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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
対談かと思ったら生き物に関する対談で、子供から大人まで楽しめそうな内容!
楽しく学べるのは一番!楽しく読んで、また新たな知識を増やしていきたい!
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福岡伸一さんはフェルメールに造詣が深い生物学者でありテレビやツイッターでもお見かけしていたが、子供時代に触れるものの大切さや、生きていることは一体どういうことなのか、等々面白くて一気読みだった。
動的平衡という考え方は優しくいえば、身体は全て繋がっているということだが、動的平衡は絶え間なく働きながら困難を乗り越え新しい状態を作り出すという。だから薬を飲み続けるというのも本来の機能を回復させず、しまいには機能しなくなる。でも大変な病気になったらお医者さんの処方通りに薬は飲みたい。。
ドリトル先生やジョージオーウェルの話もでていて本当に楽しい対談だった。オススメ。
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神秘さや不思議さに目を見はる感性、センスオブワンダー。
子供の頃にそのセンスを体験した記憶を語り合うところから、話は生物学のこと、地球の歴史における人間の立ち位置、進化や遺伝、そして科学のことへと広がっていく。
顕微鏡以来のミクロな世界へ分け入る生物学は、生物の仕組みを解明したけれど、専門も細分化されて全体を見ることができなくなっていること。
生物の体は絶え間なく入れ替わり動いているのに、全体のバランスは保たれているという「動的平衡」とハカセが訳した現象こそ、そんな機械論みたいになってきた生物学、生命観に一石を投じるものであること。
でも、機械論的、つまり、メカニズムのもとに体が出来上がっていると考えるから、体の部品を交換するような最先端医療や体の一部だけに作用する薬などができるのであって、動的平衡の考え方ではそういうものはあまり意味がなくなってしまう。なにより、経済に貢献しない。だから主流じゃないらしい。ということ。
いろいろ目から鱗の話ばかり。
「脳死」は「脳始」にもなりうるため、人間の寿命を両側から縮めている・・・というのがびっくりだったな。考えたこともなかった考え方。
文化と文明についても語り合っていて、文明は風土やライフスタイルから遠ざかりすぎていて、もうこれ以上進んでもうまくいかないんじゃないかと。
不便な時代に戻るとかじゃなく、ベクトルを違う方へ向けていかないと、というのはそうだなと思える。
技術や科学はそのために使われるべきだよなあ。生み出すばかりが能じゃない。作りすぎ使いすぎの先進国社会に危機感を持つ人が、たしかにいるということが分かって、少しホッとした。いや、そんなレベルで止まってちゃいけないんだけども。
テンポよく、またお互いに言葉をつなぐのが上手い二人の対談は、読みやすくて良かった。
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子どもの頃の感性が残ってたらいいのになと思いながら読み進めました。ちょっと心が若返ったような気がしました◯
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面白かった!
生物についてこんな捉え方ができる福岡ハカセ、ほんとに魅力的な人だ!
