紙の本
☆防犯探偵榎本の推理☆
2024/05/05 11:14
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投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
【ゆるやかな自殺】
暴力団事務所で、若頭が殺害された。犯人は、まんまと逃げおおせたかに思えたが、別の組員に車での逃走を見られていたらしい・・・
その組員を始末すべく、犯人は、ウイスキーと拳銃を使ったトリックで自殺に見せかけることにした。
無事、組員を始末した犯人だが、その前に、榎本が立ちはだかる。
榎本は、事件の真相を見破れるか!?
【鏡の国の殺人】
現代アート展を間近に控えた美術館で、館長が撲殺された。防犯のデモンストレーションとして侵入した榎本が、この事件の最大の容疑者として疑われる形となる。
真犯人を探すべく、捜査に乗り出した弁護士の純子は、榎本と同じく稲葉が犯人だと睨むが、館長の元まで行くには、幾度となく防犯カメラを掻い潜らなければならず、実質的な密室不可能犯罪の存在が立ちはだかった。
現代アートに仕込まれた防犯カメラの視覚を欺くトリックを見破ることができるか!?
【ミステリークロック】
人里離れた山荘での晩餐会。招待客達が超高級時計を巡る奇妙なゲームに興じる中で、山荘の主である女性作家の森怜子が、書斎で変死を遂げた。それをきっかけに開幕したのは、時実が指揮権を取る命を賭けた推理ゲームだった!
巻き込まれた榎本と弁護士の青砥は、時間の壁に守られた完全密室の謎に挑む。
犯人は、解決編を待たずとも、すぐに見当は付く。メインは、どうやって時間という鉄壁のアリバイを崩していくか、いくつもの時計を使い築き上げたアリバイを榎本が徐々に切り崩していくシーンです! 電波時計や置時計の刻む時間を自在に早め、また元に戻すいくつものトリックは面白かった!
【コロッサスの鉤爪】
青砥は、海洋開発を仕事にする会社の社長令嬢の近江有里から、婚約者である布袋悠一の死について相談される。
布袋の死は、ゴムボートが転覆したことによる事故と考えられているが、優秀なダイバーだった布袋がそんな事故を起こすとは考えにくく、不審な事柄が幾つもあり、これらのことから、近江は事件だと考えていた。
しかし、現場となった海域では、ソナーによって外部の人間がいなかったことが証明されている。また、地上と深度300メートルとでは気圧が全く異なり、潜水病にならないよう減圧するには、12日間必要だ。これは、特殊な密室環境だったことを意味する。
当時、3人のダイバーが深度300メートルを泳いでいて、このうちの誰かが布袋を殺害したと考えられる。
この特殊な密室の中で、犯行は可能なのか?
紙の本
次回作に、さらに期待
2018/07/27 08:13
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「鍵のかかった部屋」から続く、防犯ショップ店長で探偵役の榎本径を主人公にしたシリーズの一冊。
-ゆるやかな自殺
-鏡の国の殺人
-ミステリークロック
-コロッサスの鉤爪
の4作からなる短編集です。
最初の「ゆるやかな自殺」は、ブラックユーモアミステリーといった趣。読みやすい作品です。
メインの「ミステリークロック」はタイトルからして興味をそそられ期待したのですが、進行もトリックも分かりづらくイマイチでした。残念。
「鏡の国の殺人」は、ドラマ「鍵のかかった部屋」の特別編か何かで観た記憶があります。文章では理解しにくく、映像化を前提として書かれたのかな?と思いました。
最後の「コロッサスの鉤爪」は異色作という感じでしたが、面白く読みました。この本の中では、私の一番のオススメです。
貴志祐介さんならば、もっと楽しめる作品を生み出せるはず!と期待を込めて低めの評価にしました。
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ヤクザ事務所で拳銃自殺したチンピラの謎。鏡の国と美術館館長の死。時計に囲まれた丘の上の小説家の死。海上で孤独に死んだダイバー。榎本&青砥シリーズ4作目。
青砥ちゃんこんなにきつめのすっとぼけだったっけ?鏡の国は先にドラマで見てたからイメージ出来たけどそうじゃなかったらわかんなかっただろうな……ミステリークロックは完全にトリックのための小説だったからぶっとびっぷりを楽しめたは楽しめたけど、実証してみる気にはならなかった。ダイバーの話も前半は愛憎も闇もありそうで楽しめたけどそんな魔法のアイテム有りなの……ゆるやかな自殺が一番シンプルで良かった。まあえのあおコンビが久しぶりにまとめて見れたから良かったというところ。
