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紙の本
LGBTを読みとく クィア・スタディーズ入門 (ちくま新書)
著者 森山 至貴 (著)
LGBTを手掛かりとして、多様な性のあり方を知る方法を学ぶための一冊。多様な性とその捉え方について押さえておきたい知識を紹介し、クィア・スタディーズという、性の多様性を扱...
LGBTを読みとく クィア・スタディーズ入門 (ちくま新書)
LGBTを読みとく ──クィア・スタディーズ入門
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商品説明
LGBTを手掛かりとして、多様な性のあり方を知る方法を学ぶための一冊。多様な性とその捉え方について押さえておきたい知識を紹介し、クィア・スタディーズという、性の多様性を扱うための学問領域の基本と応用を解説する。【「TRC MARC」の商品解説】
最近よく見かける「LGBT」という言葉。メディアなどでも取り上げられ、この言葉からレズビアン、ゲイの当事者を思い浮かべる人も増えている。しかし、それはセクシュアルマイノリティのほんの一握りの姿に過ぎない。バイセクシュアルやトランスジェンダーについてはほとんど言及されず、それらの言葉ではくくることができない性のかたちがあることも見逃されている。「LGBT」を手掛かりとして、多様な性のありかたを知る方法を学ぶための一冊。【商品解説】
LGBTという概念だけでは、多様な性は取りこぼされ、マイノリティに対する差別もなくならない。正確な知識を得るための教科書。【本の内容】
目次
- はじめに第一章良心ではなく知識が必要な理由 「普通」という暴力/「良心」や 「道徳」ではなく、なぜ知識が必要か/無知を手放さない、という欺瞞/「LGBT」とまとめることの過ち/「良心的」であれば 「普通」を押しつけないのか/知ったかぶりの問題性/この程度まで知ってほしい基準 /蓄積の強みを活かす/多様な性について知ることの魅力第二章「LGBT」とは何を、誰を指しているのか同性愛への誤解を解く/「生物学的に正しくない」はどこが間違っているか/レズビアン・ゲイという表現/バイセクシュアルとは何か/トランスジェンダーとは何か/トランスセクシュアル・トランスジェンダー・トランスヴェスタイト/「LGBT」を理解することから漏れてしまうもの/歴史から学ぶべき第三章レズビアン/ゲイの歴史「同性愛」はいつうまれたか/同性愛はいかに問題にされてきたのか/社会に取り入るという戦略/ゲイ解放運動/「エス」から「レズビアン」へ/「男の絆」から「男性同性愛」へ/「同性愛(者)は大昔から存在した」論の間違い/本当に同性愛(者)だけの運動だったのか第四章トランスジェンダーの誤解をとくどこまでさかのぼればよいのか?/同性愛者゠トランスヴェスタイト?/トランスセクシュアルという概念/フェミニズムの負の反応/ゲイ解放運動の誤謬/トランスジェンダーの普及/日本のトランスジェンダー概念史/まだクィア・スタディーズ前史である第五章 クィア・スタディーズの誕生HIV/AIDSによってゲイが直面した問題/日本社会と HIV/AIDS/構造主義とポスト構造主義/デリダとフーコー/こうしてクィア・スタディーズは生まれた/クィア・スタディーズの視座/何がクィア・スタディーズに含まれるか第六章 五つの基本概念専門用語は役に立つ/言語は綻びによってこそ可能になる/「男らしさ」「女らしさ」もパフォーマティヴ/バトラーとクィア・スタディーズの重なり/「男同士の絆」を問題化する/ホモソーシャルが女性を介する意味/ホモフォビア→ヘテロセクシズム→ヘテロノーマティヴィティ/よき消費者である同性愛者/同性愛者とナショナリズムの関 /基礎編は終了第七章 日本社会をクィアに読みとく本当に「同性婚」は可能になったのか/セクシュアルマイノリティへの差別を許さず、かつ同性婚を支持しないという選択肢/同性婚は平等な制度なのか/結婚か生活上のニーズか/パートナーシップ制度それ自体の意義/性同一性障害を問いなおす/性別違和を使う/金とセクシュアルマイノリティ/ゲイとトランスジェンダーの格差第八章 「入門編」の先へ本書を振り返る/「けれども」を理解するために/「なんでもあり」ではなぜいけないのか/より深く知るために/「下ごしらえ」の重要性/軌道修正の能力・知ることの魅力読書案内おわりに参考文献
著者紹介
森山 至貴