頭ガチガチのただの学者さんではなく、情緒と品が漂ってる。心豊かな人なんだなぁ。
巻末にもありましたが阿川さん、人の話を聞くのがほんとに上手!出過ぎず引き過ぎず、心地よく対話が流れていきます。
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不意打ちでめちゃくちゃ面白かった。子供の頃に得た感受性が大人になった自分を支えてくれる、と冒頭に出てきたけど、二人の対談を読んでいるうちにこういうことなのか、っていうのが分かってくる。ノックアウトマウスのくだりとか顕微鏡を作ったレーウェンフックとフェルメールの関係(ハカセの推測)、ヴィットーレカルパッチョの絵が繋がっていたこととか、村上春樹と生物学の関係とか読んでいてもわくわくすることだらけ。阿川さんも物知りで感性も豊かでだからこそできるこの返し。子供の頃、すごい!とかなんで?って思った経験やその探究心を大人になっても持ち続ける。私もこういう人生を送りたいって思った。
私のセンスオブワンダーを得た子供時代の経験はなんだったかな?と考えだすととても楽しい。
子供にはいろんな本を読ませて、そのあとぼーっとしながらじっくり思い出したり考える時間を与えたいなぁ。読書はそういう想像の余白が確保できるからこそよいのだと。
対談の中でハカセが展開する彼の論理も興味深い。今は機械(メカ)的に生命を操作するのが主流だけど動的平衡(生命は一つの大きな流れの中にあり他とバランスを取っている)という考え方が大切だと。でもそれは金儲けがすべての資本主義社会では受け入れられない。それでは人間は必ず滅びる。
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面白かった。
対談形式の本をお金出して買うのは勿体ないかなと思ってたけど、よかった。
「おとなになってから、老人になってから、あなたを支えてくれるのは子ども時代の『あなた』です。」
まさに今の自分を支えてるのは、子ども時代の私。
いま辛いことがあっても、例えば子どもの頃に両親に愛された記憶があったり、例えば息を飲むような空の青さに感動できたり、自分の内側に拠り所にできるものがあると、挫けずに生きていける。
最近ふとそう感じることがあって。
センスオブワンダーって原体験ってものと類義語なのかな。
そして自然には敵わないということを改めて認識。
気の根っこはアスファルトを破るし、葉っぱの下は雨に濡れない。
動的平衡を崩したバチは、人間に必ず返ってくる。
「動的平衡」で大ファンの福岡ハカセと、聞き上手の阿川姉。
面白くないわけがない。
かつ、人間の歴史、生命の歴史も語ってて、深い。
時間が経ったらまた読むだろうな。
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「子ども時代にいろいろなもののオーラを浴びることが、その人をずっと支えていく。それがその人の『センス・オブ・ワンダー』になるということだと思うんです。」
幼い頃にルリボシカミキリの青と『ドリトル先生航海記』や、リー・バートンの『せいめいのれきし』に出合って感銘を受けた福岡ハカセと、石井桃子さんが開く「かつら文庫」という私設図書館に兄と通い、あまり本を読まずに外で遊び回っていた、という阿川さんの対談集。
おふたりの「ちょっと気弱な、でも猛烈に賢い弟と、粗雑なねえちゃん」(阿川さんのあとがきより)のような対談中の空気が伝わって来るようで、気持ち良く、面白く読めました。
粗雑、と阿川さんは謙遜されているが、ハカセのお話を見事に引き出し、絶妙に合いの手を入れるのは、細やかな気遣いがないとできませんよね。
福岡ハカセと阿川さんの書籍を両方読んでみたくなりました。
私のセンス・オブ・ワンダーってなんだろう、と考えると幼い頃集めていた玉虫を思い出しました。
洋服ダンスの中にいっぱい集めていたら母にみつかって「キャー」と悲鳴を上げられました。
綺麗は汚い。汚いは綺麗。
自分が美しいと思うものも他人にとっては悲鳴の対象なんだなーと気づいた事が印象に残っています。そしてそちらがマジョリティな事も。
が、最近法隆寺の『玉虫厨子』とベルギーのブリュッセル王宮のファーブルの子孫が作った天井(どちらも玉虫の羽を装飾として使っている)を知り、時代を越え国を越えて、「そうだよね!綺麗だよね!」と共感しました。
虫嫌いな人には鳥肌もののエピソードだと思いますが。
話がズレた感がありますが、大変面白い本です。
おすすめです。
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阿川さんと福岡さんの対談したときの会話がずっと続いている本。
センス・オブ・ワンダーに関する内容が主だと思ったら、読んでみると内容のほとんどが絵本や生物学の話だった。生物学については詳しく書かれたりしていて専門用語も出てくるのですっと理解は難しいかもしれない。
絵本もその本を知らないとちゃんとはわからないが、最後に話していた以下の言葉は印象的だった。
・センス・オブ・ワンダーとは、バランスに気づくということ。
・外の世界がどんなに変化しても、一番大切なことのヒントは自分の中に折りたたまれている。
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作家の阿川佐和子さんと生物学者の福岡伸一さんの対談。
福岡さんの話している分量が俄然多いので、福岡さんの話を阿川さんが聞いているって感じだ。
福岡伸一さんと言えばメディア露出もあり、著者「生物と無生物のあいだ」が新書ベストセラーになった。私は、気になり書店で手に取るも、専門家の難しい話かもしれないしなぁと思い、結局棚に戻すことを繰り返していた。
この本は友人が私にお薦めだと貸してくれた。
福岡さんは生物学の専門家でありながら、専門家らしくない。功をあげていくガチガチの専門家たちから離れ、もっと広く、深く、長く(歴史を考えて)生き物と地球について考えを巡らせている。その考えを素人にもやさしく話せる。
動的平衡という考えは、確かにその通り!という現象が身近にもあるなぁ。福岡さんの著書を買ってこよう。もっと知りたい!
