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商品説明
ホラー映画をこよなく愛する映画監督・黒沢清が語る、映画のこわさ、映画のふしぎ。「ホラー映画とは何か」、ホラー映画ベスト50、生涯映画ベスト10、映画祭滞在記などを収録。全作品録を大幅増補。【「TRC MARC」の商品解説】
すべての映画はつまり、ホラー映画なのだ。
ホラー映画をこよなく愛し、前人未踏のホラーを撮り上げた現代最高の映画作家が語る、映画のこわさ、映画のふしぎ。「ホラー映画とは何か」にはじまり、ホラー映画ベスト50、生涯映画ベスト10、敬愛する監督たちに捧げるエッセイから映画祭滞在記まで。全作品録を大幅増補し、待望の復刊!【商品解説】
著者紹介
黒沢 清
- 略歴
- 〈黒沢清〉1955年兵庫県生まれ。映画監督。「神田川淫乱戦争」で商業映画デビュー。「回路」でカンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞、「トウキョウソナタ」でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞。
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紙の本
もちろん黒沢清の映画がそうであるように、説明的に黒沢清が語られるわけではない
2021/10/17 15:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
黒沢清の締切に追われた断片的な文章をまとめたもの。
だからこれは、全体として、ホラーや映画のことよりも、黒沢清についての本です
(もちろん黒沢清の映画がそうであるように、説明的に黒沢清が語られるわけではない)
黒沢清らしさが一番出るのは、いささか場違いなゲームに関する文章たちだろう。
映画監督が映画を語る際の、煩わしさから離れ、楽しげですらある。
巻末のフィルモグラフィー(新装版で増補)を見ていくと、音楽に対するこだわりが伝わってくる。
しかし、「歌う映画」について熱く語ったわりに、MTV(ミュージッククリップ)についての文章は、奇妙な逡巡がみられ、中途半端なところで、終わってしまう。
たんに似たような依頼が来なかったから止まっただけかもしれないが、このことについて、短時間であれ考えた、黒沢清が、何らかの結論、納得にたどり着いたのかが、気にかかる。
黒沢清の映画は変です。
偏執的なところと、奇妙な投げやり感。
意図的に綿密に投げやりな時もあれば、不可抗力でそうなったようなところも感じられる。
(実写映画はヴィジョンに忠実に作るには不純物が多すぎる)
音楽について、音響についてのこだわりはほぼ何も語られていない。
映画がサイレントから始まったことも関係するのかもしれないが、
それがこの本で一番奇妙に感じたところ。
ところでカサヴェデス映画は、80年代にはすでに話題になってなかった?
日本で観る機会はほとんどなかったかもしれないけど。