血」織田信房。武田に人質になってた彼。
矢野隆「焔の首級」森乱丸。
天野純希「宗室の器」島井宗室。
宮本昌孝「水魚の心」徳川家康。
木下昌輝「幽斎の悪采」細川幽斎。
葉室麟「鷹、翔ける」斉藤利三。
冲方丁「純白き鬼札」明智光秀。
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本能寺の変にどう関わったか。
戦ではなく突然の変。
それぞれの武将の思いはいかなるものだったのか。
それを楽しませてもらった。
個人的には、出身地美濃の話に思いが熱くなった。
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大好きな伊東さんが旗振り役となっている「決戦!」シリーズ。
「関ケ原」、「大阪の陣」に続く第3弾がこの「本能寺」です。
戦国時代最大のミステリーの1つ「本能寺の変」を題材に
信長、光秀という当事者だけではなく、色々な視点で書かれ
色々な黒幕が出てくる、しかもそれぞれ書いている作家が違うという
歴史好きにはたまらない一冊です。
それでもやはり伊東潤さんが書いた「織田信房」が一番自分は惹かれました。
甲斐武田へ人質に出されて信長の五男。
武田毛衰退後に織田家に戻り、長男信忠の側近となった人物ですが
まさか彼を変の黒幕に設定するとは・・・・この奇想天外な発想
それでいて「あり得るかも」と思わせる説得力のあるストーリー展開。
史実をしっかりとひも解いて描いた話だけに、読んでいても
自分の鼓動が高鳴るのを感じます。
時間を忘れて半日ほどむさぼり読んだ一冊です。
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決戦!関ケ原、大阪城につぐ第三段。最も期待していただけに、残念です。ブクログレビューの平均も関ケ原3.57、大阪城3.37、本能寺3.25となっています。個人的な評価は関ケ原5、大阪城3、本能寺2となります。今回の評価の基準は、当時は織田信長の評価筆頭であった光秀の謀反理由を1.秀吉が惟任退治記でとってつけた旧態依然の怨念説から脱却して斬新さがあるか2.猜疑心の強い信長が光秀の京への進行をなぜ許したのか3.説得力があり読んで面白いかの3点で評価したいと思います。
覇王の血(織田信房)伊東潤 評価1
信長が武田に人質としていた実子の信房を黒幕としています。光秀の怨念とダブルというわけですが、全く説得力がありません。謀略成功のポイントは本能寺から妙覚寺への信房の移動ですが、光秀軍の攻囲の中で奇跡的に成功しています。また信長は家臣の恨みをわざと増長していたとのことですが、あっけなく死んではなにも残りません。
焔の首級(森乱丸) 矢野隆 評価0
乱丸は本能寺の最後の戦闘で快感を得たとの話。このシリーズに乗せる意味がわかりません。
宗室の器(鳥居宗室)天野純希 評価2
主役を博多商人の鳥居宗室として、信長の天下に危惧を持ち、信長を殺そうと思う。しかし肝心な光秀の動機がかすんでいるが、最後に黒幕として千宗易や秀吉の陰が見えるところは面白い。
水魚の心(徳川家康)宮本昌孝 評価3
家康の人質時代からの信長との心情を物語っていて面白い。また伊賀越えの際、穴山梅雪を家康が謀殺するところも説得力がある。しかし本能寺の変のスピンオフに終わってしまった。
幽斎の悪采(細川幽斎)木下昌輝 評価4
本作でもっとも魅力的。細川幽斎の黒幕。光秀もそうとう悪にしあがっていて、斬新です。
鷹、翔ける(斉藤利三)葉室麟 評価3
美濃守護代斉藤氏の末裔、斉藤利三の物語。光秀の筆頭家老で、乱の首謀者。光秀の陰が薄いのが残念。余談ですが丹波平定戦の後、黒井城をまかされたに利三の娘が城で生まれ、後に三大将軍家光の乳母春日局となる。裏があるはずですが?