- 略歴
- 〈森山至貴〉1982年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程単位取得退学。早稲田大学文学学術院専任講師。専門は社会学、クィア・スタディーズ。
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紙の本
広まりつつあるLGBTという概念。しかし、それだけでは多様な性は取りこぼされ、マイノリティに対する差別もなくならない。正確な知識を得るための一冊。
2017/08/29 20:04
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
クィア・スタディーズの専門家は日本にもたくさんいて、英語圏も入れると文献は本当にたくさんある。ただ、そもそもクィア・スタディーズの内容以前に、セクシュアルマイノリティについて全然知らない人が多い。まずはセクシュアルマイノリティについて、続いてクィア・スタディーズについても基本的なことが押さえられる本が欲しいと思っていた。この本はまさにその二枚の看板を掲げ、前半は準備編としてセクシュアルマイノリティについて、さらにクィア・スタディーズの基本的な発想や用語について後半で書くという構造。
LGBTはセクシュアルマイノリティの全てではないのに、そのことが忘れられて使われているし、LGBTそれぞれの間の差異についてもあまり考えられていない。たとえば、マーケティングやビジネスの分野ではLGBTの間の格差などを考えずにいろいろな人をひとまとめに指す用語になってしまっているところがある。そういうわけで、LGBTは取り扱い要注意の単語であることを読者の方にわかってほしい。
この『LGBTを読みとく』というタイトルは二種類に解釈でき、しかもその2つの解釈がこの本を読むことで読者の方にやってほしいことをそのまま表している。ひとつは、セクシュアルマイノリティについて何も知らない人に対して、LとかGとかBとかTが何を指していて、それぞれがどういう社会的な枠組みのもとに成り立ってきたのかとか、それぞれの人たちがどういう社会的な戦いをしてきたかとかについてしっかり理解する=「読みとく」ということ。それぞれがどういうものなのか、そしてLGBTがセクシュアルマイノリティの全てではない。もうひとつの意味は、今の「LGBT」現象を批判的に解釈する=「読みとく」ということ。とりあえずLGBTって言っておけばいいとか、この言葉を使うと何かものが売れるとか、そういう現象そのものに対する批判的視点を獲得してほしい。
つまり、『LGBTを読みとく』は、LGBTと言われているものの中身と、またみんながLGBTと言っている現象双方を理解し解釈するというダブルミーニングになっている。
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さよなら知ったかぶり
2018/10/11 14:31
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きり - この投稿者のレビュー一覧を見る
副題『クィア・スタディーズ入門』の文字をもっとでかくした方がいい。クィアは調べてみるも全然ピンとこなかったけど、この本の解説でだいぶ分かりやすく頭が整理された気がするし、知れば知るほど社会のあらゆるものごとに関わってくるからすごく面白い分野だと思う。
主題『LGBTを読みとく』も、これだけパッと見るとうーん今更〜と思っちゃいそうになったけど全然今更なことはなく、むしろ知らなかったことや勘違いしてたことも多くて知ったかぶり大変失礼いたしました!!!(土下座)な本だった。
そんな歴史的、分類的あれこれを見据えてクィアという学問なのだな。
個人的には、文脈違うかもしれんけど「カップルでいることで得をする社会ってどうなのか?」て問題提起がされてることにすごく勇気付けられた…(独身アラサーの悲しき焦りを開き直らせているだけかもしれないけど)でも考えたうえでひとりの方がいいわ〜ていう結論になる人も絶対一定数はいるはずでしょ?!?!
そういう、LGBTだけの問題にとどまらず、かなり直接的にわたしの問題として立ち上がってくる事柄もあって、ここに順応できないのはわたしの落ち度かなと思ってしまっていたことも実はそういうことでもないのでは?と思わせてくれたというのがとてもいい読書をしたなという感じでした。