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「ミステリークロック」
トリックにトリック、トリック。
防犯コンサルタント榎本径と弁護士の青砥純子が、密室殺人の謎を解き明かしてゆく「防犯探偵・榎本」シリーズ。前作「鍵のかかった部屋」から六年ぶり。収録されている短編のいくつかは映像化されていたらしいが、さっぱり覚えていない。個人的には、ドラマは見たはずだが、、、。
「ゆるやかな自殺」「鏡の国の殺人」「ミステリークロック」「コロッサスの鉤爪」を収録している。
「ゆるやかな自殺」は古典的なトリックを駆使した事件で、榎本も淡々冷静で密室事件をさらりと解くのだが、親分と榎本の関係がさっぱり分からない。
古典的だが、王道トリックに続くのは、大掛かりな迷路トリック。榎本はがっつり嵌められ犯人扱いになりながらも、純子のトンちゃん推理&サポートを借りながら謎を解く。この純子のトンちゃんぶりは、表題以降もバリバリ発揮。あれ?前作もこんなトンチンカンだったけ?弁護士の“ベ”の字すら見えないのは気のせいだろうか。しかし、榎本の相棒であるのは間違いない。ミステリークロックを盗むのは榎本しかいない!と決めつける辺りも抜け目ない。
でも、トンちゃんぶりも仕方ない。迷路トリックに加え、ミステリークロックのトリックに逆密室トリックと続くのだ。わけわからん気持ちになるのは理解できる。多少のトンちゃんぶりは仕方ないだろう。が、多少を余裕で越えるのだけども。
トリックに関しては、ミステリークロックトリックがとんでもない。よく考えつくなこれ、どうかしてる、ワロタ。はて、実際にやってみてほしい程のトリック。
次に推すのは、ダイオウイカの仕業かサメの仕業か。逆密室トリックだ。被害者がクソ野郎な分、トリックに集中できる。犯人も謎キャラな一面があり、気になる。トリックは大胆不敵。やり口はガリレオで出てきそうなデカブツである。
王道古典よりなトリックに始まり、ゆるやかに確実にトリック大胆且つ複雑になっていく。
最後に、萵苣根功に触れざるを得ない。ルイスキャロル研究の第一人者は奇人変人だ。奇人変人を書くのはとにかく楽しいですね。次に楽しいのは悪人。との作者の言葉が反映された随一のキャラである。スピンオフいけるな、これは、なレベルである。
が、映像化には難易度が高い。かなりの演技力とキャラの濃さが求められるが、それに見合う俳優はいるだろうか、、、あ、いた、パタリロのあのお方がいるではないか!て考えていたら、「鏡の国の殺人」は映像化済らしいではないか!誰が萵苣根功を演じたんだ!全く記憶にない。なので、スピンオフをお願いします。
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表題作の圧倒的に練り込まれたトリックが凄い。練り込まれ過ぎて、理解するのに時間がかかるのはご愛敬。青砥先生のトンデモ推理はもはや様式美。一番ウケたのは、セルフ『悪の教典』ディスリ。面白いけど、いかんでしょう(笑)。
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防犯探偵・榎本シリーズ第4弾。
もう終わったものかと思っていたところでの新作で、かなり期待して読んだけど、トリックが難解過ぎて…何とか最後まで読んだものの、4作のうち、3作は理解出来ないまま…
このシリーズの売りは密室を解くことだと思っていたけど、ここまで密室の定義を広げられてしまうと、面白さもかなりなくなる。
3作目も電波時計のトリックもあり得ないと思ったけど、4作目はもっとあり得ない。
そもそも榎本の知識は泥棒のための防犯知識ではなかったのでは?やたら物知りになってしまった榎本にも違和感しかない。
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防犯探偵・榎本シリーズ第4弾。
・ゆるやかな自殺
・鏡の国の殺人
・ミステリークロック
・コロッサスの鉤爪
の4編収録。
「ゆるやかな自殺」短編で残りは中編です。
また、最初の2編はすでにドラマ化されているようです。
ということで、青砥のボケぶりはさらにパワーアップしているものの、物理トリックをガッツリとりくむなら中編から長編でないと面白くないので、久々の中編3編で満足しました。
もちろん、文章や図解から読み取り切れないものもあり、本編の中でもその点を皮肉る場面がありましたが、これだけのトリックを考えるのは時間がかかるのも仕方がないです。
とはいえ、劇団ネタのコメディ短編がなかったのはちょっと寂しかったです。
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防犯探偵・榎本径、史上最難の推理!!
