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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大切な人が殺されたら、当然、犯人にも同じ目に合わせたい、命をもって償え、と思う。合法的に、復讐法で自らの手で犯人を裁けるとしたら、どうするか。
復讐法は、残された遺族の気持ちを考えれば、あっても良いのかな、なんて、読む前は思った。が、そんな簡単に賛否のつけられるものではないと、読み終わって思う。
特に、「アンカー」のように、復讐法を選ばなかったら犯人が不起訴になってしまう場合や、合法とはいえ、自らも殺人者になってしまう葛藤、それを見守る監察官の苦しみ。架空の話、と言い切れない重さがあった。
紙の本
復讐の恐ろしさ
2020/01/13 12:09
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
- [ ] よくドラマで『あいつをこの手で』なんて言いますが。人を殺せば、その被害者の遺族は、加害者を自らの手で始末できるという『復讐法』をテーマに、刑の執行を見守る監察官の視点で書かれた5つの連作短編集。復讐法の適用を選択すると、自らの手で加害者を被害者と同じような状況で始末できるというもの。このため後の執行を強く望む遺族、その適用の選択を躊躇う遺族など様々。復讐は、する側もされる側も、そして見ている側もみんな辛い残酷なものと、改めて思うとともに、自分だったら?と思わず考えさせられました。
紙の本
ジャッジメント
2019/01/31 23:48
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投稿者:本好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の大切な人が殺されたときに、自分は復讐したいと思うが、自分の手で復讐しなければならないとしたら・・・と考えさせられるものでいい作品だと思います。
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やや期待ハズレ。
題材はいいんだけど うまく活かしきれなかったという感じか。デビュー作と考えたら 仕方ないのかな。
難しい題材でもあるしね。
主人公 鳥谷文乃の人となりが 最後の最後になるまで 全く感じられない。ストーリー上 この人を前面に出せないことはわかるけど キャラ立ちしてないので 全く引き込まれない。映像が浮かんでこないというか。
ストーリーも どれもワイドショーか何かで聞いたような内容で深みがないし。
ただ最後のジャッジメントは やっと人間らしい鳥谷文乃に会えた気がして 切なくも良かったです。
星3.5
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2018年94冊目。被害者遺族が加害者に対して直接被害者が受けた行為を行える復讐法。もしも実際にこのような法律ができたら?被害者遺族の立場になった時、復讐を選択するのか?選択したとしてそれを実行できるのか?そんな思いに駆られてしまうほど圧倒的な迫力を感じる作品です。
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実際にこういう法律があって自分が当事者だったらどうしただろう……
凶悪な犯罪が増加する中制定された「復讐法」殺害された身内が犯罪者に対して同じ方法で合法的に復讐できる法律。
5つの事案があげられ応報監察官、鳥谷文乃が主人公として復讐をする執行人の葛藤やら本当の事件内容を垣間見てこの「復讐法」のあり方を考えていく。
復讐法を選択して実際に殺害された身内と同じ事をして犯罪者を殺害する者。
犯罪者と対話して真実を知り復讐はしなかった者。
自分の今までしてきた事に対して間違っていた事に気付き犯罪者ではなく自ら命を絶つ者。
それぞれの結末を迎える。鳥谷文乃は悩んでいた。この法律は本当に必要なのか?
応報監察官の仕事はやはり自分に向いていない。最後の事件でこの仕事を去る事にする。
「ジャッジメント」
単行本が出てる時から気になっていた本です。
文庫本化された事で買って読んでみました。
自分が実際に当事者でこの法律が本当にあったら今までの刑罰ではなく復讐法を間違いなく選んでいると思う。
しかし、選ぶのと実際に自分が執行するという事は別問題になる。
中々考えさせられる内容で一気読みでした。
これって映像化されるんではないでしょうか。
ただ残虐なシーンは問題ありですが……
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(だったらお前には巧く書けるのか、と訊かれたら絶対無理なんだけど)設定に惹かれて手に取りましたがなんというか稚拙で底が浅くて、うーん……って感じでした。
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なるほどなって思った。
読みたいなって興味があって、先に知り合いに紹介してかるくストーリーを聞いて読むという不思議な読み方をした。
2018.9.29
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残酷な事件をニュースなどで耳にすると
被害者の家族、遺族の立場を考えると
司法だけの判決では満足いかずに、
他に何か違った方法で復讐するという言葉が出てきますが、
まさにこの作品は大切な人がそのような場合になってしまい
復讐法というものを選ぶというストーリーで、
重たくもタブー視されている問題を描いている作品でした。
いくつかの事例ごとに成り立っていますが、
どの事例も無残で残酷なもので読んでいると重く辛くなってきます。
復讐法では多くの場合が被害者の家族が執行しているので、
復讐しているうちに、今まで知らなかった本当の
子供の姿が分かってくることが多くなっています。
それにより加害者のことよりも自分の今までの身の振り方まで
