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商品説明
斎藤隆夫、竹久夢二、山川菊栄…。最も精神の抑圧された、1930〜45年の「暗い時代」に、「精神の自由」を掲げて戦った9人の生の軌跡を、評伝の名手が描き出す。ウェブマガジン『あき地』連載に加筆し書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
大正末から戦争に向かうあの「暗い時代」を、翔けるように生きた9つの生の軌跡を、評伝の名手が描き出す!
〈満州事変勃発から太平洋戦争終結にいたるまでの、あの「暗い時代」。その時、人々は何を考えていたのか、どこが引き返せない岐路だったのだろうか。この本の中でわたしが書いたのは、最も精神の抑圧された、1930年から45年の「暗い時代」に、「精神の自由」を掲げて戦った人々のことである〉(本書まえがきより)
半藤一利さん、中島岳志さん絶賛!!
「ここに描かれている人々は、昭和史の悲劇の中でかがやくほのかな光である。本書は、困難な時代を生きる私たちを照らす灯火となることだろう」(半藤一利)
「時代に毅然と立ち向かった人たちは、いかなる人生を歩んだのか。危うい現代を生きるための必読書!」(中島岳志)
【目次】
第1章 斎藤隆夫 リベラルな保守主義者
第2章 山川菊栄 戦時中、鶉の卵を売って節は売らず
第3章 山本宣治 人生は短く、科学は長い
第4章 竹久夢二 アメリカで恐慌を、ベルリンでナチスの台頭を見た
第5章 九津見房子 戸惑いながら懸命に生きたミス・ソシアリスト
第6章 斎藤雷太郎と立野正一 「土曜日」の人々と京都の喫茶店フランソア
第7章 古在由重 ファシズムの嵐の中を航海した「唯物論研究」
第8章 西村伊作 終生のわがまま者にしてリベルタン【商品解説】
戦間期のファシズム下における戦時抵抗者たちの評伝集で、著者の代表作となる力作です。
山本宣治や山川菊栄、竹久夢二など、自らの信念を曲げずに希望の光を灯した9人を描き出します。【本の内容】
著者紹介
森 まゆみ
- 略歴
- 〈森まゆみ〉1954年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。作家。地域雑誌『谷中・根津・千駄木』の編集人を務めた。著書に「『青鞜』の冒険」「千駄木の漱石」など。
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紙の本
軍国主義に向かう時代
2021/11/04 21:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
思想の締め付けが最も厳しく窮屈で暗かった時代に、自らの思想を守って抗った人々の話。歴史の教科書に出るような著名人物ではなく、どちらかと言えば、その影に隠れて地味ながら、思想を貫いた反骨の人々だ。
本書の中には大逆事件や治安維持法、関東大震災など、まさに暗い時代を象徴する歴史的な出来事が登場する。一人ひとりの評伝のような形でありながら、取り上げられたそれぞれの人がつながったり絡み合ったりしていて、この時代が立体的に見えてくる。
印象に残ったのは、社会主義者であり、伊藤野枝らとも交流があった山川菊栄だ。平塚らいてうのライバルでもあった人で、戦後は初代婦人少年局長まで務めた。同じような思想を持ちながら他の女性たちと彼女と何がどう違ったのか、非常に興味が湧いた。
山川菊栄の章の最後に著者は彼女の言葉を引用している。
治安維持法によって進歩的な学者までも縛られた時代について、
「あの頃の日本、日夜悪夢にうなされていたような警察国家日本は、私たち国民にとっては自分の国でありながら自分の国ではなかった。国全体が牢獄のようだった。『物言えば唇寒し』安全に暮らすためには見ざる、聞かざる、言わざるに越すことはないというので、国民の多くはまことに卑屈な臆病な利己主義者になり、政治的無関心におちていって軍部ファッショを増長させ、太平洋戦争を防ぐだけの民主的勢力を育てることができなかった」
それを受け、著者はこう続けている。
「正確な反省だと思うが、同じ反省をしないですむようにしたい」と。
本当にその通りだと思った。