紙の本
映画人から小説家へ?
2018/06/02 16:15
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投稿者:naoami - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノベライズではなく是枝監督自身による原作小説。小説家でない分、描写に食い足りない(ガッツリ読ませない)淡白さが感じられ、物足りない側面もあるが、読み進める内にキャストが脳内演技をおっぱじめるので作品に浸れる。小説一本で勝負する作家にしてみたら卑怯かもしれんけど、名だたる名優がハマっている段階で勝負ありか。ラストなんか文章・文字というよりも各登場人物の「演技」を読まされてる気がしてくる。老婆の年金と万引きで生計を立てる「家族」の正体が徐々に明らかになる物語。本物?偽物?家族の真とは。274頁3行目に泣けた。
紙の本
テーマは重い 文章は淡々
2019/08/15 20:06
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投稿者:十楽水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
話題の映画の原作本。期待して読んだが、表現が淡々として訴求力はいまいち。テーマ・素材はとても重たいのだが、文章が追い付いていない。読みながら、読み手が主体的に考え、深めていくべき作品なのかもしれない、と思った。映画の後に書くのは難しいのかな。
紙の本
さまざまな家庭の形がありますね
2018/09/01 15:34
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投稿者:てくちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
血のつながりは無くても、お互い信頼し合えることが家族なんだとかんじまいた。ショウタとジュリちゃんのその後が気になりますね。
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20180529Mリクエスト
なんて表現すればいいのかわからない。
血の繋がりのない家族ではない、家族。
おばあさんの年金を当てにして、若い世代が生活を賄う。
実際に、このようなことはあるのだと、思う。
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映画は未見。
家族とは何か、を考えさせられる小説。
血縁より大切な絆。
しかし擬似でも家族を欲する人達。
実の家族をないがしろにする人達。
愛や親しみがあり、信頼できれば家族になれるのか。
幸せな時は一時。こんなことが長く続くはずも無く・・・
最後、凛と祥太は会えたのだろうか。
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映画を小説化したもの。
これは多分映像で見るから響くものなんだろうなぁと思った。確かにこの本でストーリーは追えるけど、そこから描かれるイメージがとても粗い。
ストーリー自体はわかりやすい。家族を成り立たせているのは、血なのかお金なのか、それとも愛情なのか。
本当の家族とは何なのか。結構普遍的な問題だと思う。
是枝監督が描き続けている、家族とは何か問題。
昔より”家”の存在が薄くなって、個人の選択の自由が増えた時に、果たして家族は必要なんだろうか・・
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パルムドール受賞作ということなので手に取りました。
タイトル通りに万引きをして生計を成りたてていた家族の事が描かれています。
けれどこの家族が読み進めていくうちにただの家族ではないということが
徐々に浮かび上がっていくたびに驚きます。
これに至るまでには治と信代の過去があらわになり、
これもまた信じられないような過去が。
様々な事情のある過去が入り混じり、
つぎはぎだらけのような家族だけれど、
それぞれの家族の絆はどこの家族の絆よりも強いように思えました。
信代が語った「子供を生めばだれでも母親になれるのか?」
という問いにはこの作品以外でもよくテーマになりますが、
子供を生めば自然に母親になれるというのは当たり前ではなく、
子供を育てながら母親らしくなっていくというものだと思います。
だからこそこの作品のように信代はじゅりと祥太を我が子のように育てられたのだと思います。
子供に対しての愛情がこのように深くなったのも、
自分の母親への呪縛もあったからこんな行動になったと思い可哀想だと思えました。
治と信代のしたことは法律的に言えば決して良い事ではありません。
けれど一つ一つの状況から判断すると、
虐待されていた子供を救ったり、居場所のない少女を救ったりと
その人達にとっては良い事だと思えます。
例え家族という形をとっていたとしても、
その子供の居場所が良い環境と言えなければ
家族という形の意味はどうなるのでしょうか。
とかく法律上や血縁関係だけの家族という形が
クローズアップされがちですが本当の家族の
ありかたというのはどうゆうものなのか、
そしてつながりとは一体どうゆうものなのか
というのを考えさせられました。
万引き、虐待、不正年金受給などと重いテーマがあり、
普段なかなか目に留まらないことにも盛り込まれいて、
一筋縄では解決できないような問題もあり
多方面から考えさせられる作品でした。
ラストの治と祥太のやり取りは涙無くしては読めないです。
この作品は是枝監督が映画のノベライズ本として書かれてるので、
普通の小説と比べると少し情景描写が乏しいところがありますが、
読みやすいので、映画と照らし合わせてみると
更に分かりやすいかと思います。
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ご存知、カンヌ映画祭受賞映画の監督自身によるノべライズ小説。映画はまだ見てないけれど、頭の中で映像が次から次に浮かんでくる1冊だった。読み始めたら止まらない。
万引きや年金の不正受給で生計を立てる小悪党の家族。実は全員他人!そこへ虐待に合っている女の子が加わる。最近の悲惨な児童虐待のニュースとダブる。血の繋がっている家庭では暴力を受け、他人ばかりの万引き家庭では愛情を与えられる…。この家族の行為は社会的に認められないが、家族の愛情が感じられる。映画を見た人にも、これから映画を見る人には特におすすめ!
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本じゃなくて映画の感想です.
公開初日の本日,劇場でみてきました.
