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読割 50
紙の本
昨日の海と彼女の記憶 (PHP文芸文庫)
著者 近藤史恵 (著)
25年前の祖父母の心中事件に隠された秘密とは? 残された写真、歪んだ記憶、小さな噓…。海辺の町を舞台とした切なくてさわやかな青春ミステリー。〔「昨日の海は」(2015年刊...
昨日の海と彼女の記憶 (PHP文芸文庫)
昨日の海と彼女の記憶
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商品説明
25年前の祖父母の心中事件に隠された秘密とは? 残された写真、歪んだ記憶、小さな噓…。海辺の町を舞台とした切なくてさわやかな青春ミステリー。〔「昨日の海は」(2015年刊)の改題〕【「TRC MARC」の商品解説】
25年前、カメラマンの祖父とモデルを務めた祖母が心中した。高校生の光介がそこに感じた違和感とは。切なくてさわやかなミステリー。【商品解説】
25年前、カメラマンの祖父とモデルを務めた祖母が心中した。高校生の光介がそこに感じた違和感とは。切なくて爽やかなミステリー。【本の内容】
著者紹介
近藤史恵
- 略歴
- 作家
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紙の本
穏やかな探偵物語
2019/05/08 20:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:如月 弥生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
“Cozy Mystery” は不可解な物・事を解き明かしていくストーリーを和やかに、楽しく、居心地が良く描かれたもの。だからこれも “Cozy Mystery”。
祖父母の自殺は心中か、それとも無理心中だったのか? という謎を解いていく物語ですが、心中自体は何十年も前の出来事であり、刑事や探偵が登場することもなく、それをおとなしめの高校生が探る展開なのでサスペンスの要素は全くありません。穏やかなストーリーです。Cozyです。
フィクションの出来事としては特別に面白いわけではありません。しかし主人公を自分に置き換えてみるとドキドキの体験です。海と砂浜しかないような田舎で平凡に高校生まで育った身の上で、突然に祖父は著名な写真家だったと知り、心中事件を身近に感じ、そして謎の被写体が本当は誰であったか気付いた時の驚きは、誰でもが体験できるものではないです。
でもストーリーは、いたって普通の日常の描写です。そこがいいんです!
この物語に登場する人は、みんな優しいです。優しさに溢れています。主人公の母とその姉との関係も羨ましいです。
近藤史恵さんの小説は心地良いです。気分が滅入っている時に読むと心が癒されます。ストーリーがそうさせるのではなく、一行一行の文章の流れと、著者が伝えようとしている内容がそう感じさせるんだと思います。
紙の本
ラノベっぽい表紙ではあるが、意外に読者に求められる精神年齢は高い。
2018/09/20 03:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
まだ夏の雰囲気が残っていたので・・・そういうタイプの物語を読みたくなった。
それも、夏の終わりとともに成長したり傷を抱えたりする、そんな物語を。
主人公は高校生男子だからか、読後感は思ったより重くなかった。この作者の場合、主人公が女性だとよりひどい目に遭う可能性が高い記憶。
四国の南側にある海辺の小さな町・磯ノ森、光介は大学進学とともに田舎を出ることになるのかと漠然と考えている普通の高校生。両親と一緒に一軒家に住んでいるが、ある日突然母の姉と8歳の娘が明日から越してくると母に告げられる。母に実の姉がいることを知らなかった(記憶がなかった)光介は驚くが、母の決意は固く、二人は東京からやってくる。
光介の祖父は町で写真館をやっていたらしいが、生まれる前のことなので光介は事情を知らない。帰ってきた伯母は祖父が撮っていたという写真などを探し出すことに執念を見せる。実は光介の祖父母は海で心中したのだが、伯母はそれが無理心中だと考えており、「どちらがどちらを殺したのか」はっきりさせたいと考えていた。平凡だと思っていた光介の生活が変わっていく・・・という話。
三人称だが光介の視点のみで物語は進む。
ものすごい大事件が起こるわけでも、ものすごいトリックがあるわけでもないんだけど、続きを読ませます。
オーソドックスな話と言われればそれまでなんだけど、成長する青春ものという王道でありつつも現代性を十分に備えているところにしみじみ。
#MeToo運動が勢いを持つ土台が世間に出来上がっていたように、かといってそれに賛否両論あるように、弱い側が声を上げることはまだ難しい。勿論、声を上げないからって苦しんでいないわけではないわけで、黙っていることを望む人もいるけど声を上げる人とどちらが強いか弱いか、正しいか正しくないかという基準を持ち込むのは違うぞ、ということ。
高校生男子という自分なりの考えはあるけど確固たるものがあるわけでもない、誰かの言動で容易に揺らぐけどその分柔軟な選択ができる存在を視点人物にした意味がそこにあるかな、と。
真実がいつも正しいとは限らない、人を傷つける真実ならば沈黙の価値を受け入れる、といった浅い正義感では受け入れられない人生の矛盾を学ぶ機会は誰にも均等に訪れるわけではないから、多感な時期だからこそより成長できるということもあるわけで。
傷とともに生きてきた・生き抜いた人たちは、その本当の姿を何も知らない人には容易に見せない。だからこそ美しい。それが強さだから。
紙の本
ハートウォーミング&ミステリー
2023/02/01 21:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
海辺の田舎町、この設定がまず効果的。
知らなかった伯母と従妹と同居することになった高校生光介。生まれる前に亡くなった祖父母の死について知らされます。
写真家だった祖父、美しい祖母、二人の存在は平凡な自分の人生に何か特別なものをもたらしたと感じても仕方ない。
祖父母の死の試飲層を求めて、時に大胆な行動をとり、小さな秘密を抱えて、少年は少し大人になります。