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- カテゴリ:一般
- 発売日:2016/04/11
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/252p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-390434-4
紙の本
ままならないから私とあなた
著者 朝井 リョウ (著)
高校時代から発明家として脚光を浴びてきた薫。しかし、薫をずっと近くで見ていた雪子は、彼女があまりに効率を重んじることに疑問を感じ…。価値観を根底から揺さぶる2編を収録。『...
ままならないから私とあなた
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商品説明
高校時代から発明家として脚光を浴びてきた薫。しかし、薫をずっと近くで見ていた雪子は、彼女があまりに効率を重んじることに疑問を感じ…。価値観を根底から揺さぶる2編を収録。『オール讀物』『文學界』掲載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
先輩の結婚式で見かけた新婦友人の女性のことが気になっていた雄太。
しかしその後、偶然再会した彼女は、まったく別のプロフィールを名乗っていた。
不可解に思い、問い詰める雄太に彼女は、
結婚式には「レンタル友達」として出席していたことを明かす。 「レンタル世界」
成長するに従って、無駄なことを次々と切り捨ててく薫。
無駄なものにこそ、人のあたたかみが宿ると考える雪子。
幼いときから仲良しだった二人の価値観は、徐々に離れていき、
そして決定的に対立する瞬間が訪れる。 「ままならないから私とあなた」
正しいと思われていることは、本当に正しいのか。
読者の価値観を心地よく揺さぶる二篇。【商品解説】
収録作品一覧
レンタル世界 | 5−61 | |
---|---|---|
ままならないから私とあなた | 63−252 |
著者紹介
朝井 リョウ
- 略歴
- 〈朝井リョウ〉1989年生まれ。岐阜県出身。「桐島、部活やめるってよ」で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。「何者」で直木賞、「世界地図の下書き」で坪田譲治文学賞を受賞。
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書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年6月号より
書標(ほんのしるべ)さん
2つのまったく設定の異なる中篇小説だが、思い通りにならない人間関係のズレ、そして何とか克服しようとしてもうまくいかない現代社会の一片を巧妙に描いている。
「レンタル世界」は同僚の結婚式で、新婦の友人として出席していた女性に恋をする。ところが彼女はレンタル業として友人役で出席していた。そんな考え方は間違っていると本当の人間関係を見せようと信頼する先輩の家庭を2人で訪問するのだが。
嘘をつけばどこかでほころびがでるかもしれない。人は本音で付き合わなくてはならないが、複雑な今の社会、相手への思いやりで、または人間関係を潤滑にするため、こんな人間をレンタルするという会社も必要なのかもしれない。
「ままならないから私とあなた」は小学校からの大親友の2人の話。現実的でムダが嫌いな薫と正反対な雪子はなぜか気が合い、大人になっても友情が続いている。
黒板を消すのがむだだから、消す必要のないものを開発すればと思う薫に対して、消せないところを好きな渡辺君が消してくれたことを喜ぶ雪子。親友のため彼女が好きなアーティストのように弾ける物を発明したり、恋愛はムダだから結婚相手をアプリで見つけた薫の考え方に違和感を覚える雪子。だが小学校の淡い恋が実ってずっと付き合っている渡辺君とは決して順風満帆ではない。無駄が大切だともいえるが、余計な苦労をしないため割り切って生きる雪子の気持ちもわかる気がする。こちらの作品もどちらが正しいか答えがでない。
電子書籍
2作品
2016/12/20 14:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ユミル - この投稿者のレビュー一覧を見る
2作品それぞれで新しい視点を見せてくれました。少し怖さを感じます。新たな気持ち悪さ、気味の悪さを感じるのには一番だと思います。
紙の本
強者
2016/05/09 00:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
音楽の道を歩む感性に優れた女性。論理的な理系女。長期間にわたる2人の友情を通しての、バーチャルな音楽作りの物語。着想の面白さは本人によるものか、編集者のアイデアか。それはともかくとして、一皮むけた朝井氏があり、強者になったとの印象。音楽業界の小説は五木寛之氏の「演歌の竜」が最高峰だろうが、本作もそれに近づいている。しばしばドーナツが小道具として使われているが、氏の年代だけにドーナツ盤の連想するのはOVERか。表題作と「レンタル世界」が一体になっているのも頷ける。
紙の本
なんともいえない読後感
2018/07/06 09:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編『レンタル世界』…面白いですね!いずれこういう時代がくる、いやもう来てるのかな?と感じさせる話(^^)中編『ままならないから私とあなた』…幼い頃からの女性の友情、距離感を独特の構成で読みやすかったですが、えっ!これで終わりという感じで、まさにままならないでした(笑)続き書いてよ的な、何かモヤモヤ、すっきりしない読後感でした(^_^;)どちらの話も価値観、考え方が誰が正しいのか、自分は登場人物の誰に似ているんだと考えながら、何が正しく何が正解なのかわからなくなる話でしたね。