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紙の本
「おじぎ」の日本文化 (角川ソフィア文庫)
著者 神崎宣武 (著)
外国人にはいまだ奇妙に映る日本人の所作「おじぎ」は、いつの時代のどんな身体動作と背景から生まれたものなのか。立礼と座礼の成り立ちと変化、近代からの国民礼法など、日本人の日...
「おじぎ」の日本文化 (角川ソフィア文庫)
「おじぎ」の日本文化
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商品説明
外国人にはいまだ奇妙に映る日本人の所作「おじぎ」は、いつの時代のどんな身体動作と背景から生まれたものなのか。立礼と座礼の成り立ちと変化、近代からの国民礼法など、日本人の日本人たるゆえんの文化として解き明かす。【「TRC MARC」の商品解説】
何気ない身振りやしぐさにも、文化に根差した意味があるはず。
外国人にとってはいまだにやはり奇妙な動作にみえるという「おじぎ」。この「おじぎ」はどんな文化の脈絡ではじまり、いつどんな変容をおとげてきたのか。「三三九度」をはじめ、日本人のしぐさに根付いている習俗儀礼や日本文化について、民俗学的な解明を行ってきた著者による、目からウロコの「おじぎ」文化発見。
たとえば、時代劇の大名行列では「下に、下に」の掛け声とともに庶民は道端に額をつけて土下座して控えるシーンがみられるが、このような伏す姿は実際にはありえず、両膝を立てたウンチング・スタイルでつくばう、蹲踞とも片膝礼とも違う屈礼であった。しかし、こんな誤解はいったいどこから来たのか。
「型の日本文化」の代表例である、歌舞伎・相撲・柔道・茶道などで伝承される「おじぎ」の典型は座礼。この座礼の大元は真言密教の三礼(平伏・揖・釈)からきているとされ、神道儀礼の三礼(神前礼)も密教から派生したといわれ、のちの武家の礼法につながるという歴史をたどるが、では、いつ、どんな経緯でこのような礼法になったのか。
そのことを、古くは絵巻物や絵解きの絵画史料、近世では幕府の公的な礼法の記録、近代ではモース、シーボルトの記録や修身・しつけなどの学校教育、軍隊の礼法などから解明。そのなかから、「おじぎ」は人間関係という制度系だけではなく、じつは着物や建物などの装置系、とりわけ畳の普及とのかかわりがターニングポイントであったと解く。
たんなる挨拶や会釈ばかりではなく、「おじぎ」に込められた、日本文化との深い関係を鮮やかに読み解く。
●本書は今は亡き司馬遼太郎が、著者に執筆のテーマとして「おじぎ」を書くことを強くすすめたことが端緒になっている。【商品解説】
目次
- ■第一章 外国人がみた日本の「おじぎ」
- 『ラスト・サムライ』の印象的なシーン/アメリカ人にとって「おじぎ」は卑屈な姿勢か/「おじぎ」という意味/アメリカ人教師ファイラー氏がみた「おじぎ」/モースの日記『日本その日その日』と祭礼参加体験/神道作法の礼 ― 揖・拝・伏/オランダ人の「江戸参府」紀行記録/将軍拝謁のときの日本流の拝礼/郷に入れば郷にしたがうカピタン一行/フィッセルが記録した「おじぎ」/宣教師ルイス・フロイスがみた中世末の日本/座礼の九品礼と立礼二種
- ■第二章 古典・絵巻物から「おじぎ」を探る
- 『万葉集』にみる「おじぎ」の情景/跪拝と祈祷の場面/『源氏物語』のなかの「拝む」光景/『源氏物語絵巻』にもみられない「おじぎ」/『伴大納言絵詞』のなかの祈る姿/『年中行事絵巻』でも希薄な上下関係の礼法/天皇に対してもみられない拝礼/唯一の対人礼は笏を立てての「揖」/『一遍聖絵』のなかの神仏への「おじぎ」/『西行物語絵巻』『慕帰絵詞』などの跪拝姿/中世後期に地面上から屋内へと移る膝つき礼
- ■第三章 中世の武家礼法と「おじぎ」
- 古代中国の『礼記」にみる「礼」/『礼記』のなかの「拝」と「揖」/儒教における礼法の伝承/日本は非儒教の国か/真言密教における五体投地の「三礼」/修験道の得度における「三拝」/中世後期に成った武家礼法/伊勢流の伝書『武雑記』にみる「おじぎ」/『人唐記』『人賢記』にみる礼法三品
- ■第四章 畳と着物による近世の「おじぎ」変革
著者紹介
神崎宣武
- 略歴
- 1944生。民俗学者。旅の文化研究所所長、岡山県宇佐八幡神社宮司。著書に『酒の日本文化‐知っておきたいお酒の話』『しきたりの日本文化』『「旬」の日本文化』角川ソフィア文庫、『「まつり」の食文化』角川選書、『江戸の旅文化』岩波新書、『三三九度‐日本的契約の民俗誌』岩波現代文庫など多数。
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