家族って,ガラスみたいに脆くて,一瞬で割れて崩れてしまう一面がある.親が死んだり,離婚したり,まあいろいろ.いわゆる市役所的なハンコの世界の,社会が想定しているというか,みんなが共通認識していることになっている方の家族.
もうひとつ,共通認識の網からこぼれ落ちてしまう,極めて個別的な家族の姿がある.言葉では伝えづらい,他人には理解できない,自分の人生の問題としての,個別的な家族.ひとに言えないかぞくだけの秘密,問題,闇,それらと裏返しの,なんて表現していいのかわからないけど,どうしようもなさ(いい意味でも).
そんな後者の家族を淡々と映すことを通じて家族の個別性の陰に隠された,個別の生を、肯定しているんだと思う.
好きな映画に『息もできない』という韓国映画があるんだけど,それを思い出した.
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大爆発したり、超能力的なアレで大逆転!みたいなものが無く渋い展開が良い。そういう意味で、裏切らない作品でした。
でも、さすがにこれは「感情移入しきれないな」と感じる中盤。
後半は、家族を否定する人たちに湧く怒りに、ちゃんと世界観に入っていけてたんだな、良かったなと。
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説明
内容紹介 (Amazonより)
第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にてパルムドール賞を受賞した最新作『万引き家族』を
是枝裕和監督自ら小説化。是枝監督が小説で描き出す、「家族の絆」とは―――。
「彼らが盗んだものは、絆でした」
とある住宅街。柴田治と息子の祥太は、スーパーや駄菓子店で日々万引きをして生計をたてていた。
ある日、治はじゅりという少女が家から閉め出されているのを見かねて連れて帰ってくる。
驚く妻の信代だったが、少女の家庭事情を案じ、 一緒に「家族」として暮らすことに。
年金で細々と生きる祖母の初枝、JK見学店で働く信代の妹・亜紀。6人家族として幸せに暮らしていた。
しかし、ある出来事を境に、彼らの抱える 「秘密」が明らかになっていく―――。
内容(「BOOK」データベースより)
「犯罪」でしかつながれなかった―。万引き・年金不正受給・虐待…。是枝監督が自ら描く、映画ではかなり尽くせなかった「家族」の在り方。
映画を先に観ていました。
映画では出演者の特に安藤サクラさんの演技が素晴らしかったです。
映画ではちょっとわからなかった亜紀の心情が本を読んでみてわかった気がしました。
ちょっと勘違いしていました。
それと祥太がバスの中で呟いたセリフが分かりづらくて なんだったのかなぁ〜?って思ってたのですが やっぱりそうだったか...とスッキリしました。
血の繋がりの方が強いとは思っていませんが この疑似家族の絆はホンモノだったと言えるのかなぁ?...という思いが私にはあります。
まだ小さい祥太と凛には幸せなって欲しいと思いました。
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小説の方が筋や人物の動き、意図などについての説明がより尽くされており、本題に集中しやすかった。役者の比重も高いし、小説は補完的に、映画→小説がいいと思う。
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正しいことと親切なことなら、親切なことを選ぶ――『ワンダー』にそんな台詞が出てくる。
この映画は、情に篤く生きていても、どうしても抜け出せないものに捕まってしまった人たちが出てくる。じゃぁ一体どうすればいいの。そう思うことが生きてるとたくさんある。どうすればいいのかなんて答えは出ないから、せめて、安易に白黒つけるのだけは控えよう。そのくらいしかできないけど、それくらいはできるかな。ひとのことも。自分の中のどうしても受け入れられないことも、そんなふうに。
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映画を観て、小説も読みました。
カンヌ映画祭のパルム・ドールを受賞しただけあって、想像以上にいい作品でした。
親による子供への虐待、親の死を隠しての年金不正受給、JKビジネス等々の現代の底辺を生きる人たちの貧困や社会問題を取り込んだ意欲作。
6人の血の繋がりのない人達が、同居して疑似家族を構成している。
彼らを繋げているのは、何なのか?
金もしくは犯罪で結ばれたような疑似家族だが、そこには家庭の温もりがあった。しかしある事件をきっかけにバラバラになってゆく。
物語の進行と共に家族の過去が明らかになってゆくストーリーはサスペンスのようであり、終わってみると「家族とは何か」を考えさせてくれる余韻の残る作品です。
印象に残る場面も多々あります。
〇ビルの谷間の家からは花火の音だけしか聞こえないのに、全員が狭い庭から懸命に空を見上げるシーン。
〇海水浴で全員が手を繋ぎ、波が来るたびにジャンプする後ろ姿とそれを見守る祖母(樹木希林)。
〇警察の尋問に頼りなげに答える父親(リリー・フランキー)と反対に開き直っている母親(安藤サクラ)も良かった。
〇チョイト出ですが、ピリッとした味を感じさせる柄本明も良かった。
演技らしくない演技が、家族の自然さを感じさせてくれ、実力派俳優陣が最高のパフォーマンスを生んでいます。
ハッピーエンドにはならないのは辛いエンディングですが・・・もう一度見たい映画です。
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映画を観た後、疑問に思うことが多かったので。
読んでみると、映画で分からなかったところが全部分かった感じ。
でも映画同様凄く色々考えさせられて、重い。
正直スッキリはしないけど、こういう雰囲気の本、好き。