「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
読割 50
紙の本
メタサイコロジー論 (講談社学術文庫)
著者 ジークムント・フロイト (著),十川幸司 (訳)
1915年、精神分析の根本的な構築を企てたフロイトは、1冊の本をなすべく12本の論文を書き上げたが、一部が発表されただけで終わった。その12本のうち、現存する5本と後世に...
メタサイコロジー論 (講談社学術文庫)
メタサイコロジー論
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
1915年、精神分析の根本的な構築を企てたフロイトは、1冊の本をなすべく12本の論文を書き上げたが、一部が発表されただけで終わった。その12本のうち、現存する5本と後世に発見された草稿1本を翻訳する。【「TRC MARC」の商品解説】
『夢解釈』を発表したフロイトは「ドーラ」、「ハンス」、「鼠男」、「狼男」などの症例を経て、改めて精神分析を構築することを志す。1913年に執筆され、『メタサイコロジー序説』という表題の書物にまとめられるはずだった論文は、しかしフロイト自身の手で破棄され、さらなる理論的展開の礎として存在し続けることになった。第一級の分析家による渾身の新訳で「メタサイコロジー論文」を初めて一書の形にまとめた待望の書!
本書は、ジークムント・フロイト(1856-1939年)が1915年に執筆し、『メタサイコロジー序説』という表題で1冊の書物にまとめることを意図していた論文のうち、現存する5篇と草稿1篇を収録したものである。
1900年に『夢解釈』を発表して衝撃を与えたフロイトは、その後、「ドーラ」、「ハンス」、「鼠男」、「狼男」などの症例における臨床経験を経て、包括的な理論の構築を「メタサイコロジー(メタ心理学)」の名の下に企図した。精神分析にとって大きな画期となるはずだった『メタサイコロジー序説』は12篇の論文から成るものとして計画され、フロイトは1915年3月15日から5月4日までに5篇を執筆し、『国際精神分析雑誌』で発表する。それが本書に収録された「欲動と欲動の運命」、「抑圧」、「無意識」、「夢理論へのメタサイコロジー的補足」、「喪とメランコリー」である。
さらにフロイトは、3カ月後の8月9日までに残る7篇をも書き上げた。その爆発的な知的エネルギーには圧倒されるばかりだが、なぜかそれら7篇は公表されず、『メタサイコロジー序説』も幻の書物となる。「意識」、「不安」、「転換ヒステリー」、「強迫神経症」、「投影」、「昇華」、「転移神経症概要」という表題が知られる7篇はフロイト自身の手で破棄されたものと考えられていたが、しかし1983年、書物の掉尾を飾るはずだった第12論文「転移神経症概要」の草稿が発見された。本書にはこれも併せて収録し、1915年のフロイトに起きていた思想劇を最善の形で見ることができるようになっている。
各論文の表題に示されているとおり、ここでなされているのは「欲動」、「抑圧」、「無意識」、「夢」といった精神分析の根幹に関わる概念の再構築にほかならない。書物の形にすることを放棄したことに示されているように、フロイト自身はここからさらなる進展を遂げていくが、その出発点としてこれらの論文が存在していることは否定しようもない。現存するメタサイコロジー論文の日本語訳が1冊の形にまとめられるのは今回が初めてとなる。本書は、フロイトと同様、常にみずからの理論を刷新する第一級の分析家による渾身の訳書である。【商品解説】
目次
- 欲動と欲動の運命
- 抑 圧
- 無意識
- 夢理論へのメタサイコロジー的補足
- 喪とメランコリー
- 転移神経症概要[草稿]
- 訳者解題
- 訳者あとがき
収録作品一覧
欲動と欲動の運命 | 9−39 | |
---|---|---|
抑圧 | 41−57 | |
無意識 | 59−110 |
著者紹介
ジークムント・フロイト
- 略歴
- 1856-1939年。精神分析の創始者。独自の人間論・文化論を構想し、世界に不可逆的な変化をもたらす。主な著書に、『夢解釈』(1900年)、『精神分析入門講義』(1917年)など。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
フロイトの「幻の書」とも言われる一冊を復活させた貴重な書です!
2020/03/18 11:39
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、心理学者として有名なフロイトが著した「幻」とも言える書を、この世に蘇らせた画期的な一冊です。実は、フロイトは1915年に精神分析についての基本理論の構築を企て、一冊の本にすべく12本の論文を書き上げたと言われています。しかし、残念ながら、その中の数本の論文が発表されただけで、フロイトが野心をもって書き上げた『メタサイコロジー序説』は幻の書となってしまったのです。しかしながら、同書は、そのフロイトの意志を受け継ぐかのように、12本の論文のうちの現存する5本と、後世に発見された草稿1本を纏めて、一冊の書として世に贈り出すことができた画期的な一冊なのです。ぜひ、「幻の書」となっていたフロイトの著作をこの機会に読んでみては如何でしょうか。
紙の本
精神分析に関する論考書
2019/07/08 21:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
・・・、まずもって本書は無生物の名詞が生物的動詞で締め括られる本です。例えば、『抑圧が別の表象に結びつくよう強いられる』とか、『性欲動は生殖機能に奉仕するようになる』、といった表現が至る所で出てきます。こういう表現が故に、一体何を言っているのか、さっぱり理解出来ず、結構イライラさせられました。
また、著者であるフロイト自身が、研究して断固として確たるものをもって発表した論考結果が、暫く後に変化したりして、全くもって確たる状態ではなく、推論的な現在進行形っぽい不完全な状態であることに肩透かしを感じました。精神分析というのは、文字通り『分析』をしただけであって、何か科学的に解明された訳ではないという事が判りました。
とは言いつつも、巻末の訳者解説を読めば、本文の内容を邂逅出来る訳で、結局解説に頼ってしまう自分でした・・。