考えさせるようになりとても辛い裁きになっているかと思います。
復讐をすれば亡くなった人の気持ちが少しでも
報われると思いきや、そんな簡単な言葉で片付けられることではなく、
逆に自分も同じような事をしていることで、
犯罪者のような人間になってしまうということが共通になっています。
憎しみから生まれた復讐からは何も良いことが生まれることは無いというのがよく分かります。
どの事例でもラストのシーンは心詰まるものがありますが、
最終章のジャッジメントは最近ニュースでも児童虐待の事が
頻繁に取りだたされているのでとても胸を締め付けられる思いです。
子供からの心の叫びの声には目頭が熱くなります。
ストーリーの中では特に解決策というのは見出すことは
出来ていないですが、罪を償うということを被害者の遺族にどのようにしたら最良なのかということを考えさせられました。
そしてそうゆうことも含めて社会に問題提起されている
作品だとも思います。
小林さんの作品は初めてですが、それぞれの人物像がしっかりとして、描写も割と細かく描かれていたので感情移入もしやすく、読みやすかったので他の作品も読んでみたいと思いました。
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復讐というと、殴られたから殴り返す、あぁ言われたからこう言うみたいなことばかり思いつく。しかし、作中の復讐とは、大切な人が残虐な殺され方をした遺族に許された、人を殺すことを認めた法律のこと。
私が考える復讐とは訳が違った。昔、復讐をする方が精神的にもダメージを受けるということを聞いたことがあったけど、私には理解ができなかった。しかし、それは復讐のイメージがそもそも軽かったからだ。
平凡な日々を送ってきた人が、人を殺すというのは相当な覚悟と精神の強さが必要だ。怖気付いてしまったりして、逃げ出してしまいたくなる。しかし、逃げてしまえば、大切な人が残虐な殺され方をしたにも拘らず、逃げてしまった自分を許せなくなってしまう。立ち向かっても地獄、逃げても地獄。八方塞がりだ。
遺族の苦しみが痛いほど伝わってきて、苦しくなった。許せない、怖い、犯人と同類になることへの嫌悪、大切な被害者を思う気持ち、いろんな気持ちが一気に流れ混んできて、しんどかった。
私が権利者の立場にいたらどうだろう?大好きな家族や友人を殺されたらどちらの道を選ぶだろう。そんなことを考えたら悲しくなってしまった。
サイレンでは、最後にいい父親でありたいって気持ち、ボーダーでは、娘の悲しみと強さ、アンカーでは権利者たちの友情、フェイクでは、したたかさやずるさ、ジャッジメントでは圧倒的な切なさと兄弟愛。一冊を通してポジティブな感情はまったく芽生えないけど、妙に引き込まれてしまった。1ページめくるごとに心がギュッと切なくなる。
第3章 アンカーの「胸を三回刺した」ところがとても好きだ。
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面白かった。
目には目を歯には歯を的な感じで合法化された復讐法。
難しいテーマですね。良いとも思うし良くないとも思う。
そこら辺の葛藤がよく表現された作品だと思いました。
読みやすかったし、良かったです。
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「復讐法」と言う、犯罪者から受けた被害内容と同じことを合法的に刑罰として自らの手で刑を執行するお話でした。
そんな法律あるわけないって思いながらも、もしも本当にあったら…と思いこの本を手に取りました。
応報監察官と言う復讐法の執行を見届ける鳥谷文乃さんと、5つの犯罪からの話し。
人を殺すことなんて簡単で、本当に難しいのは人を許す事。
大人や子供、親子の役割も主従関係も存在しない家族。
境界線のない世界。役割を降りても消えない絆。
完璧な人間なんていないのに、自分の小さな傷や欠点を見つけて、その傷を自ら深く広げて自責の念に駆られる。
暴力を受ける恐怖よりも、捨てられる不安の方が強い。
死ぬよりも苦しいのは見過ごすこと。何も出来ない、何もしなかったのは自分自身だ。
それぞれの話の中で沢山の心にささる文章がありました。
実際に大切な人を殺された人間にしかわからない話なのかもしれませんが、自分が復讐法を選ぶ事は難しいです。
はぁ~…
モヤモヤが消えない…
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最終話にウルウルきた
人は他人の痛みを理解できないから、傷つけてしまう。同じ立場になって初めて理解できる。ひどい殺され方をしたら犯人を同じ目に合わせていい。そんな法律ができたら自分はどうするか。相手と同じになるのと、相手を許すこととどちらが難しいのかな
いろんなことを考えさせられる一冊でした
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近未来の日本で新たに施行された『復讐法』。目には目を歯には歯を、この法律は果たして被害者家族の心を救えるのか。究極の赦すことの本質を問う衝撃作。
毎日のように報道される悪質な事件。特に子供への虐待や通り魔殺人など、弱者に対する犯罪は許すまじと思う。加害者にも人権が認められている現行法に、真正面からぶつかる本作品の意義はとても尊い。
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大切な人が殺されたとき、犯人を同じ目に遭わせたいと人は思う。
それが認められた復讐法。
今まで通りの刑罰か復讐法かを被害者遺族が選ぶ。
ただし、被害者遺族自身の手で行うこと。
大切な人が殺されたとき、あなたは復讐法を選びますか?
5つのストーリーで読みやすいですが、ひとつひとつが重く深い。
復讐できれば気が晴れるという単純なものではなく、そこには被害者遺族の苦悩があり、言葉にならない感情が込み上げてくる。
復讐するということは、自分も殺人犯になるということ。
合法的な殺人。
自分ならどうするか。
ひとつひとつのストーリーで考えてみたけれど、答えは出ない。