純白き鬼札(明智光秀)冲方丁 評価4
主役の光秀の登場。美濃から越前に逃げ延びた光秀の朝倉時代が斬新。光秀は叡山焼き討ち等、信長の意向をもっとも良く実行した忠臣であった。動機は怨恨では無く、信長の将来構想にたいする不満。
結果1+0+2+3+4+3+4=平均 2.4
前半3作の人選ミスではないか。本能寺を謀略戦とすれば、やはり豊臣秀吉を欠いているのは失敗。他に細川幽斎と共に、光秀の与力大名であった筒井順慶や、変直後に大坂で殺された大溝城の城主であった織田信澄も面白い。
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シリーズ第3弾。今回でシリーズ引退を宣言している伊東潤さんがトップバッターでかっ飛ばしてくれている。織田信長の五男・信房(勝長)を主人公にした「覇王の血」。他の執筆者が光秀や家康、乱丸などを主人公にしているのに比べて、今回もまたマイナーな武将に光を当てている。こんな人物が歴史に埋もれていたのかと何やら掘り出し物に巡り合えたようで嬉しい。「王になろうとした男」の彌介を登場させているところも抜け目ない。
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本能寺は、明確な対立構造ではないので、これまでのシリーズのような決戦という感じがしない。
それもあって、どの作品も主人公の内面を掘り下げて描かれている印象を受けた。
なので、どうもわくわくはしない。
どれも重たい。
そして、関ヶ原や大坂の陣と違って、本能寺の変自体に物語はないということがよくわかる。
一瞬の「出来事」でしかないのだ。
そこに至る道、その後の道にこそ、うねりがあるということかな。
光秀を描いた冲方丁が良かった。こうだったのなら納得するな。
そして葉室麟、短い作品なのに印象に残る。
結局好きな作家は、変わらない。
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様々な作家が、様々な武将を描くことで、本能寺の変をあぶり出していく。
「決戦!」シリーズ三作目。面白いんだけど、正直ちょっと飽きてきた。
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累計六万部突破!「決戦シリーズ」第三弾!!
戦国のいちばん長い夜――本能寺の変。
葉室麟(斎藤利三)
冲方丁(明智光秀)
伊東潤(織田信房)
宮本昌孝(徳川家康)
天野純希(島井宗室)
矢野隆(森乱丸)
木下昌輝(細川幽斎)
豪華メンバーがみたび集結!
乱世の英雄・織田信長を、討った男、守った男、そして、何もできなかった男たち――。
その瞬間には、戦国のすべてがある。
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作者の好き嫌いがあるから、やはり短編集あまり得意じゃないかな。冲方丁や葉室麟はサクサク読めたけど・・・。さすが冲方と思ったのは、光秀が信長を討つまでの心境の変化が無理がなく非常に納得できるものであったこと。さすがです!
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関ヶ原の戦いをさまざまな視点から複数の作者が描く。シリーズ第三弾。二弾に続き、意外な人物や出来事に焦点があてられており、改めて歴史というのは複数の視点から見ることのおもしろさ、重要性を考えさせられる。このシリーズはどこまで続くか。
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新聞の書評欄で紹介されていたので手にとってみました。「決戦!」シリーズになっているんですね。本書は「本能寺」を舞台に、“変”に関わった人物7名を7人の作家がそれぞれの視点で描いていきます。伊東潤(織田信房)・矢野隆(森乱丸)・天野純希(島井宗室)・宮本昌孝(徳川家康)・木下昌輝(細川幽斎)・葉室麟(斎藤利三)・冲方丁(明智光秀)といった具合です。
なかなか面白そうな企画だと期待して読んだのですが、かなり拍子抜けで私には全く合いませんでした。
歴史小説といえば、司馬遼太郎・海音寺潮五郎あたりの「古典的」なものをイメージしてしまう世代でもあるせいでしょうか、こういった超短編は、どの作品も如何せん中途半端な印象が拭えません。
ある程度のボリュームなら、そのストーリーの中で、自然と登場人物の出自やその他の人物との関りが語られていくのですが、本書のような短編になってしまうと、それらの背景や伏線がいきなりストレートに「説明」されてしまうのです。これでは、それぞれの作品が、歴史上のエピソードの解説文にちょっとしたオチがついたようなものになってしまうのも無理からぬことだと思います。
「豪華メンバーがみたび集結!乱世の英雄・織田信長を、討った男、守った男、そして、何もできなかった男たち――。その瞬間には、戦国のすべてがある。」という宣伝文が躍る本ですが、かなり?ですね。
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新選組が面白かったんで続けて手を出した決戦シリーズ本能寺、日本史上屈指のミステリーへ名うての作家陣がどのように斬り込んでゆくのか期待が膨らむ。
ややマニアックなきらいもあるが其々の拘りで描く信長、光秀の人物像は俄か仕込みの歴史通にも興味深い。
良かったのは冲方さんの「純白き鬼札」
謀反の動機が信長への過ぎたる忠義心という解釈はおこがましいも私の説に近かった…心酔していたのだよ光秀は。
そしてもう一編は木下さんの「幽斎の悪采」
宇喜多の捨て嫁でもそうだったがこの人の"そこから来るかー!"感は堪らなくゾクゾクさせてくれる、圧巻のラストに泡立つ心は殺せない