あ~、そういえば、いたな~、防犯探偵・榎本。。。
シリーズ全部読んでるくせに、印象薄いわwww
貴志さん、初期のノンシリーズの方が好きなのよねー。
また「ををを、これはっっ!!!」っていうようなの、書いてくれないかなー。
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4つの短編・中編のミステリーが収録された本です。榎本のシリーズですが、純粋な密室はネタ切れなのか、ひねりを加えた密室のミステリーです。本格ミステリーになるのでしょうか。個人的に感情を揺さぶられるようなものはなかったですが、エンターテインメントとしては面白かったです。「ミステリークロック」は舞台で演じられる様子が見えるようでしたが、トリックがかなり複雑でした。テレビシリーズを見ていたせいか?榎本が嵐の大野君にしか見えませんでした。
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図書館で借りた本。4話の中編の密室ミステリー。最初のゆるやかな自殺だけが密室ピストルを使ったヤクザ絡みの事件であっさりとした謎解きだった。鏡の国の殺人は防犯カメラの謎解き、ミステリー・クロックは時計と時間の謎解き、コロッサスの鉤爪は海上殺人の謎解きで、3話は難解な密室謎解き話を重点にしてるせいか動機や人間味が気薄に感じた。防犯カメラの謎解きはかなりの想像力が求められる話だ。
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青砥純子弁護士は、すっかり狂言回し(笑)
表題作の時計のトリックは、私にはちょっと難しくて、さらっといっちゃったけど。
最後の話は、意表をつく密室でトリックもまったく想像できなかった。
また、あのコンビの活躍が読みたい。
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防犯探偵、榎本シリーズ4作。トリックが面倒くさい。好きな人にはこたえられないかもしれないけど、自分にはあわない。この作者さんなら『天使の囀り』『クリムゾンの迷宮』『新世界より』がベスト3!読む作者さんが増えてきたので、作品を選んで読んでいかないと。
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防犯探偵シリーズ。短篇1作と中編3作のボリュームある1冊で、全てが密室物だった。
私は密室物が好きなのだが、これらにはちょっと閉口した。何しろ複雑過ぎる。こんなややこしい手段で犯罪を犯すだろうか? 理解するのが大変で、面白さが半減してしまった。
冒頭の短篇は、ドラマ化された作品を見ていた事もあって分かり易くて良かった。このシリーズ、続いたとしても今後は遠慮したい。
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鍵屋(時々泥棒)の榎本と弁護士青砥が密室殺人事件を解決していくミステリーシリーズ。前2作「鍵のかかった部屋」「硝子のハンマー」はドラマにもなったので、榎本は脳内ですんなり嵐の大野君に変換される。今回の密室は「時間」がキーワードとなる4編。
最初の2編を読んだところで、なんだか既視感が・・・。よく考えたら、この2編は既にテレビドラマ化されていてちょっとがっかり。
残りの2編も、凝りに凝ったトリックだけど、技巧に走りすぎて複雑になり、じっくり理解する気も起きず、流し読みしてしまった。このシリーズは映像で見たほうが分かりやすいし、楽しい作品だと思う。
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榎本シリーズ最新作。本来の密室ではない状況的密室での殺人事件。なんかどれもまどろっこしい。表題作についてはトリックが難解すぎ。実際に可能なのだろうか。もう少しシンプルな話で良かったのでは。