ウナギのいる川いない川 （ポプラサイエンスランド）

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投稿者：銀の皿　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

最初の文章は「みんなはウナギを食べたことがあるかな？」から。そういえば最近はどんどん値段も高くなり、食べる機会が少なくなっているウナギである。小学生ぐらいだと食べた経験がない、ということもあるかもしれない。ウナギを「おいしい！」ということが「記憶」だけになるのはつらい。まずは「ウナギはどんないきもので、なぜ今問題なのか」を知らなくては。

本書ではウナギの形や仲間についての基本的な生物学から最新の研究でわかったこと、昔からある漁法など、後半にいろいろなウナギに関する話が載っている。子供向けの装丁ではあるが「これだけ読めば良くわかる」的なまとめが良くできていて、大人が読んでいても楽しかった。写真絵本なので綺麗な写真も多い。
ちょっとおどろいたのは「飼育方法」まで書いてあること。もちろん「漁業権の問題」もあるので、とってくるのは注意が必要との但し書きはあるが、やってみたくなりそうだ。

様々な「減ってしまった生き物」について「環境が大事。環境をとりもどそう」という本はとても増えてきたと思う。でも、まずはこの辺から「なくなったら大変。どうしたらよいか」を考え始めることがいいのかもしれない。「どうやって共存するか」などの難しい問題が次にあることは忘れないようにして。