それにしても、なぜこういうスゴい人が学術的には端に追いやられるのか?どんな時代でも、自然界・生物界と違って、人間界はやっぱりどこかおかしい…動的平衡じゃなくて激しく偏っているのか…残念だ。
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福岡伸一さんも阿川佐和子さんも有名人でありながら、読んだことがなくどんな文章を書く人たちだろうと気になっていました。
対談の文庫化は本来読まないものの、人物に惹かれて読んでみるとなんとおもしろいこと。
軽快な口調でするする読めるのにすっと心に響く言葉がでてくる。時折読み返したいと思える本でした。
「あなたを支えてくれるのは子ども時代の『あなた』です」石井桃子さんの言葉ですが、実感としてその通りだと思います。
息子にも「いろいろなもののオーラ」をたくさん浴びる機会を用意してあげたいと思いました。
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センス・オブ・ワンダー、動的平衡、部分と全体、遺伝と環境についての対談。
ここに出てくる本をまとめて読みたい。
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センスオブワンダーとは、神秘さや不思議さに目を見張る感性のこと。レイチェルカーソンの本のタイトルで、私も以前読んで随分面白かった覚えがある。人生を豊かに生きるためには必須だよなあ、と感じて。それを、福岡伸一博士と阿川佐和子さんが対談するとなれば、面白くないはずがない。お二人の子供時代の体験、読んだ本などが生き生きと語られるかと思うと、生物の不思議な話、ウィルスの脅威の話など、縦横無尽に展開します。驚くのはこの対談、10年前なんだけど、まるで今のコロナの蔓延を予見するような話が語られてること。話題は狂牛病だったけど、危ないウィルスが世界中に蔓延してしまう機序の解説があって、起こるべくして起こったものなのかも…と思ってしまった。
今、特に学問の世界は細かく分類されていて、それぞれの精度は上がっているけれど、全体を俯瞰できなくなってる。パーツはパーツでしかなく、動的平衡、という視点で物事が見えなくなっている。日常生活でもそれに近いことがあって、なんだかバランスを欠いている。そういう違和感がどこからくるのか、この本を読むと何となくわかる気がする。
福岡ハカセの本は、各方面に配慮が行き届いてる感じがあって、読むと心が落ち着く気がして好き。内容もだけど、語り口、文章が豊かで。なんだろうなこの感じは、と思ってたんだけど、「須賀敦子さんが好き」とあったので、「それだ!」と納得しました。見たものをそのまま受け取ってる感じ、映画のように目の前に現れる感じ。豊かな読書体験と、冷静な観察眼、それから、様々な事柄に対する好奇心がなせる技なのかなぁ、と思いました。
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福岡伸一さんのことを知ろうと思って、読んでみた。阿川佐和子さんは知らなかったけど、2人とも、子どもの頃から本に親しんでいたんだなぁと。お互いの根底の知識量というか、バックグラウンドは違うけど、物語を読み取り上での基礎体力は足並みが揃っていて、楽しそうだ。随所にドリトル先生の話が出てきて、スタンビン君が現れるんだけど、私はすっかりその存在を忘れていた。もう一度ドリトル先生を読み直したいな。
2021.09019
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文転する生物学者と作家で有名インタビュアーの対談
容易に分類できないし、むしろ統合することを目指されてることもあって、本の内容を要約できない。様々な楽しくて興味深い話が繰り広げられている。
読みたい本が、たくさん増えました。